Rポイント開始で効果UP、楽天ユーザーを自社サイトの顧客にする「楽天ID決済」活用法
自社サイトで楽天会員IDによる決済が行える「楽天ID決済」は、楽天が10月1日から始めた共通ポイントサービス「Rポイント」(関連記事)によって、楽天ユーザーを自社サイトに呼び込む起爆剤になる可能性がある。「Rポイント」開始で、これまでネットでしか利用できなかった楽天スーパーポイントが、コンビニやガソリンスタンドなどで貯めたり使ったりできるようになった。その価値は従来に比べ向上し、楽天ポイントを使って楽天外で買い物をしたい消費者の消費意欲を喚起できそうだ。自社サイトに楽天ユーザーを呼び込みたい……そんなEC事業者のニーズに応える「楽天ID決済」の詳細や今後の展望を、チェックアウト事業運営グループサービスプロダクト運営チームの宮本惠介サブリーダーに聞いた。
――楽天ID決済のサービス概要を教えて下さい。
自社のECサイトで、楽天に登録している住所情報やカード情報を利用して決済ができるシステムになります。楽天スーパーポイントを利用したポイント決済も可能です。消費者のメリットはすでに登録している住所やカードの情報を利用できるので、楽天外のサイトで個人情報入力する必要がなくなります。楽天外のサイトで買い物をしても、楽天スーパーポイントの利用し、獲得ができる点もメリットです。
導入するEC事業者は、クレジットカード番号などの個人情報の入力をする必要がなくなり、決済完了までの離脱率が低下し、コンバージョン率が向上できるメリットがあります。特に、入力が不便なスマートフォンサイトなどでは、高い効果を見込むことができます。楽天スーパーポイントを使ったマーケティングも行えるようになります。
――楽天ID決済が提供している決済手段は。
クレジットカード決済、楽天スーパーポイント、楽天キャッシュによる決済の3種類です。そのため、多くのEC事業者は、通常のカード決済や代引き決済などを用意しながら、決済メニューの1つとして楽天ID決済を追加利用するケースが多いです。
――具体的な料金体系を教えて下さい。
店舗ごとに提案しているので、導入費用や、手数料などは公表していません(カード決済手数料にロイヤリティ手数料、ポイント付与手数料1%がかかるため、通常のクレジット決済より高い料率になる)。
――現在の契約数は。
物販、非物販を含め1300以上のサイトが契約しています。割合では非物販のサイトが多いのですが、最近では大手物販サイトでも導入が進み、総決済額も順調に広がっています。引き合いが増えているのは、導入後に新規獲得率や購入単価の向上といった効果が見込めることが寄与していると考えています。
――ユーザーは購入を決断する前に、楽天ID決済を導入している店舗かどうかを判断する方法はありますか。楽天ID決済が使えるから、その店舗で買うというユーザーを集めることはできるのでしょうか。
当社側で楽天ID決済が利用できる企業を集めたサイトを運営しています。さらに楽天グループの他サービスと組み合わせた施策も提案しています。楽天ID決済が使えることをメリットに感じ、サイトに訪問するユーザーを増やすことができれば、導入ECサイトにとって満足してもらえると思います。今後そうした施策をより強化していきたいと考えています。
――集客支援以外に、今後強化することを教えて下さい。
楽天ID決済を導入したサイトの売り上げをより向上させるためのマーケティング支援です。サイトに訪問した消費者がよりスムーズに買い物ができ、より楽しく買い物ができるためのユーザーインターフェース(UI)の提案、楽天スーパーポイントの保有数がわかるポイントパーツの提供を行っていきたい。楽天市場のノウハウを生かしたクーポン施策やポイントキャンペーンなども提案し、こうした施策で導入サイトの売り上げアップに貢献していきたいと考えています。