小売市場は縮小時代に突入。2030年度の市場規模は114兆円、2022年比約14%減
矢野経済研究所の調査資料「2030年の小売市場の展望」によると、2030年の国内小売市場規模は2022年比約14%減の114兆9770億円を予測している
矢野経済研究所が発表した国内小売市場の調査結果によると、2030年の国内小売市場規模は2022年と比べて約14%減の114兆9770億円になると予測した。
2022年の小売市場は133兆8000億円を見込む。アパレルなど一部需要が回復していない業界があるものの、新型コロナの5類移行、2022年後半のインバウンド需要の復調などがコロナ禍からの消費を喚起した。
ただ、今後の国内小売市場は人口減少の影響が直撃する。2020年国勢調査によると日本の総人口は1億2615万人。国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2030年には1億2011万人に減少する。
矢野経済研究所「日本の将来推計人口」を用いて、経済産業省の「商業動態統計」をベースに国内小売市場規模を予測したところ、2030年には2022年比約14%減の114兆9770億円に落ち込むと予測する。
一方、人口減少による消費の落ち込みの一部をインバウンド消費がカバーすると予測する。「観光立国推進閣僚会議」が2020年に作成した「観光ビジョン実現プログラム2020」によると、2030年の訪日外国人旅行者数の目標値は6000万人。2030年の訪日外国人旅行者数目標が6000万人と仮定した場合、観光庁の訪日外国人旅行消費額をベースに2030年のインバウンド市場規模(訪日外国人旅行消費額)を試算すると、約9兆円になる。
販売チャネル別では、2022年比の伸長率が最も大きいのはネット通販と見ている。小売業では実店舗とネット通販を連動させたOMO(Online Merges with Offline)、オムニチャネル戦略が進み、ECの利便性がさらに高まる。
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