渡辺 裕子 2018/1/22 7:00
[Sponsored]

ECサイトの売り上げが伸びると、事業規模に合わせたECシステムが必要になる。その際、「どのECシステムベンダーに依頼するべきか」と悩むEC事業者は少なくない。ECシステムのリニューアルを成功させるために注意すべきポイントは何か? ECサイト構築一筋18年の老舗ECベンダー、コマースニジュウイチの田村信博マネージャーが、システム選びで陥りがちな失敗例を踏まえ、システムベンダー選びのポイントを解説した。写真◎Lab

失敗しないECベンダー選びの3つのポイント

田村氏はコマースニジュウイチに転職する前は、大規模ECサイトを運営する企業に勤務。その際に経験したシステムのリニューアルを踏まえ、次のように説明する。

以前、勤めていたEC企業でシステムの大規模な入れ替えプロジェクトを担当し、2回の失敗で億単位の損失を出してしまったことがある。その経験も踏まえて、ECシステムベンダーの選定で失敗しないための方法をお伝えしたい。(田村氏)

株式会社コマースニジュウイチ セールス&マーケティング部 マネージャー 田村信博氏
株式会社コマースニジュウイチ セールス&マーケティング部 マネージャー 田村信博氏

田村氏は、システムベンダーの選定がうまくいかないと莫大な損失が発生してしまう可能性があることを強調。自身の失敗経験と、コマースニジュウイチが培ってきた知見を基に、EC年商10億円程度以上の事業者がECシステムベンダーを選ぶ際のポイントを解説した。

田村氏があげるシステムベンダー選びのポイントは次の3つ。

  1. 見積もり前の商談で聞かれる「ベンダーからの質問内容」で、信頼できるベンダーか否かを判断する
  2. ベンダーに、自社と同じ業界(商品ジャンル)でシステム開発の実績があるか、また、「失敗経験」を持っているか聞く
  3. 優先順位を決めて必要な機能をリストアップし、要件定義を行う。その際、システム開発の初期費用と導入後の改修費用に余裕を持たせる。

見積もり前のヒアリングの品質から、信頼できるベンダーか判断する

ECシステムベンダーに見積もりを依頼した際、ベンダー側からの質問内容によって、そのベンダーが信頼に値するかどうか、ある程度判断できるという。

ECシステムを導入する場合、基幹システムや倉庫、コールセンター、ECモールなどと連携が必要になる。開発に着手してから連携がうまくいかないことが判明すれば、仕様が変更となるため追加費用が発生する場合もある。そうならないためには、事前にクライアントのEC事業を俯瞰的に調査し、必要な機能をリストアップして開発に着手することが望ましいという。

商品、ターゲット、事業規模などが異なるように、1社1社ビジネスモデルは異なる。だからこそ、ECベンダーは、受発注業務や物流などECサイトの「裏側」で起きている事象やシステムの設計などを理解しておく必要がある。こうしたことを踏まえ、開発前のヒアリング内容がベンダーの信頼性を図る目安になると田村氏は指摘する。

田村氏が「必須のヒアリング内容」としてあげたのは次の項目。

  • 現状のシステムの課題
  • システムを入れ替える目的
  • 各種数字(アクセス数、商品数、SKU数、会員数、受注件数、目標数字)
  • システム開発の前提条件
  • 希望する開発スケジュール
  • 機能要件(機能一覧)
  • 非機能要件(インフラ要件、セキュリティ、保守)
  • 希望する納品物

最低でも、これらの情報をきちんと質問してくれるベンダーを選ぶべき。(田村氏)

さらに、自身の経験などを踏まえ、次の3つの情報をベンダー側が質問した場合はより信頼できると田村氏は言う。

  • 連携先システムとベンダーが記載されたシステム構成図
  • 機能一覧への優先順位付け(既存、必須、コスト次第、など)
  • 追加機能や改善について参考としたい他サイトの情報

ECの売り上げ規模が10億円程度を超えてくると、必要な機能や開発要件が企業ごとに大きく違ってくる。標準機能だけで対応しきれないことも増えるので、開発前に突っ込んだ話ができるベンダーを選んだ方がいい。(田村氏)

田村氏はベンダーとの商談をスムーズに進めるポイントとして、「ベンダーから質問を受ける前に、システム構成図を起こしておくと、質疑応答の質が上がってくる」とアドバイス。また、「複数ベンダーに見積を依頼する際は、一番細かい内容で質問をしてきたベンダーを基準として、他ベンダーにも同内容で見積を取ると、より全社の見積もりの精度が上がる」と言う。

