石居 岳[執筆] 2022/12/1 8:30

BtoB向けに業務管理システムの開発や提供を手がけるアイルは、年商5億円から1000億円未満までの中堅・中小企業を対象に、企業間取引における受注業務の実態を調査した。

システム導入企業に、最も利用している受注手段(受注チャネル)を聞いたところ、80.6%の企業が電話やFAXといったアナログの受注手段を利用していることが判明。アナログによる受注手段が、依然根強く残っている状況だ。

アイルが中堅・中小企業における受注業務の実態を調査 最も利用している受注手段(受注チャネル)
最も利用している受注手段(受注チャネル)

企業間での受注業務におけるEC化率(得意先のEC利用率)で最も多かったのは「15~30%未満」で19.9%。「30~50%未満」が17.8%で続いた。取引先のEC利用率は平均約40%。企業間取引でのEC化が浸透していない企業も多数ある状況が浮かび上がった。

アイルが中堅・中小企業における受注業務の実態を調査 企業間での受注業務におけるEC化率(得意先のEC利用率)
企業間での受注業務におけるEC化率(得意先のEC利用率)

BtoB-ECの利用率が伸び悩む要因は「得意先の理解不足」が15.7%、「社内の推進役がいない」と「得意先とのパワーバランス」が各13.5%、「得意先への案内不足」が12.5%などとなっている。

アイルによると、「利用者がデジタルへの切り替えにハードルを感じていること、ECを社内に浸透させるためのリソース不足などがうかがえる」という。また、伸び悩む理由は「特になし」と回答した率も21.7%にのぼった。

アイルが中堅・中小企業における受注業務の実態を調査 BtoB-ECの利用率が伸び悩む要因
BtoB-ECの利用率が伸び悩む要因

Web受注システム(BtoB-EC)の導入時期を聞いたところ、「2~3年以内」が36.7%、「1年以内が7.8%」で、3年以内に導入した企業が約45%。新型コロナウイルスの流行期間内に、システム導入を進めた企業が多いとみられる。

アイルが中堅・中小企業における受注業務の実態を調査 Web受注システム(BtoB-EC)の導入時期
Web受注システム(BtoB-EC)の導入時期

BtoB-ECに対する期待と、BtoB-EC導入企業が導入後に感じている効果のうち、上位5項目中4項目が一致している。具体的には、「ペーパーレス化」「FAX注文での業務負担削減」「営業担当者の負担削減」「電話注文での業務負担削減」「問い合わせに対する業務負担削減」。

アイルが中堅・中小企業における受注業務の実態を調査 BtoB-ECに対する期待と、BtoB-EC導入企業が導入後に感じている効果
BtoB-ECに対する期待と、BtoB-EC導入企業が導入後に感じている効果

調査概要

  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:勤務先が埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
  • 調査対象:製造業・卸売業に勤務する経営者・役員・管理職、勤務先で受発注業務に携わっている人
  • 調査機関:外部リサーチ会社
  • 有効回答数:511件
  • 調査実施時期:2022年9月22~27日
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