渡部 和章 2017/7/10 7:00

アスクルが運営する日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の2017年6月期における売上高は、前期比18.8%増の390億1600万円だった。2月に発生した物流倉庫火災の影響で2月以降の売り上げが激減。増収率が鈍化し、売上高は期初計画の480億円を約90億円下回った。

アスクルのBtoC事業に関するEC売上高の推移(ロハコ含む)

アスクルのBtoC事業の売上高推移(画像はIR資料からキャプチャ)

マーケットプレイス型の販売、1時間単位で受け取り時間を指定できる配送サービスを首都圏など一部地域で提供、テレビCMの放映や積極的な販売促進策による新規顧客の獲得――などに取り組んだ。

2016年9月にマーケットプレイス型の販売形態を導入し、ファッションカテゴリの販売ページを開設。約30万点の商材をそろえ、「ロハコ」の取扱商品数を従来比2.5倍の約50万点に増やした。仕入れ販売と出店型販売を組み合わせることで商品カテゴリの種類と取扱商品数の拡充を図っている。

アスクルが導入したマーケットプライス型の機能、ロハコに導入

2016年9月にマーケットプレイス型の販売形態を導入(画像はIR資料からキャプチャ)

朝6時から深夜0時まで、1時間単位で商品の受け取り時間を指定できる「HappyOnTime」を2016年8月に東京と大阪の一部地域で開始した。

配達前日の夜間に「LOHACO」のアプリを通じて配送時間を30分単位で顧客に知らせ、到着直前にもアプリでプッシュ通知。顧客の利便性向上に加え、再配達削減にも役立っているという。「HappyOnTime」の対象地域は2017年7月現在、東京10区と大阪7区。

倉庫火災で増収率は45.9ポイント低下

2017年2月、「LOHACO(ロハコ)」の東日本エリアにおける物流拠点「ASKUL Logi PARK 首都圏」(埼玉県入間郡三芳町)で火災が発生し、出荷能力が失われたことで第4四半期(2017年3~5月期)の売上高が激減。その結果、2017年5月期の売上高は期初計画を約90億円下回ったほか、増収率は2016年5月期と比べて45.9ポイント低下した。

ペット用品ECを買収、セブングループと業務提携も

今期は買収や業務提携を通じて業績拡大をめざす。2017年5月にペット用品EC大手のチャームを7月3日付(発表時点)で完全子会社化すると発表。7月3日にはセブン&アイホールディングスとの業務提携を発表し、セブングループの通販サイト「オムニ7」との相互送客や物流の共通化を打ち出した。セブングループとの協業の一環として、2017年11月をめどに生鮮食品ECも開始する計画だ。

2018年5月期の「ロハコ」の売上高計画は前期比16.6%増の455億円に設定した。「ロハコ」と「チャーム」を合計したBtoC事業の売上高は同39.7%増の545億円を計画している。

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