一般的にECパッケージの標準機能ではカバーできない要望例( ≒ カスタマイズ案件)以下のいずれか、または、複数該当するご要望がございましたら、ぜひコマース21にお声掛けください
標準機能では難しい要望例 補足既存ベンダー対応に不満がある以下のような特殊なカスタマイズの機能追加の対応スピードや断れている事への不満が多い大規模EC(年商50億超) トランザクション数が多く、瞬間的なアクセス増等への特別な配慮が必要となる事が多い取扱い商品数が数万点規模書籍(数千万アイテム)、ホームセンター(数百万アイテム)、家電(数十万アイテム)等、一般的なECシステムではサイト表示や他システムとのデータ連携に支障が出る複数拠点からの出荷がある複数倉庫・実店舗・メーカー直送・取寄せ等、出荷元や出荷日に合わせてデータ連携が必要データ加工を伴うシステム連携要件がある出荷店舗や仕入れ業者により、お届け可能日を自動計算したい、等、基幹SYSで保有するデータをECシステムで加工して欲しい等の要望がある通常販売品と予約販売商品の同時決済決済オーソリのタイミングが受注単位ではできない複数倉庫やメーカー直送品等の一括受注ECシステムで倉庫別受注数キャップ管理や受注データ連携先制御等があるBTO商材販売EC 選択可能商品の組合せルールが複雑で作り込み難易度が高い業務委託が伴う商材販売EC 注文エリアや商品により選択可能な業者や納品リードタイムやデータ連携先等の制御が必要こだわりのCRM要件商品カテゴリーと顧客ランクにより、同梱物・オプション・料金・インセンティブポイント等の複雑な制御が必要BtoB EC 取引先により、販売商品・与信枠・決済手段・物流手段・FAX送信等の複雑な制御が必要 モール型EC マーケットプレイス型事業のECシステムで店子別に管理画面制御や手数料請求データ作成等が必要
中大規模のECサイトを開発する場合、カスタマイズ案件にも対応できるベンダーを選ぶことがポイントになる

同業種での開発経験と、失敗経験の有無を聞く

田村氏は2つ目のポイントとして、依頼主と同業種でシステム開発の経験があるベンダーを選ぶと、失敗の確率は下がると指摘する。

同業種での開発経験と、それを実現するために行ったことを聞くといい。また、できれば「どんな失敗をしてきたか?」という失敗経験の有無や内容を質問してほしい。その質問の答えがベンダーの信頼性の判断材料になる。(田村氏)

綿密な見積もりと、余裕を持った予算組みを意識する

3つ目は、限られた開発予算の中で最適なシステムを構築するため、必要な機能の優先順位を決めることが必要だと田村氏は指摘する。見積もりを依頼する際は、自社ECサイトとECモールで発生している業務内容を一覧化しておきたい。また、データ登録や帳票出力といった「自動化を希望する業務」をベンダーに情報提供することで、見積りの精度が格段に向上するという。

そして、ECシステムの導入後はトライ&エラーを繰り返してシステムを改善することも多いため、「導入後のシステム改修に備えて、予算に余裕を持たせておくことも、長期的に見てECシステムの入れ替えを成功させるポイントになる」(田村氏)と言う。

ECシステムの入れ替えで陥りがちな失敗例と解決策

株式会社コマースニジュウイチ セールス&マーケティング部 マネージャー 田村信博氏
EC担当者視点によるベンダー選びを披露した田村氏は、大規模ECサイトを運営する企業のEC担当者だった

近年のECシステムに関する開発プロジェクトでは、開発の大規模化や複雑化により、プロジェクトの途中で開発費用が大幅に膨らむケースが増えているという。田村氏は、多くのEC事業者が陥りがちな失敗例と、その解決策について説明した。

【失敗例1】関係部署間やベンダー間の役割が曖昧

ECは販促チーム、システムチーム、物流チーム、購買チームなど複数のチームによって構成されている。また、社内のシステムを複数のベンダーで開発していることも少なくない。関係部署間やベンダー間で情報共有や連携がうまくいかないと、追加開発が発生する原因になりやすい

【解決策】

全ての責任と権限を持つチーム横断型の主幹部門を設置し、すべてのベンダーをコントロールできる社内の責任者、もしくは外部の専門家を置く

【失敗例2】開発着手後に「ついで」の追加要件が頻発

システム開発を進めていくと、追加の機能開発の要望が出てくることが多い。すべて追加しようとした結果、想定外の費用が発生し、プロジェクトが頓挫してしまう。

【解決策】

追加する場合の明確な判断基準と優先順位を事前に設定する。プロジェクト開始後に発生する全ての要望を実現しようとするとコストが膨らんでしまうため、事業と予算を考慮した上で優先順位をつけ取捨選択できる責任者を置き、現場のオペレーションメンバーと予算責任を持つ役員との情報共有を徹底する。

