Hameeは化粧品事業を約100億円に拡大する計画。コマース事業の中期経営計画まとめ
携帯ストラップの仕入れ販売から、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占めるになったHameeのコマース事業。携帯ストラップからスマホ関連グッズに転換、自社製品の取り扱いによるD2C、量販店への卸販売といたオムニチャネルを展開してきた。そして今、進めているのが既存事業を生かした新規事業。化粧品市場への進出など、Hameeが進めるコマース事業の中期経営計画をまとめた。
樋口敦士会長がモバイル周辺アクセサリーの企画・販売・ECを目的にマクロウィル有限会社を設立したのは1998年。2006年に商号をStrapyaNextに変更した当時、主力商材は社名の通り携帯電話用ストラップ。
時代は変わり、市場ではスマホが台頭。Hamee(2013年に社名変更)もその変化に対応し、自社で企画したスマホケースなどのグッズを扱うようになる。
かつては仕入れ販売が中心だったが、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占める。価格競争の回避に加え、メーカーという立場から量販店への商品卸も手がける。量販店の流通網を活用しながら、リアルと卸、ネットのトレンドを把握して商品を展開するといったオムニチャネル的なビジネスモデルもHameeの強みである。
そんなHameeのコマース事業が進めているのがスマホグッズに次ぐ収益の柱作り。2021年にゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結。ゲーミングアクセサリー事業を始めている。
また、ライフスタイルブランド「iFace(アイフェイス)」から、コスメブランド「ByUR(バイユア)」を立ち上げ、コスメティクス事業(化粧品事業)に新規参入。2022年1月のリリース移行、ネット通販、卸販売を展開している。2022年2-4月期(第4四半期)には億単位の広告宣伝費を投下した。
ゲーミングアクセサリー事業のCAGR(年平均成長率)は25%増を計画。2025年4月期の売上高は11億円まで拡大させる。
大きな事業拡大を見込むのがコスメティクス事業だ。2023年4月期は7億円の売上高にとどまるものの、3か年の中期経営計画(中計)最終年度の2025年4月期は45億円まで拡大。2027年4月期は92億円の事業に育成する。
コロナ禍で化粧品市場は顧客ニーズが変化、特に若年層における「綺麗な素肌を保ちたい」「メイク中も素肌に負担をかけたくない」といったスキンケアニーズが広がっている。
ターゲットは、コマース事業のメインブランドで世界累計2000万個超(2020年12月末時点)を販売した「iFace」の主要顧客である若年層。「iFace」と親和性が高い分野であること、Hameeが保有する販売チャネルといったビジネスモデルを活用できるという。
現在の取り扱い商品はベースメイクが中心。今後、スキンケア、カラーメイク、ヘアケアまで広げる。
「iFace」を中心としたモバイルライフ事業では、スマホケース以外の商品カテゴリーを強化する。「タブレットケース」「モバイルバッテリー」「PCケース」「AirPodsケース」のヒット商材を創出、全体売上高を拡大する。
中計最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む。