ナルミヤ・インターナショナルのEC売上は2.5%増の87億円、EC化率は22.4%、営業利益は19億円
子ども服やベビー服などのブランドを展開しているナルミヤ・インターナショナルの2025年2月期におけるEC売上高は、前期比2.5%増の87億7200万円だった。EC化率は同0.4ポイント減の22.4%。
売上総利益は前期と同様で47億2900万円、売上総利益率は0.2ポイント減の53.9%。営業利益は同5.1%増の19億2800万円。会員数は同20.1%増の156万2000人となった。SEO施策が奏功したほか、SNSやWeb広告投資、広告や店舗で獲得したアプリユーザーからの集客が増え、「ナルミヤオンライン」への訪問者数は2ケタ増となった。
EC売上高に占める「ナルミヤオンライン本店」比率は前期比1.5ポイント増の50.8%に向上。上期は自社ECサイトは同16%増、ZOZOが同13%増と好調に推移したが、そのほかのECモールが苦戦。下期は各ECで不調だったとし、純第4四半期は前年割れと厳しい状況だったという。またセール施策により売上総利益率は減少となった。
他のトピックとして、AI活用による物流業務の効率化や展開するECサイトの拡大などをあげた。物流面ではEC倉庫から他社サイト倉庫への在庫配分にAIを活用。最適な数量を配分し効率化と精度向上を図った。在庫消化促進のための売価変更にもAIを活用し、過度な粗利益棄損を抑え、適正売価の設定を実現した。
国内、海外含めEC販路を拡大。シナジー効果のある「ワールドオンラインストア」へ出店し、EC在庫の共有化も実施。効率的な売上拡大と在庫消化を進めた。越境ECも強化した。各国のECモールを活用しタッチポイントを拡大したほか、マーケティング投資による中長期のグローバルサイト育成を進めている。
2026年2月期は自社ECサイトを「メディアコマースサイト」へ再定義
2025年2月期は「ナルミヤオンライン」への訪問者数が2ケタ増えた一方でCVRが悪化、集客に比例した売上増には至らなかったとしている。また、EC専業の競合ブランド増による競争の激化がありEC限定ブランドが伸び悩んだ。
内的要因の反省点として、パーソナライズ強化・CRMなど効果的なマーケティングオートメーションや1to1施策が進まなかったといい、顧客を起点とした社内体制構築は道半ばとした。
こうした点を踏まえ、今期はナルミヤオンライン本店を「メディアコマースサイト」として再定義。CVR改善に向けて「タイパ」を意識した欲しい商品が見つけやすく買えるサイトへUI/UXへの変更を進める。また、越境ECの成長に向けてプロモーション強化を図っていくとした。