森野 誠之[執筆] 2023/7/4 8:00

消費者庁から「令和4年度消費者意識基本調査」が公開されました。ボリュームが多いので要約記事を読んでポイントだけ把握しておきましょう。

誠実な対応をするお店で買いたいという傾向

「令和4年度消費者意識基本調査」から考える、消費者のECサイトに対する本音 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/37208?utm_source=pocket_saves

本記事では、その調査項目のうち、『(2)「インターネットや SNS の利用」について』の「調査結果の概要」から、EC事業者にとって役立つ情報を抜粋して解説します。

「消費者意識基本調査(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/)」は消費者庁が毎年行っているもので、日頃の消費生活での意識や行動、消費者事故・トラブルの経験などを聞き、消費者問題の現状や求められる政策ニーズなどを把握することを目的にしています。令和4年度のデータが発表されましたので、ECに関係するものだけを見ていきましょう。

インターネットでの商品・サービスの予約や購入をどの程度しているかという質問には、回答が多い順に以下のようになっています。

  1. 月に2~3回程度:32.2%
  2. 月に1回程度:24.0%
  3. 数か月に1回程度:22.4%

私の場合は「Amazon」でホイホイ買い物をしてしまうわけですが、調査結果では月に2~3回が最多となっています。まとめ買いをしたり、セールのタイミングで買ったりしているのかもしれません。

インターネットでの商品・サービスの予約や購入で気を付けていることについて、15項目の質問には、「当てはまる(『とても当てはまる』+『どちらかというと当てはまる』)」の割合が高い順に以下のようになりました。

  1. 口コミや評価を判断材料にする:84.6%
  2. 大幅に安く販売されている場合は注意する:82.0%
  3. 複数のサイトから情報を集め、信頼できるか確認する:79.0%

やはり口コミは参考になるようです。逆に口コミがないと心配になる人も多いのでは? あとは怪しげなものに関しては慎重になるユーザーが多いようです。特に激安な商品は警戒心が高まりますね。値引きもほどほどに。

インターネットでの商品・サービスの予約や購入において実際に経験したことへの質問は、回答が多い順に以下のようになっています。

  1. 商品・サービスが期待やイメージとは異なる:52.1%
  2. 望まない広告メールが送られてくる:47.6%
  3. サイズや数量等を間違えて注文してしまう:31.8%

ネガティブな体験はこのようになっています。イメージが異なるのはある程度は仕方がないですが、商品画像や動画、説明文でカバーしたいですね。メールに関しては広告と思われないような内容にしておきたいところです。また、登録時に「お店からの大切なお知らせ~」と書いておきながらキャンペーンや広告メールを送るのも控えたいところ。

インターネットでの商品・サービスの予約や購入において、これまでに実際に目にしたり、経験したりしたものに関する質問では、回答が多い順に以下のようになっています。

  1. 『残りわずか』等、売り切れ間近のような表示:78.7%
  2. 『●人が閲覧中』や『●人が購入済み』等、他人の動向の表示:72.0%
  3. 割引等の特典の有効期限をカウントダウンで表示するタイマー:61.7%

購入につながる施策上位はこの3つ。気になる商品が売り切れ間近だと欲しくなります。かといって在庫があるのに表示を少なめにするなど、誠意に欠けるものは止めましょう。次がないですから。口コミが重要であれば、安心感が高まるので「〇人が購入済み」も重要です。

インターネットでの商品・サービスの予約や購入において、実際に商品・サービスの予約や購入、会員登録などにつながったり、困ったりしたものに関する質問には、回答が多い順に以下のようになっています(※「特にない:35.9%」を除く)。

  1. 解約までの手続やページが分かりにくい:25.7%
  2. メールマガジンやセール情報の初期設定が『購読』や『通知』になっていた:20.7%
  3. 『残りわずか』等、売り切れ間近のような表示:17.0%

売り切れ間近はネガティブなイメージもあるようです。前述のように本当に在庫がないときに表示させるようにしましょう。解約は阻止したところで意味がないので、スムーズに解約できるようにしておきましょう。そうすると戻ってきてくれる可能性も高まります。

紹介したデータがユーザーのすべてではありません。今回は調査データを多めにピックアップしていますので、他のデータも参考にしながら自社のユーザーの動きを探っていきましょう。

今週の要チェック記事

「博報堂:EC生活者調査2023」生活者の1年以内のEC利用率は83.6%、 月1回以上は64.4%。 EC生活者の満足度が高いサービスは即配・カスタマイズ・パーソナライズ | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/37335

利便性重視、節約志向、即配が人気という調査結果です。

<調査レポート>化粧品を衝動買いしたのはどんな時?1位は「店頭で見てパケ買い・商品に惹かれて」 | Sheer
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000122153.html

肌につけるものなので店頭で。限定パッケージなども購入の動機になるようです。

10代から60代の年代別購入カテゴリランキングを発表! | PayPayフリマ トピックス
https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/topics/20230131/0000/

30代まではトレカ。40代以上は子供向けとバッグや財布というデータ。

NETSEA AWARD 2023 -上半期- | NETSEA
https://www.netsea.jp/special/award2306

卸の商品トレンドはちょっと先の売れ筋なので参考になります。

【楽天の2023年夏トレンド予測】「物価高対抗」「Return to Normal消費」などがキーワード | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11114

分散型旅行が増えたとはいえ、お盆の帰省ラッシュは変わらないです。

定期購入機能がリリースされました | アルド
https://www.aldo-system.jp/blog/yahoo-shopping-design/subscription/

「Amazonと同様に同じ商品で『通常購入』と『定期購入』が可能になる仕組み」とのこと。リピート商品は設定したいですね。

「送料無料」は問題の本質ですか? 表示の見直しで問題は「解決しない」の声【物流2024年問題巡る現況まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11081

1つの要因ではあるものの、これだけではないはず。

株式会社イーシーキューブ、不正ログイン対策となる重要操作時のメール通知機能を含めたセキュリティ強化機能を実装した最新版EC-CUBE4.2.2を提供開始 | EC-CUBE
https://www.ec-cube.net/press/detail.php?press_id=296

オープンソースなのでセキュリティ対策はしっかりやっておきましょう。

ECの最終画面でわかりやすい契約事項表示を求める改正特商法にネット通販会社が違反、その違反行為と処分内容とは? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11117

こういったのはどんどん処分してほしい。売れれば良いというものでありません。

今週の名言

85万人が利用する産直EC「食べチョク」が語る「生産者ファースト」なマーケティング。農作業を手伝う理由、映え写真より「日常的な写真」の効果が高かった話。 | アプリマーケティング研究所
https://markelabo.com/n/na676ad61057f

僕らは東京のオフィスにいて、キャンペーンで「同梱物を入れてほしい」と思ったときに、現場を知らないと「簡単にできる」と思ってしまいます

パソコンをいじっているだけでは視野が狭くなります。相手の現場に出向いて確認する習慣を。

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