【失敗例3】決裁者不在による作業の延長

システム開発を進めていく中で、会社として意思決定や決裁が必要なケースが頻繁に発生する。その際、決裁者が多忙や出張などで不在が続くなど、決定が遅れることで開発がストップしてしまう。

【対応策】

決裁権限委譲の基準値を設定する。大きなシステムを入れ替えるプロジェクトの場合、毎週のように決裁が必要になる。決裁者が不在の場合に備えて、対応できる意思決定者を置く。

【失敗例4】見積もり時点での未決事項の顕在化

見積もりの段階で、機能の細部が決まっていなかったために、開発着手後に追加開発が発生する。

【対応策】

商品・受注・会員管理の画面構成図、コンテンツ一覧のサイトマップ、自動配信メールの実サンプル、帳票サンプル、インターフェース一覧・インターフェース定義書、連携データサンプルなど、ドキュメントと合わせて実サンプルを事前に提示するのが費用の増加を抑えるための有効な手段となる。しかし、ここまでやるのは大変なので、バランスを考えて予算に余裕を見ておくといい。

見積依頼時に確認すべき業務一覧一般的なEC運営で発生する業務一覧です。自社EC、モールECで発生している業務内容を一覧化し、データ登録や帳票出力等の自動化を希望する業務について、ベンダーに情報提供する事で見積りの精度が格段に向上します顧客系顧客管理(個人情報、ポイント)CS対応商品系商品管理(基本情報)(ささげ情報)商品カテゴリ管理在庫管理キャンペーン管理注文系販売管理出荷管理返品・返金管理精算業務(消込業務)CS代理注文物流系物流管理コンテンツ系コンテンツ更新管理販促系データ分析メール販促SEO広告(フィード、効果測定)販促ページ管理(制作、更新)
見積もりの精度を高めるには、必要な情報を漏れなくベンダーに提供することが重要

コマースニジュウイチが提供するパッケージとは?

ここからは、コマースニジュウイチが提供するECパッケージ「Commerce21 Sell-Side Solution」の特徴を紹介する。

「Commerce21 Sell-Side Solution」はセミスクラッチ型のECパッケージで、導入企業は300社以上、システムが処理する年間流通総額は3200億円以上。

主な顧客はEC年商規模が10億円程度を超える大中規模のEC事業者。「ECの売り上げが増えるにつれ、受注出荷処理業務等を手作業で行うことに限界を感じてシステムの入れ替えを検討するEC事業者が多い」(田村氏)と言う。

導入企業の商品ジャンルはアパレルや家電、日用品、食品など幅広い。一般的なECサイトだけでなく、コメ兵の中古品買取販売サイト、青山商事の店頭受取サービス、ジョンマスターオーガニックのBtoBサイトなど、多様な販売形態やサービスにも対応している。

ECの年商が100億円を超えるような大規模サイトや、取扱商品数が数百万点に及ぶECサイトもカバー。さらに、「通常販売品と予約販売商品の同時購入」「複数倉庫やメーカー直送品などの一括受注」といった、企業ごとの複雑な要望にはカスタマイズで対応する。

セミスクラッチ型のため、標準機能をベースに、オリジナリティの高いシステムを構築できる。(田村氏)

EC事業をサポートするトータルソリューション
数百億円規模のECサイトでも対応可能
カスタマイズに優れた製品
デザインの自由度が高い製品
数百万点規模の商品点数でも対応可能
複数ショップ構築可能
ソースコード開示可能
一般的なパッケージとは異なり、柔軟な拡張性で導入企業様のビジネス展開に合わせてカスタマイズが可能
コマース21が提供する主なサービスと開発可能な機能

システムとコンサルティングをセットで提供

「Commerce21 Sell-Side Solution」は企業の基幹システムや倉庫、コールセンターといったバックオフィスシステムとの連携も可能。業務の自動化によってオペレーションコストを圧縮し、余裕ができた人員をよりクリエイティブな業務に割けるようになる副次的なメリットもある。

自社ECサイトとECモールの多店舗展開も、もちろん可能だ。また、EC事業の成長にあわせてシステムを拡張する柔軟性を持つ。

そして、ECシステムを提供するだけでなく、ECのノウハウやコンサルティングをセットで提供することも、多くのEC事業者から支持される理由の1つとなっているという。

大中規模EC構築の経験豊富なエンジニアとプロジェクトマネージャーが多数在籍するコマースニジュウイチ。EC事業者の長期的なパートナーとしてサービスを提案できるというバックボーンや知見、リソースを保有している点は、EC事業者にとって心強いサービスベンダーだろう。

[Sponsored]
この記事が役に立ったらシェア!

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]