Shopify、チェックアウトページの改善など100種類以上のアップデート&新製品など知っておきたいポイントを解説

Shopifyはこのほど行った開催したプログラム「Shopify Editions Winter ‘23」で、100種類以上の新商品や最新機能を発表。そのなかから注目すべきトピックスを解説する

高野 真維

2023年3月6日 9:00

Shopifyはこのほど、新商品や最新機能を公表する「Shopify Editions Winter '23」で、100種類以上の新製品や機能追加をリリースしたことを発表した。

新たなコンバージョン促進機能

簡単にチェックアウトのUX向上&カスタマイズ

チェックアウトページを1ページに表示

これまでShopifyのチェックアウト画面は3ページで表示されていた。2023年後半から、1ページにまとめた表示に切り替える。

情報入力の手間を減らすことに加え、チェックアウト画面をシンプル化することでページのロード時間も削減。チェックアウト時の顧客のストレスを軽減する。

チェックアウトのときの手間やロード時間が軽減し、顧客のUX向上につなげる(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
チェックアウトのときの手間やロード時間が軽減し、顧客のUX向上につなげる(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

カゴ落ちの多くがチェックアウト画面で起きているという調査結果があり、Shopifyは“コンバージョンを促進するためには、顧客がチェックアウトをいかに合理的に進められるかが重要”と分析。チェックアウトページの改善に至った。

チェックアウトのカスタマイズを柔軟かつ簡易化

チェックアウトページ「Shopify Checkout」をカスタマイズできるアプリとして、事業者向けに「Checkout Editor」、開発者向けに「Checkout Extensions」をそれぞれ追加した。「Checkout Editor」を使う事業者はドラッグとドロップのみで操作できる。

たとえば、「チェックアウトページを自社ブランドの外観へ変更する」「チェックアウトページにロイヤリティプログラムを追加する」といったカスタマイズが簡単にできるようになる。

従来、チェックアウトをアップデートやカスタマイズするには、コード編集のスキルが必要だった。

また、Shopifyの機能がアップグレードされても、事業者がカスタマイズしたチェックアウトには影響しない。

​開発者向けにチェックアウトアプリの開発を推進する「Checkout Extensions」では、UI拡張、ブランディングAPI、その他さまざま機能を提供。開発者はカスタマイズしたチェックアウトアプリをさらに柔軟に開発できるようになる。

開発したアプリはShopifyアプリストアにて提供可能。事業者はそのアプリを活用して独自性のあるチェックアウトページを作成することができる。

事業者、パートナー・開発者にそれぞれアップグレードや新機能を提供する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
事業者、パートナー・開発者にそれぞれアップグレードや新機能を提供する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

モバイルコマースに役立つ「Shop」アプリに新機能

「Shop」アプリ(利用は現在英語のみ)は、誰もが簡単にモバイルコマースに事業展開するためのサービス。顧客は「Shop」アプリのストアで商品を購入すると、配送状況をモバイル上で確認できる。

2022年から「Shop」アプリ上での取引者数は2倍以上に増加。なかでもShopifyを使う上位100社の事業者は、「Shop」アプリ内で再購入までにかかる時間が自社が展開するECサイトと比べて6倍以上短縮しているという。

事業者のモバイルコマース戦略促進を図るため、Shopifyが「Shopify Editions Winter '23」でリリースした、国内で利用可能な新機能は次の通り。

「Shop」アプリで展開するストアのカスタマイズ

商品のラインアップや売れ筋商品の表示、口コミ、ブランディングの機能を新たに提供する。「Shop」アプリで展開するストアをカスタマイズし、アプリ内で顧客エンゲージメントを向上させることができる。Shopifyによると、「Shop」アプリで展開するストアを最適化することで、顧客が商品をカートに追加する確率が最大15%高まるという。

「Shop」アプリにサインインする機能をオンラインストアに追加

事業者は「Shop」アプリにサインイン機能を追加できるようになる。これにより、買い物の初期段階で確度の高い顧客を特定しやすくするという。「Shop」アプリや「Shop Pay」によって買い物体験を整流化することで、結果的にコンバージョン率を8%向上するという。コンバージョンの促進に貢献する、そのほかのShopアプリの新機能は次の通り。

  • パスキー:「Shop」アプリユーザーがApple や Android 端末で「Shop」アプリ にサインインする際、顔認証などの生体認証キーで、簡単にサインインすることを可能にする。
  • お気に入り機能:「Shop」アプリ上で気に入ったストアをお気に入り登録する機能を追加。
オンラインストアにサインイン機能を追加。コンバージョンアップを図る(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
オンラインストアにサインイン機能を追加。コンバージョンアップを図る(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

B2Bの事業拡の支援も拡充

Shopifyは2022年6月、企業間取引(B2B)コマースソリューションを公表。何十種類もの機能を追加してきた。

今回、販売商品数量の条件設定、事業者と顧客との受発注のやり取りを効率化するための機能などの事業者向け機能を追加。

開発者向けには、卸売事業で必要となる受注書や配送指定、B2Bコマース向けのロイヤリティプログラムをカスタマイズして構築するためのAPIを提供する。

NFT有効化で顧客エンゲージメントを促進

トークンゲートコマースも発表した。事業者はNFT(非代替性トークン)を有効化して、NFTホルダーだけが楽しめる体験や商品にアクセスできるようになる。

Shopifyのブロックチェーン技術で、事業者がこれから獲得する顧客のロイヤリティを高めることが可能。NFTトークンの配布機能は、米国の一部事業者に提供していた。

開発者向けにはNFTのロイヤリティを高めるためのAPIやコンポーネントを提供。Shopifyのプラットフォーム上で次世代のロイヤリティ体験をスピーディーに構築できる。

国内でもNFTの取り扱いを開始する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
国内でもNFTの取り扱いを開始する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
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