ECサイトで顧客情報が漏えいか。原因は通販サイト構築・運営サービスへの不正アクセス

利用していたECサイト構築・運用システム「Allin1OFFiCE」のサーバに対する不正アクセスが原因と見られる

渡部 和章

2017年9月19日 8:00

音響部品の製造販売などを手がけるフォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表した。

利用していたECサイト構築・運用システム「Allin1OFFiCE(オールインワンオフィス)」のサーバに対する不正アクセスが原因と見られる。

流出した可能性がある情報は、顧客の電話番号とメールアドレス、ログインパスワード。クレジットカード情報はサーバ上に保管していなかったため、漏洩は確認されていないという。

現在、ECサイトの運営を停止し、情報流出の有無を含め調査を行っている。

「Allin1OFFiCE」は企業のホームページやオンラインショップ、Blog・SNSコミュニティなどを構築できるサービス。Webシステムの受託開発やメディア事業などを手がける全研が販売している。

全研によると、9月11日午後6時に「Allin1OFFiCE」のサーバトラブルが発生。メンテナンスを実施したところ、第三者による不正アクセスが9月5日に実行され、顧客情報の一部が流出した可能性が判明した。

全研はWebサイトへのアクセスを一時的に停止し、ソフトウェアの安全性確認を行っている。

フォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表

「Fostex e-shop」は運営を一時停止している(画像は編集部がキャプチャ)

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00