公文 紫都 2021/6/15 9:00

アダストリア、メガネブランドの「OWNDAYS」(運営はオンデーズ)などが自社ECサイトに導入するストーリー型オンライン接客ツール「ザッピング」。InstagramやLINEなどで一般的になっているショートムービー「ストーリー」を販売員が撮影し、商品情報をひも付けて自社ECサイトやInstagramに掲載できるサービスだ。数多くのオンライン接客ツールが登場しているが、「ザッピング」は主力EC関係者からも注目を集めている。開発者であるFANATICの野田大介代表に話を聞いた。

連続再生で「偶然の出会い」を創出

「ザッピング」は、htmlタグを埋め込むだけで、ECサイト上へのストーリー掲載を可能にするツール。2021年3月にローンチ後、アダストリアや「OWNDAYS」、化粧品ブランドの「ネイチャーズウェイ」が導入。今後も、商業施設やアパレルブランド数社が導入を予定しているという。

動画のほかに静止画も掲載でき、それぞれ特集ページや商品ページへのリンクを設置することが可能。ECサイトを来訪した顧客は、「ザッピング」を通じて掲載されたストーリーを見て気になった商品があれば、そのまま画像や動画上の商品情報をタップし商品ページへ遷移できる。

アダストリアによるザッピング導入例。商品情報に付随するテキストの色や配置箇所は自由に設定できる。ブランドロゴの掲載も可能
アダストリアによる導入例。商品情報に付随するテキストの色や配置箇所は自由に設定できる。ブランドロゴの掲載も可能(画像:FANATIC提供)

「ザッピング」は店頭販売員による撮影、掲載を想定して開発(上長などの権限者が承認して掲載が完了する)。動画や画像経由での売上高や視聴数などを可視化するため、導入企業はその成果を各販売員の評価に活用できるという。

現在、店頭販売員の利用を想定したオンライン接客ツールは複数出てきているが、「ザッピング」の特徴は、「ストーリー」を採用しているため、動画が連続再生される点にある。

TikTokで連続再生を続けている間にお気に入りの動画が見つかることもあるように、「ザッピング」もまた、連続再生している間の「偶然の出会い(セレンディピティ)」を創出する。これは店頭での買い物体験に近い感覚といえそうだ。

店頭の接客体験をオンラインで再現

ストーリーの掲載場所は、トップページ、商品ページ、購入完了ページとあらゆる場面が想定される。開発者の野田大介代表は、「各ページに役割を持たせることで、店頭に近い接客体験をオンラインで再現できる」と説明する。

たとえば、トップページに表示するストーリーは店頭接客でいうところの「いらっしゃいませ」、つまり「誘導」にあたり、商品ページのストーリーは「接客」。購入完了ページのストーリーは「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています」に近い、「リピート促進」の役割を持たせることができる。オンラインであれば、購入完了ページのストーリーにアプリ登録やLINEの公式アカウントを紹介するためのQRコード掲出もできるだろう。

物撮りによる活用イメージ。商品の上に、商品名や価格などを載せれば一目で商品情報が分かる
物撮りによる活用イメージ。商品の上に、商品名や価格などを載せれば一目で商品情報が分かる(画像:FANATIC提供)

今後商業施設などでの導入も進んでいくため、たとえば施設内の飲食店が「本日の日替わりメニュー」「今パンが焼けました」など、動画ならではの「シズル感」の演出も可能になりそうだ。

企業へのサービス提供が始まって間もないが、早くも視聴時間、CVRとも「導入前に想定していた以上に伸びている」と野田氏は説明する。

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