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楽天と西友は10月25日、このほどグランドオープンした共同運営のネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」の概要、戦略などを発表した。

ネットスーパー事業の概要

「楽天西友ネットスーパー」は、「楽天ID」約9900万の会員基盤、西友が実店舗で培ってきた生鮮食品販売ノウハウなど両社の強みを活用しながら協働運営するネットスーパー事業。

生鮮食品などの食品や日用品、時短ニーズに対応したカット野菜や半調理食品、ミールキット、「楽天市場」で人気のグルメ、農業サービス「Rakuten Ragri(ラグリ)」の有機野菜や有機野菜サラダなどを販売する。

ミールキットについては、育児中のママ・パパを対象とした楽天の会員プログラム「楽天ママ割」との共同開発商品も展開する。

特定商取引法上の販売者は西友。運営主体は楽天と西友の合弁会社である楽天西友ネットスーパー、楽天西友ネットスーパーマーケティング、西友となる。

  • 展開エリア:16都道府県
  • 取扱商品:最大2万品目
  • 配送料:一定金額以上の注文で送料無料、それ以下の場合は税込432円
  • 宅配時間:注文日から3日後までの午前10時から午後10時までの6つの時間帯で指定配達可能。注文から最短4時間でお届け。当日配達も展開

西友ネットスーパーはこれまで、実店舗から商品を配送する「店舗型」でネットスーパーを運営してきた。

だが、右肩上がりでネットスーパーの利用が増加し、店舗からの配送キャパシティが課題として浮上。「楽天西友ネットスーパー」の本格展開を前に、千葉県柏市に常温・冷蔵・冷凍の3温度帯を完備したネットスーパー専用のセンター、都内数か所に配送拠点となるデポを設置し、課題解消を進めた。

「楽天西友ネットスーパー」の配送体制
「楽天西友ネットスーパー」の配送体制

ネットスーパー事業の配送モデルは、店舗から顧客に配送する「店舗型」とネットスーパー専用倉庫から直送する「センター型」にわかれていた。「楽天西友ネットスーパー」は「店舗型」と、新たに「センター型」を活用したデポ経由の配送で、ラストワンマイルの最適化を進める。

なお、配送キャパシティは従来比で1.5倍に拡大するという。

「楽天西友ネットスーパー」は「センター型」を活用したデポ経由の配送で、ラストワンマイルの最適化を進める
「楽天西友ネットスーパー」は「店舗型」、デポを活用した配送を併用する

「センター型」では、住友商事グループが2009年に「サミットネットスーパー」を開始したが、2014年にネットスーパー事業から撤退した。

一方で、生鮮食品の宅配やネットスーパーは、都市部を中心に大手企業による参入が相次いでいる。Amazonは2017年4月に「Amazonフレッシュ」を開始。アスクルとセブン&アイ・ホールディングスは2017年11月、共同で「IY フレッシュ」を始めた。

レシピ投稿サイトを運営するクックパッドも生鮮食品のネットスーパーを都内の一部地域で行うと発表。販売店が出店するプラットフォーム型のビジネスモデルで展開する。

「ワンデリバリー構想」への影響は?

楽天は購買データに加え、配送データも管理することで商品の注文から配送までの仕組みを一気通貫で整備し、受け取りの利便性向上、再配達削減、配送状況の可視化などの実現をめざす「ワンデリバリー構想」を進めている。

楽天が「楽天市場」に出店している全店舗の全荷物を預かって配送したり、自社配送サービス「Rakuten EXPRESS」で出店者の商品も配送するといった構想を掲げる。

「楽天西友ネットスーパー」は「ワンデリバリー構想」の大きな役割を担う可能性が高い。楽天は「『楽天西友ネットスーパー』の配送インフラの活用は、中長期的にはワンデリバリー構想の中に入ってくる」(広報)と説明。「Rakuten EXPRESS」の一部システムと連携しており、将来的には自社配送サービスと「楽天西友ネットスーパー」配送網の相互活用、両社の配送インフラを店舗が活用する――といった連携の可能性もある。

なお、「楽天西友ネットスーパー」はまず首都圏での利用拡大を進める方針で、他の地域にも専用センターの設置を検討している。

「楽天西友ネットスーパー」が柏市に新設した物流倉庫
「「楽天西友ネットスーパー」が柏市に新設した物流倉庫の外観と内観

楽天西友ネットスーパーマーケティングの小森紀昭社長は、楽天執行役員コマースカンパニーファーストパーティ事業ヴァイスプレジデントで、Rakuten Direcの社長も務める。楽天の直販事業、楽天西友ネットスーパーも担当する小森氏を軸に、「ワンデリバリー構想」の実現へ向けた動きが加速しそうだ。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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