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越境ECで売上・利益を伸ばすにはどうすればいいのか?「決済と物流を制する者はECを制する」という国内向けEC事業で成功するための格言と同様に、越境ECでも決済と物流が成功のカギを握っている。「日本製品だから売れる」というステージは過ぎ、多くの越境ECプレーヤーとの競争に勝つためには「買いやすい環境」「優れた配送サービス」などが必要になる。優れた買い物環境を海外ユーザーに提供するにはどうすればいいのか? 越境ECをサポートするその道の“プロ”であるペイパル、ドイツに本社を置く国際物流会社DHLジャパンに話を聞いてきた。写真◎吉田 浩章

越境ECユーザーが海外ECサイトで商品購入する条件とは

31か国に住む3万4000人以上の消費者を対象に、国内と海外の両方のオンラインショッピングの利用方法と、利用理由について調査した「越境ECグローバル調査 2018」(調査:ペイパル)によると、越境ECで利用している決済手段を選ぶ理由として、「安全な決済」(44%)「便利な決済」(36%)が上位2項目にあがった

越境ECで選ばれる決済手段とは?
越境ECで利用している決済手段を選ぶ理由

「どんな条件下であれば今後越境ECで購入するか?」との問いでは、「安全な決済手段」(38%)、「自国通貨での価格表示・支払いが可能」(34%)と、決済手段に関する回答がトップ5に2項目入っている。

全ECユーザーに質問:どんな条件下であれば今後越境ECで購入するか?
越境ECサイトを利用する条件

越境ECの購入者が見ているのは商品の魅力に加え、決済、配送に関する情報」と話すのは、調査元であるペイパルの野田陽介事業開発部長。「ペイパル」は、VISAやMasterCardなど国際カードブランドに対応したオンライン決済サービスで、EC事業者は簡単な審査と本人確認手続きだけでオンライン決済を導入できる。

現在、1800万以上のECサイトに導入されており、世界で2億5000万人以上の消費者が利用。200以上の国と地域で、100通貨以上での決済、56通貨で銀行口座への入金(日本では銀行への引出しは、円のみ)、25通貨(日本では22の通貨に対応)で支払いを受け取ることができる。

顧客のカード情報はECサイトに保存されない。そのため、ECサイトからの情報漏えいを心配するユーザーでも買い物しやすく、「安心」「安全」を求める越境ECユーザーの買い物条件に合致するオンライン決済サービスである。

グローバルで決済事業を展開するペイパルの調査から見えてきた傾向では、「決済手段に加え、(越境ECユーザーに商品を購入してもらうには)配送面も重要な課題になってきている」と野田氏は指摘する。

ペイパルの野田陽介事業開発部長
ペイパルの野田陽介事業開発部長

物流面の課題、どう解決すればいいのか?

配送面で不安を抱える越境ECユーザーは多く、それがカゴ落ちに直結するケースが多い。

野田氏は「越境ECで購入を諦めてしまう理由」として、「配送費用が高いのでは?」(25%)、「届くまで時間がかかるのでは?」(24%)、「きちんと配送されるかどうか不安」」(24%)、「返品が簡単にできるかどうか不安」(22%)という配送に関する不安面が上位を占めると説明する。

越境ECユーザーが購入を諦める理由=ほとんどが配送関連
越境ECユーザーが購入を諦める理由

安い配送料金、短期納品が可能な配送スピード、そして配送品質――。日本国内向けECと同様に、越境ECでも手厚い配送サービスを提供しなければ、「カゴ落ち」を改善することは難しいのか? ペイパルと業務提携しているドイツの国際輸送物流会社大手DHL Expressの日本法人、DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)は次のように説明する。

自社の製品はどのようなターゲット層がほしがっている商品で、どのような配送サービスで届けるのが最適なのか? それをまず考えることが重要だ。

たとえばコレクター向けの商材。配送料金が高く、手元に届くまでの時間が多少かかってもキャンセルされる確率は低い。消費者にとって“どうしてもほしい”という小ロット商材なのか、それとも大量消費されているため多くのECサイトで購入できる商材なのか、といった観点からまずは配送サービスを考える必要がある。

DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)
DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)

