朝比美帆 2021/10/27 8:00
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ECサイト運営に必要なマーケティング要素は多々あるが、「サイト内検索」をシステムの一部としか認識していないケースが散見される。サイト内検索という行為は、実店舗に置き換えると店員に問いかける行為と同じであり、顧客との対話の場として捉え、改善することで、大幅なCX向上実現の可能性がある。CX向上に不可欠な「レビュー」との関係も含め、ZETA代表取締役社長の山崎徳之氏が解説する。

デジタルネイティブの「Z世代」が、すでに消費購買のメインターゲットに

スマートフォンの普及により、ECに限らずコマース全体においてデジタルマーケティングの間口が広がった。加えて、デジタルネイティブ/スマホネイティブのZ世代がすでに主要な購買層となっており、米国においては総消費に対するZ世代の占める割合が40%に到達していることからも、デジタルマーケティングの認識を改めなければならない時代になっていると言える。

購買行動の変化
スマートフォンの普及と、Z世代が消費購買のメイン層になってきたことで、購買行動に変化が起きている

ECサイト内検索は重要なマーケティング要素

EC市場が年々伸長している中、コロナ禍を機にEC需要が益々拡大しているが、ほぼすべての世代で、ECのスマホシフトが進んでいる。こうした状況の中で、カスタマーエクスペリエンス(CX)も変化を続けているという。ZETAの山崎氏は、CXを向上させるための施策として、「検索」と「レビュー」を重視すべきだと考えている。

ZETAは約14年前からEC向けサイト内検索エンジンを提供しているが、多くの企業では今もなお、「検索」はECの1つの機能としてシステム予算に計上されており、マーケティング予算として計上されていない状況だという。

広告関連の施策がマーケティング予算に入るのはもちろん、最近ではマーケティングオートメーションやWeb接客などのツールも、システム予算ではなくマーケティング予算として認識されるケースが多い。検索もECサイトの離脱につながりやすいポイントとなるため、本来であればマーケティングとしての頑張りどころであるはずだが、「とりあえずサイトに検索窓を用意する」といった一部の取り組みにとどまるサイトも多いという。

単品通販など商品点数の少ないECサイトであれば、ナビゲーションから商品を探すことが可能であるが、数百点以上の商品を取り扱っているECサイトであれば、なおさら検索が離脱されやすいポイントになることを意識しなければならない。

検索は離脱されやすい
ECサイトでの「がっかり体験」の調査では、検索に関する回答が多く見られた

自分自身に置き換えてイメージしていただきたいが、ECサイトでの買い物中に検索をしているときは、購買に対する意欲がかなり高いことが多いのではないだろうか。だからこそ、検索をしているユーザーは購買の直前にいる可能性が高いと言える。ユーザーが探している商品が売られているにもかかわらず、検索の精度が悪いといった問題で離脱を招いてしまうのは、とてももったいない。(山崎氏)

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏
2006年にZETA株式会社を設立、代表取締役に就任(現任)。 現在はECサイトのマーケティングツール『ZETA CX シリーズ』の開発・提供に取り組んでおり、コマースとCX(カスタマーエクスペリエンス)のリーディングカンパニーとして多数の国内大手サイトの売上に貢献している。

広告など集客のための施策に投資し、たくさんのユーザーが来店しても、その後に離脱されてしまっては、結局は残念な結果となってしまう。「検索はマーケティング要素」ということを常に認識しておかなければならない。

消費者同士のレビューはCXを高める上で重要

次に、「レビュー」がCX向上のために重要な理由を解説する。

デジタル上に投稿されるレビューや口コミの件数は、年々増大している。国内ではこれまで、「価格.com」や「@cosme」のような外部サイトでの口コミが一般的だったが、ECサイトの中にレビューや口コミを組み込む流れが、ここ2年で一気に広まってきているという。

しかし、レビューの導入に対して「悪いレビューを書かれてしまうかもしれない」「批判的なコメントが心配」といったネガティブな声も聞かれる。山崎氏はこうしたネガティブな考えから脱却すべきだと話す。

「耳の痛い意見」と「根拠のない誹謗中傷」はまったくの別物。耳の痛い意見を書かれたくないという理由でレビュー導入を躊躇してしまうのは、消費者の意見に無関心な姿勢とも映ってしまいかねない。(山崎氏)

