1日2.7兆円を売る「独身の日」に挑む楽天、中国越境ECサイト大手「Kaola」と連携強化
楽天は中国大手ネットサービスであるネットイース子会社が運営する越境ECサイト「Kaola.com」との協業を強化し、「独身の日」(ダブルイレブン)に挑む。
ネット通販各社による大規模セールが行われる中国のECイベント「独身の日」商戦。2016年の実績を見ると、阿里巴巴集団(アリババグループ)のECモール「天猫」では1207億元(日本円ベースでは約1兆8708億円)の流通総額(GMV)を記録。中国のEC大手JD.com(京東商城)や蘇寧電器といったECサイトの流通総額を合わせると、1日で1770億元(日本円で約2兆7441億円)もの買い物が中国のECサイト上で行われたという。
楽天は2016年に「Kaola.com」と協業を開始。旗艦店を開設し、「楽天市場」で人気の美容関連や健康食品、アパレルなどを販売してきた。
JD.comが運営する越境ECモール「JD Worldwide」に旗艦店を2015年に出店するなど、海外向け販売を強化している楽天。海外向け流通額は2011年と比べて2016年は5倍に拡大しているという。なお、楽天の海外販売での出荷先ランキングでは中国が1位。
「Kaola.com」との提携を強化している楽天は、楽天上の店舗コンセプト・イメージを
保ったまま「Kaola.com」上にミニ店舗を開設する取り組みを2017年9月に本格スタート。特にファッション領域に力を入れているという。
楽天内では新たにファッション事業内に専門組織を設置。「Kaola.com」で販売する出店者向けの支援体制を強化している。
こうした取り組みを通して、次のような中国越境ECの新トレンドを創出。出店者の商品が中国向け越境ECで売れる仕組みを作っていくという。
- ロングテール商品の販売(日本で売れている商品の流通)
- オリジナル商品の販売(PBでも売れる仕掛け)
- 非安売り(マーケティングサポートを展開)
「Kaola.com」は中国の越境ECモール大手。エフカフェ・高岡正人氏がネットショップ担当者フォーラムで解説した記事によると、「Kaola.com」は2017年上半期における中国越境ECモールのシェア1位とされている。
中国越境ECモールのシェアは「Kaola.com」(24%)、「Tmall Global」(20%)「global.vip.com」(16%)、「JD Worldwide」(13%)、「ymatou」(6%)。