「きちんと配送されるかどうか不安」(24%)、「返品が簡単にできるかどうか不安」(22%)といった消費者が抱える不安の解消も重要だ。

配送面への不安を簡単に解消する手だてとして野口氏があげた一例は、利用している配送サービスの信用力を自社の越境ECサイトに活用する次のような方法だ。

DHLはグローバルで多くの国・地域で利用されているが、特に欧州では圧倒的なシェアがある。越境ECサイトでDHLでの商品配送オプションを提供していることをサイトで表示(たとえばロゴ表示など)しておけば、配送面での不安解消につながりやすい。

BtoCの越境物流にも力を入れているDHLとは

DHLと言えばBtoB向け物流・配送というイメージを抱く読者が多いだろう。近年はBtoB物流・配送で培ったネットワークを生かしたBtoC向け越境EC物流・配送サービスが伸びているという。

DHLの創業は50年前。現在は世界220以上の国・地域で国際物流事業を展開し、10万人以上の従業員が世界各国・地域に商品を配送する。日本では6万5000社以上の顧客が利用し、近年は海外向け越境ECの取扱荷物が増えている。

1月あたり1633件を海外へ販売したある越境EC事業者のケース(米国向け1214件、欧州向けが259件、オーストラリア向けが57件など)では、1日あたりで最も出荷件数の多かった191件分を計測したところ、翌日配達は129件(67.5%を占める)、翌々日配達39%(20.4%)で、海外からの注文でも翌々日には商品を配送した実績がある。

加えて、破損・ダメージ、紛失はゼロ件。遅延1件が発生したものの、それは購入者が受け取りで投函を選択していたことを勘違いしていたためで、実質無事故で商品を届けていたという。

野口氏は越境ECで事業を伸ばすためには、上記にあげた「スピード」「価格」「品質」に加え、「可視化」「ラストワンマイル」も重要視されていると付け加える。国内配送と同様、越境EC事業者と消費者から、配送状況の確認、受け取りの簡便さが求められているという。

こうしたニーズに対して、DHLでは配送状況を世界中からリアルタイムで常時確認できるシステムを構築した。輸送中のチェックポイントをリアルタイム(約15分ごと)で更新・反映。越境EC事業者は消費者からの配送状況の問い合わせに対し、簡単に確認できる体制を整える。

輸送状況の確認画面
輸送状況の確認画面

「ラストワンマイル」に関しては、無料提供する「ODD(オンデマンドデリバリー)」というサービスがある。これは、購入者へ配達予定日をSMSで自動的に事前通知するサービスで、消費者は配達日や配達先の変更がWeb経由で利用きるというもの。購入者自身で適した配送日や配送先を選べるようにすることで、「ラストワンマイル」の品質向上に役立てているという。

トレーニングウエアを販売するイギリスのGYMSHARKは、海外販売で現地の郵便サービスで配送していたが、新たにDHLを配送サービスのラインナップに追加。DHLを使ったサービス運用後、越境EC販売の実績が1年で1万3000件も増えたという。

購入金額は70%アップし、購入者の50%がDHLの輸送オプション「国際エクスプレス便」(荷物を迅速に配送するオプションサービス)を選択した。配送料金は高くなるものの、この「国際エクスプレス便」オプション追加後に、売上高増加率は210%を記録したという。

DHLとペイパルで決済&物流業務を簡素化する取り組み

越境ECを手がけるには欠かせないペイパルと、海外向け越境ECの取り扱いが増えているDHLジャパンがタッグを組み、越境EC事業者の業務効率を向上させるための支援サービスを始めたことはご存知だろうか?

スタートしたのは、DHLの「国際エクスプレス便」利用料金を「ペイパル」経由で決済できるという取り組み。一般的には、1か月に1度送られてくる配送会社からの請求書と送り状を付け合わせて利用料金を支払うといった業務フローが、大幅に効率化できるようになるという。

DHLの「国際エクスプレス便」で荷物を配送し、消費者が荷物を受け取るごとに配送料金を「ペイパル」で決済できるようになり、請求書は都度、電子データとして管理画面で確認できる。海外向けECの配送料金処理が、大幅に効率化できるようになるのだ。

海外向けECの配送でDHL、決済面で「ペイパル」を活用すると、配送面では販売事業者に代わってDHLが通関業者として申告手続きや関税の立て替えなどを実施し、現地消費者に配送。そして、配送料金の決済はペイパルが行うことで、配送から料金決済までをほぼ自動化することが可能になる。