レビューによるCX
多くのユーザーがレビューを参考にしたり、レビュー目的でサイトに訪問したりしている

大半の消費者がスマホを持ち、ECだけでなく店頭で買い物をしているときでも、ネットで商品の評判や他店の価格などの情報を収集できる今、事業者には消費者のアクションに協力的な姿勢でいることが求められている

こうした状況の中で、消費者の情報収集に役立つレビューは、CXを高める上で重要な役割を担っているのだ。レビューがないサイトに対して、特にZ世代は、「このサイトは都合の悪い情報を載せずに良い情報だけを見せて買わせようとしているのでは」と敏感に察知するのではないだろうか。

消費者の立場からすると、レビューのあるサイトに信頼性や安心感を感じやすくなっている。サイトを運営する立場としても、消費者目線を心掛ければ、「耳の痛い意見を書かれたくない」という考えを払拭できると山崎氏は考えている。

サイト内検索とレビューは商品をカゴに入れてもらうための施策

「集客したユーザーのコンバージョンをいかに高めるか」を示す「CRO(Conversion Rate Optimization)」。CROを追求するなかで、事業者が重視する施策の1つに「カゴ落ち対策」があるだろう。しかし、そもそも商品をカゴに入れてもらえなければカゴ落ち対策のしようもない。カゴ落ち対策を考える前段階として、カゴに入れてもらうための施策となるサイト内検索とレビューを重視しなければならないという。

CROで重要なカゴ落ち対策
商品をカゴに入れてもらう前の「検索」と「レビュー」もCROの施策として欠かせない

検索とレビューは相互補完関係にある

サイト内検索で表示される検索結果の並び替え(ソート)は、サイト側の「おすすめ順」だけでユーザーのニーズをすべてカバーできるものではない。「評価が高い順」「価格が安い順」「割引率の高い順」「新着順」など、その時々の状況で見比べたいユーザーの軸は変わるものだ。

なかでも、レビューがあることによって並び替えが可能になる「評価順」の有無はCXに大きく影響するため、検索の向上にはレビューが欠かせないということだ。

また、レビューが蓄積すると、レビュー自体がECサイトの膨大なコンテンツとなって力を発揮するという点も忘れてはならない。

レビューは1つの商品に対して複数の投稿が寄せられるため、レビューがあればオフィシャルな商品情報だけの状態よりも、はるかに多くのデータが蓄積されることになる。「オーガニックなデータになるレビューや口コミは、ECサイトというオウンドメディアの中のアーンドメディアと言える」(山崎氏)。

レビューや口コミがない場合は、サイト内検索をしても商品データに対する検索しかできないが、レビューを導入してコンテンツが増えれば口コミ自体を検索することもできるようになる。そうすれば、オフィシャルな商品情報にはなくとも、ユーザーが購入前に知りたい有益な購買体験の情報もレビューから知ることができる。検索とレビューは、相互に補い合いながらECサイトのCXを高める関係にあると言える。

検索とレビューの相互補完性
検索とレビューは、相互に補完しながらCXを高める関係にある

レビューデータによって検索の利便性が各段に向上する

ECサイト内にレビューを導入していても、総合点しか表示していないサイトは少なくない。しかしこれでは、商品そのものに対するレビューを見たいユーザーにとって、「配送が遅かった」という理由で5点満点中1点を付けているレビューはノイズになってしまい、商品の良さで並び替えをしたくても適切な順序で並べられなくなってしまう。こうならないために、レビューは多項目にする必要があるという。

「絞り込み」と「並び替え」はECサイトの商品検索における2大機能だ。レビューを多項目にすると、レビューを入れる項目自体が絞り込みの要素にもなるため、検索性を高める上でもメリットが大きい。

たとえば、アパレルECで商品を選ぶとき、サイズ、色、価格帯などで絞り込むだけでなく、評価順で並び替えたり、商品の評価が4点以上の物に絞り込んだり、自身と似た属性のレビュアーで絞り込みたいというニーズも多いだろう。レビューがある場合と無い場合、そしてレビューが多項目かどうかは、検索の利便性にダイレクトに関わってくる

検索を強化するレビュー
レビューは評価順の並び替えの要素になるほか、レビューの多項目やレビュアーの属性が入力できると、検索の絞り込みにも役立つ

BtoBのECでも効果を発揮

業務用厨房機器ECの「テンポスドットコム」は、BtoBのECサイトでも実績が豊富なEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入している。導入から約1年後には、セッション数が64.39%増、直帰率が0.4%改善、トランザクションが39.45%増という結果が出たという。

