EC利用者は配送スピードより、「送料無料」「受け取りやすさ」を重視
ネット通販の利用者は、配送サービスに対して「スピード」よりも「送料無料」を求めている――。
消費者の視聴行動分析を行うニールセンデジタルが7月19日に公表したにオンラインショッピングサイトに関する利用動向レポートによると、ネット通販の利用者は配送スピードよりも送料無料を重視する傾向が浮き彫りになった。
配送サービスに関して重視する項目を選択式・複数回答で聞いたところ、「一定金額以上購入すると、送料が無料になる」と「早く届かなくても良いので、送料が無料になる」が、ともに72%で最も多かった。
3位以下は、「同じタイミングで購入した複数の商品をまとめて配送してくれる」(52%)、「配送状況が細かく把握できる」(42%)、「とにかく早く届く」(40%)、「配達時間指定が細かく指定できる」(40%)、「コンビニ受け取りにすると、送料が無料になる」(40%)。
ニールセンデジタルのシニアアナリスト・高木史朗氏は、配送に対する消費者意識調査の結果について、次のようにコメントしている。
近年話題になっている配送に関しては、とにかく早く届くことよりも無料であることが重視されていました。また、受け取り方については、まとめて届くことや配送状況が細かくわかるなど、受け取りやすくなることが求められていることがわかりました。単に早く受け取れることよりも、受け取るために自宅で待機しなければいけない時間を減らしたいと感じている消費者が多いと想像できます。
ショップの運営企業にとっては、オンラインショッピングの利用頻度を上げるために、配送業者と連携しこうした消費者のニーズに応えたサービスを提供していくことが重要なポイントの1つとなるでしょう。
ECを利用する理由は「実店舗より安いから」
消費財や耐久財をオンラインショップで購入する理由も聞いた。その結果、消費財と耐久財のどちらも「実店舗よりも安く購入できるから」が最多。
2位以下は「重い物やかさばるものを持って帰らなくて良いから」「ポイントが貯まりやすいから」「実店舗よりも品揃えが良いから」などが上位に並んだ。
EC利用率はネットユーザーの83%
本調査によると、2017年6月時点でインターネット利用者の83%がオンラインショッピングサイトで消費財や耐久財を購入した経験がある。
購入した商品ジャンル別で集計したところ、消費財は73%、耐久財は80%だった。オンラインで購入した経験を持つユーザーのうち、1か月に1回以上利用するユーザーは60%を占めた。
耐久財はECで購入される傾向
消費財と耐久財について、オンラインと実店舗のどちらで購入する頻度が高いか質問したところ、消費財を実店舗で購入することが多いユーザーは55%、オンラインで購入することが多いユーザーは31%だった。
一方、耐久財をオンラインで購入することが多いユーザーは46%で、実店舗で購入することが多いユーザー(36%)を上回った。
調査の概要
6月末に発売された「Nielsen Online Shopping Report 2017(ニールセン・オンラインショッピングレポート 2017)」をもとに、オンラインショッピングサイトの利用状況をニールセンデジタルが分析したもの。
Nielsen Online Shopping Report 2017」の調査は2017年6月、パソコンとスマートフォン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の18歳以上の男女、約6500人を対象に実施した。