海外向けECを実施している日本企業では、国内向けが9割、海外が1割といったケースが多い。また、海外向けECを日本国内向け事業部とは異なる部署が手がけていることもある。海外向けの件数は少ないものの、配送料金の付け合わせといった業務に手間がかかるといった声は少なくない。経理部門の業務の効率化につながるといった声を多くいただいている。(野口氏)

海外向けのBtoC物流・配送のニーズが急増しているというDHLジャパン
海外向けのBtoC物流・配送のニーズが急増しているというDHLジャパン

データ&事例から学ぶ越境ECで売り上げを伸ばすコツ

海外ユーザーにとって越境ECは当たり前

世界的にECで商品を買う消費行動は増加傾向にある。越境ECで成功するためにも、海外の消費動向、市場、ニーズなどをまずは把握しておきたい。

日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた「ジェトロ世界貿易投資報告 2018年版」によると、2017年の国別のEC市場規模は中国が4489億ドル(1ドル110円換算で約49兆4000億円)、2位の米国が3660億ドル(約40兆3000億円)、3位の日本は788億ドル(約8兆7000億円)。2017年の4位以下は英国(約8兆1000億円)、ドイツ(約5兆4000億円)、フランス(約4兆4000億円)、インド(約3兆3000億円)、ブラジル(約2兆円)、ロシア(約1兆9000億円)。

※市場規模はインターネット上で行われたBtoCの消費財(輸送機器を除く)の取引が対象。食料品や雑貨などの宅配サービス、店舗支払い・受取による取引は含まない。

2020年には中国が約75兆円、米国は約56兆8000億円、日本は約11兆1000億円、英国は約9兆9000億円、ドイツは約7兆円に拡大する見通しである。

主要国におけるBtoCのEC取引額
主要国におけるBtoCのEC取引額(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

2015年の財輸入上位10か国の越境EC購入額をみると、米国や中国、英国、ドイツ、カナダなどの越境EC購入のシェアが高い。米国や中国では年々、海外からの購入額が増えており、多くの国でその傾向が起きていると推測できる。

米国・中国・日本の越境ECポテンシャル推計値(経産省の発表資料)
米国・中国・日本の越境ECポテンシャル推計値(経産省の発表資料)
主要国の越境EC購入額(BtoC)と財輸入額の世界シェアの比較(2015年)
主要国の越境EC購入額(BtoC)と財輸入額の世界シェアの比較(2015年)(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

次の画像はペイパルが実施した2016年の調査結果だが、興味深い数値がある。オンライン購入者に占める越境EC購入者の割合を見ると、多くの国の消費者が海外から購入している状況が浮き彫りになっている。日本は5%にとどまっているものの、世界を見れば、海外から商品を購入する行為は当たり前になっていると言える。

オンライン購入者に占める越境購入者の割合(2016年)
オンライン購入者に占める越境購入者の割合(2016年)(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

ずばり越境ECユーザーに商品を買ってもらうには?

越境ECで商品を売るには、「海外では見つからない商品」「モノがユニークなのか」「品質が良い」など“日本でしか買えない”という観点が売れる1つの要素になる

決済事業者の視点からこう説明するのはペイパルの野田氏。世界の越境ECユーザーの購入カテゴリーを踏まえ、「越境ECで購入者が見ているのはまずは商品の魅力。そして、決済、配送だ」と言う。

越境ECユーザーが購入する上位カテゴリー
越境ECユーザーが購入する上位カテゴリー

配送視点ではどうか? DHLジャパンの野口氏は、「販売価格も重要な要素になる」と指摘し、ある成功企業の事例を次のように説明した。

越境ECで上手くいっている事業者で低価格帯商材を扱っている企業はそんなに多くはない。1万円以上の商品を販売する事業者が多いように感じている。

成功している企業の傾向としては、送料を大きく見せないのが1つのコツ。「日本でしか購入できない」といった商品であれば、送料を販売単価に乗せることができる。つまり、送料込みの値付けをどうするかということだ。シッピングフリーでなくても、高くないと感じる範囲での上手な値付けをし、残りは自社で負担する……こういった値付け戦略はとても重要だと感じている。

越境ECユーザーへの質問:なぜ越境ECで購入したのか?
越境ECで購入する理由を踏まえ、上手な値付けが必要だと野口氏は説明する
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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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