「テンポスドットコム」では、ユーザーの約20%がサイト内検索を利用しており、検索を改善したことで取引が約1.4倍に拡大。BtoCだけでなく、BtoBにおいてもCXが重視される時代になったと言える。

Z世代にとって、口コミは情報発信

若い頃からブログやSNSが当然にある環境で育ち、自身が情報発信者であることがごく自然なZ世代は口コミも自身の表現の場になっている。そんなZ世代が消費購買のメイン層となった今、口コミも一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションになりつつあるという。

すでにAmazonではレビューの上部にQ&Aの形式が採用されており、商品の購入を検討しているユーザーからの質問に、購入したユーザーやメーカーが回答するというやり取りが頻繁に発生している。

これまでは、SNS上で行われていた商品に関する会話やコミュニケーションも、今後はECサイト上で行われるようになる。口コミというものが、Q&Aやフォーラムのように情報交換の場になりつつあるという意味でも、マーケティング要素としての重要性がますます高まってくるという。

口コミ=情報発信
口コミは購入後のユーザーからの一方的な発信だけでなく、購入前のユーザーも質問などを投稿できる双方向コミュニケーションが活発化する

レビューがある商品はCVRが大幅にアップ

米国で行われた調査によると、レビューがあるECサイトのコンバージョンは低価格商品で190%、高価格商品では380%に増加することがわかった。また、レビューの評価は5点満点中4.0点~4.7点が購入可能性のピークとなり、5点満点になると購入の可能性が減少するという結果が出ている。

レビューとCVRの関係
レビューの有無と評価は、コンバージョンに大きく影響する
出典:https://thegood.com/insights/product-reviews-improve-conversion-rates/

レビューの有無が売り上げを左右することは証明されている。Z世代、さらに次の世代に向けて、これからますますレビューが重要性を増してくることを認識すれば、レビューはポジティブなものとして捉えるべきである。(山崎氏)

双方向化した口コミを、ZETAは「発展型の口コミ」と呼んでいる。幅広いジャンルの事業者がレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入しているが、なかでもアパレルや家具のように、ネットで買う前には特に口コミが気になるジャンルで「発展型の口コミ」に進化を遂げているという。

アダストリアのアプリ「.ST」では、ユーザー間のコミュニケーションが活発化

アダストリアは2020年12月、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」の機能を活用して「.ST」アプリ上で新サービス「商品Q&A」を開始し、N対Nのコミュニケーションの場を実装。

購入した衣類の洗濯方法や、質問者の体型に合う具体的なスカート丈のアドバイスなど、さまざまなテーマでユーザー間のコミュニケーションが活発に行われており、「商品Q&A」開始からわずか3か月で質問数は約7,000件、回答数は約3万7,500件に到達。1つの質問に対して、平均約6個の回答が寄せられているという。

サンエー・ビーディーでは、レビューがCVR、返品率、マーケティングに貢献

TSIホールディングスのグループ会社、サンエー・ビーディーの「サンエービーディーオンラインストア」では、2018年2月のサイト開設当初からスタッフによる写真付きレビュー投稿などの機能を構想していた。このため、レビューエンジンの導入にあたっては、デフォルトで構えていない機能でもスピーディーに対応できる点を最重視して「ZETA VOICE」を導入した。

導入後は評価点、コメント、レビュアー情報、画像アップロードなどの機能を実装。一部商品でレビュー投稿前後1週間のスマホ経由のコンバージョン率を計測したところ、1.8倍~2.5倍の伸び率となっていた。また、レビュー情報が拡充したことにより返品率が低減。「こういう色があればもう1着欲しい」といった商品企画やマーケティングに役立つレビューも多く寄せられており、ブランド側と情報を共有しているという。

「ZETA CX シリーズ」として6製品を展開

  1. EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH
  2. レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE
  3. OMO・DXソリューション「ZETA CLICK
  4. AI・レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND
  5. 広告最適化エンジン「ZETA AD
  6. 予測・パーソナライズエンジン「ZETA DMP

「ZETA CX シリーズ」は、中堅~大手企業を中心に幅広いジャンルで導入されており、特にデジタルマーケティングの取り組みが進んでいるアパレル業界からの引き合いが強い傾向にあるという。

主な導入先企業
「ZETA CX シリーズ」の主な導入企業
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