新型コロナウィルスによる影響で現在も訪日が制限されるなか、インバウンド消費はリアルからオンラインへとシフトし、越境ECに取り組み始めた企業も増加しています。

越境ECを開始した後、ECサイトにはどんな変化が起きているのでしょうか? 月間200万人が訪れる人気のライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムに、越境EC活用の本音を伺いました。

ECメディア「北欧、暮らしの道具店」とは

「北欧、暮らしの道具店」は、北欧のビンテージ食器のEC販売からスタート。現在は「フィットする暮らし、つくろう」をテーマに、世界中の商品を取り扱うほか、日々の暮らしに関するコラム、動画、ラジオ、オリジナルドラマなどのコンテンツ配信を行い、月間200万人ものユーザーがサイトを訪れています。さらにスマホアプリは150万ダウンロードを突破するなど、ECとメディアの2つの顔を持つプラットフォームとして注目されています。

北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」のサイト( https://hokuohkurashi.com/

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは、2021年3月に自社サイトをタグ1行で越境EC化できる「Buyee Connect」を導入。サイトが持つ世界観をそのままに世界118の国と地域にコンテンツや商品を届けています

「北欧、暮らしの道具店」
「Buyee Connect」連携時の購入画面

サイトの世界観をそのままに、海外のお客さまが買い物を楽しめる環境を

「Buyee Connect」を導入して約1年となるクラシコムの高尾清貴氏(ビジネスプラットフォーム部 部長)に、越境EC活用の本音を聞きました。

Q. 越境ECを始めた理由は?

高尾氏:台湾のイベントに出店した際、現地の方に多数ご訪問いただき、「日本以外にもお客さまがいるのではないか」と感じていました。さらに、コンテンツを発信しているSNSやサイトに海外のお客さまからアクセスがあり、販売チャネルを拡大の可能性を探るために越境ECを始めました

当初はマーケットプレイス形式の「Buyee」に出店していたのですが、作り込んだ自社ECサイトのUIやデザイン、コンテンツの数々を生かせないことができない点がデメリットでした。そこで自社ECサイトをそのまま越境EC化できる「Buyee Connect」に切り替えました。

「Buyee Connect」に移行してから越境ECによる売り上げは2倍以上に伸びています。オフィシャルサイトが持っている世界観を感じていただきながら、お客さまに買い回りを楽しんでいただけるようになったことが良かったのではと感じています。

Q. 海外のお客さまの購買層

高尾氏:性別や年代は日本のお客さまとほぼ同じで、30代~40代の女性が中心です。台湾以外にもアメリカや香港、韓国、ヨーロッパからもご購入いただいており、驚いてます。当初は海外に住む日本人の方の購入を想定していたのですが、使用言語を見ると実は日本語の使用割合がとても少ないという実態がわかってきました。コンテンツやSNSは日本語で発信しているので意外でしたね。

Q. 海外から人気の商品

高尾氏:日本ではアパレルと雑貨が人気なのですが、海外では雑貨が売れています。2021年9月に急に売り上げが伸びたことがあるのですが、「壁かけカレンダー2022『大人のたのしみ』」という商品が発売開始と同時に海外でもヒットしました。

壁かけカレンダー2022「大人のたのしみ」
海外で人気の壁かけカレンダー2022「大人のたのしみ」(現在は取扱終了)

イラストレーターの小池ふみさんのイラストをあしらったカレンダーなのですが、小池さんはTwitterやFacebookを通して海外でも人気のある方なので、ファンの方にご購入いただけたのでは、と考察しています。暦は日本式なので海外でも売れるのは想定外でしたね。

海外に対してはオリジナルドラマや記事などのコンテンツを先に知っていただき、後からモノが売れたら良いなとは思っていましたが、イラストというコンテンツがきっかけで海を渡りヒットにつながった好例になりました。

Q. 越境ECを始めるのは大変でしたか?

高尾氏:タグの埋め込みさえしてしまえば、日本向けにサイト運営するだけで良いので非常に楽です。国内サイトを運営していたら、気づいたら海外にも売れている状態ですね。

新しいことをやるときに小さく始める。いわば「社運をかけない」というのが当社の方針で、既存の自社サイトにタグを埋め込むだけで越境EC化する方法は、業務フローを大きく変更することなくトライすることできるので、当社に合っていると感じています。

Q. 今後の海外施策は?

高尾氏:SNSやオリジナルコンテンツは現在は日本語だけの展開ですが、海外向けにドラマの字幕を付けていくといったことを小さく試していきたいと思っています。普段やっていることが越境ECの流通に結び付くので、今後はコンテンツをきっかけにさらに多くの海外のお客さまに知っていただきたいです。最近、越境ECの潮目が変わってきたと感じるので、この波を逃さないようにしていきたいですね。

◇◇◇

高尾氏は「越境ECをすべて自社で運営しようとするとハードルが高いが、越境EC導入ツールはそのハードルを下げて、日本以外の市場に挑戦しやすい環境を作ってくれる」ともコメントしていました。

越境EC導入ツールは現在迷うほど数が多く、DX化、SNSの浸透によりコンテンツ発信もしやすい環境になっています。費用も月数千円程度の負担で、SNS運用も自社で運用すればコストもかからず、知見も社内に溜まって、次の情報発信やコンテンツ制作に生かせます。

海外販売の第一歩として、まずは小さく始められる越境ECを導入してみませんか?

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直井 聖太

BEENOS株式会社 代表取締役社長 兼 グループCEO

1980年生まれ、愛知県出身。コンサルティング企業に入社後、2008年にBEENOSへ入社。輸出Eコマース関連の新規事業を担当し、tenso株式会社(当時、株式会社転送コム)の立ち上げに参画。2012年、tenso株式会社の代表取締役社長に就任(現任)し、「From Japan」のクロスボーダービジネスを牽引する。

2014年、BEENOS株式会社 代表取締役社長兼グループCEOに就任。2016年には東証一部に市場変更。クロスボーダー事業を軸とした新グループ成長戦略を推進し、グループ事業や投資先とのシナジー効果を発揮、モノ・人・情報を日本と海外、双方向に繋ぐグローバルプラットフォームを展開する。

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