森野 誠之[執筆] 2023/1/31 8:00

楽天の新春カンファレンス2023で「配送品質向上制度」導入が発表されました。「楽天スーパーロジスティクス」などを使えば対応できるようですが、「使えない場合はどうする?」となりますよね。時間はあるのでよく考えましょう。

「配送品質向上制度」では土日の出荷も必須に

「楽天市場」、「配送認定ラベル」を2024年導入 配送日で商品を選びたい顧客ニーズに対応 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/7959

楽天グループ(楽天)は1月26日、「楽天新春カンファレンス2023」の「2023年上期戦略共有会」において、2024年4‐6月期(第2四半期)には「配送品質向上制度」を導入し、配送品質の高い商品に「配送認定ラベル(仮称)」を付与する施策を発表した。その前段として、2023年6月には、精緻な最短指定可能日を検索や商品ページ上に表示できるようになる「お届け日表」機能をリリースする。

「Yahoo!ショッピング」が導入している「優良配送」のような制度が導入されることになりました。個人的には「Yahoo!ショッピング」に対抗するのではなく、「楽天市場」全体で「Amazon」並みに早い配送を実現しようとしているのだと思います。

配送認定ラベル獲得のためには、まずSKU単位での商品登録・データ保持を可能にする「SKU」に対応する必要がある。さらに、配送日時指定が可能な商品について、楽天サーチ・商品ページに最短指定可能日を表示する「お届け日表示機能」に対応しなくてはならない。加えて2024年に店舗と商品の認定基準をそれぞれクリアする必要がある。

SKU単位での商品登録は「Amazon」に対抗するものです。それに対応しないと配送認定ラベルが獲得できませんので、ここは要注意です。SKUに対応しようとすると画像も増えますし、手間もどんどん増えていきますので、業務の効率化ができていないと、忙しいわりには儲からないことになってきそうです。

「店舗基準」の案では、①納期遵守率96%以上 ②6日以内お届け件数比率80%以上 ③出荷件数が月100件以上 ④共通の送料込みラインの導入――などの基準を検討している

「商品基準」の案では、「午前の注文」について365日いつでも「翌日お届け」を指定できるようにすること、「午後の注文」について365日いつでも「翌々日お届け」を指定できるようにすること、を求める見通しだ。

気になってくるのは「365日いつでも」です。土日をお休みにしていたショップでも配送せざるを得ません。「楽天スーパーロジスティクス」を使うという選択肢もありますが、少人数のショップほど大変になってきそうです。

モールにおいては買う側は便利になる一方で、ショップ側のレベルアップが求められるようになってきています。自社ECで自分たちのルールで頑張るのか、モールの販売力が必要なのでモールのルールに合わせるのか。早急な判断が求められます。

関連記事

今週の要チェック記事

発送方法を考えないとバックオフィスが大変になりますという話 | アプロ総研
https://www.apro-soken.co.jp/column/order/post-14.html

メール便とは?送り方や郵便・宅配便との違い、各社の料金比較、注意点を紹介! | よむよむCOLOR ME
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/90400

前述の記事に関連して配送の記事を2つ。バックオフィス業務の大変さを実感してから販売計画を。

【楽天SOY2022】総合グランプリはアルペン、2位はサンドラッグ、3位は「サプリ専門SHOPシードコムス」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10573

2017年からの受賞店舗も掲載されています。どんな変化があったのか見ておきましょう。

2023年、楽天市場進出・売上拡大を目指すメーカー担当者へ 注目アップデートと方針策定のコツを紹介 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/12197

配送の前にSKUですよね。2023年は楽天のアップデートについていける組織力を身につけましょう。

品質評価ガイドラインで”Experience”はどう語られたか | JADE
https://blog.ja.dev/entry/blog/2023/01/20/experience-in-general-guideline

ページの評価指標「EAT」が「EEAT」に!「経験」追加の影響や対策を解説 | マナミナ
https://manamina.valuesccg.com/articles/2206

SEOの記事を2つ。昔のようにハック的なSEOは終わっています。最新の情報にアップデートを。

【景表法検討会の報告書】「確約」「確約手続き」「悪質事業者への課徴金の割増し」「直罰規定の導入」など法改正の方向性は? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10562

「デジタルプラットフォーマーに対するECモールへの規制強化、電話受注の際に行う通販の『アップセル』『クロスセル』の販売手法を規制する特商法の改正案などと並び、景表法改正の流れは通販業界にインパクトを与えることになりそう。」ネッ担メルマガより

Shopifyの2023年のプラン価格改定について | Shopify 日本
https://www.shopify.com/jp/blog/pricing-updates-2023

Shopifyの料金プラン オンラインストアの設定と開設 | Shopify 日本
https://www.shopify.com/jp/pricing

「Shopify」も値上げです。ベーシックは月払いだと33ドルに。

今週の名言

世界で四半期の売上120億円「Duolingo」の日本展開の裏側。ユーザー理解を起点にテレビCMを成功させた方法、テスト受講率を2倍に改善したABテスト。 | アプリマーケティング研究所
https://markelabo.com/n/n45e72486c49f

戦略や施策を考えるとき、なんか考えがまとまらない瞬間って、結局のところ「ユーザー理解が乏しいとき」だなと思うんですね。

わからないこと・知らないことについて、必死に考えてもなにも出てこないですよね。現場に出たりユーザーの声を聴いたりしてわかることがたくさんあります。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

この本をAmazonで購入
この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]