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経済産業省の調査によると、日本のBtoB-EC市場規模は344兆2,300億円で前年比8.1%増、EC化率は30.2%(前年比0.8ポイント増)。2017年のBtoB-ECの市場規模は318兆1610億円のため、1年間で約26兆円分ものBtoBに関する業務がEC化された計算になります。BtoBビジネスにおいてもデジタル化が進んでいる現状などについて、テモナの細田 和宏執行役員(サブスクストアB2B事業部 事業部長)さんに聞きました。

BtoB業務のデジタル化は生産性向上につながる

BtoBビジネスはメーカーの原材料調達、商社などへの販売、卸売業者による小売店販売など多岐に渡る。サブスクリプション・定期購入・頒布会に特化したECシステム「サブスクストア」を開発・販売するテモナでは、企業・店舗向けに商品販売を行うBtoB取引専用のWeb受発注システム「サブスクストアB2B」の引き合いが増えているという。テモナのメインターゲットはメーカーや卸売会社。たとえば、卸売のBtoB-ECの市場規模は103兆円で前年比10.5%増。EC化率は27.7%となっている。

BtoB-EC市場規模の業種別内訳
EC市場規模
(億円)
対前年比EC化率
建設建設・不動産166,51010.4%11.0%
製造食品244,0406.2%55.6%
繊維・日用品・化学341,9507.9%40.6%
鉄・非鉄金属214,9008.9%35.8%
産業関連機器・精密機器156,64011.0%33.1%
電気・情報関連機器358,0006.3%53.5%
輸送用機械500,5605.8%63.2%
情報通信情報通信133,9905.6%18.8%
運輸運輸97,5504.7%15.9%
卸売卸売1,039,51010.5%27.7%
金融金融128,6206.1%20.9%
サービス広告・物品賃貸38,2104.7%12.8%
その他小売17,86019.8%
その他サービス業3,96027.7%
合計3,442,3008.2%30.2%
※経済産業省の資料をもとに作成

――BtoBビジネスのWeb化、EC化を進めようとしている企業の傾向などを教えてください。

細田和宏執行役員(以下、細田):テモナの「サブスクストアB2B」のメインターゲットである「卸売」ではEC化が進んでいるとは言えない状態です。いまだにFAXと電話で受注を行っている、つまり“マンパワー”で事業を回している企業が圧倒的に多いのです。案件化や問い合わせが多いのはBtoBビジネスを手がけるスタートアップ、業務効率化を推進している先進的なメーカー・卸売といったところです。

Web化、EC化の動きが遅い企業さんは、FAXで送られてきた発注書をエクセルで手打ち入力、そして伝票を起票……。一方、FAXで注文する企業や店舗にとってもアナログな注文方法はストレスがたまります。生産性ゼロですよね。Web化、EC化が進んでいない企業では、その業務をやることが当たり前になっているんです。上場企業など規模が大きい企業では問題意識は持っているものの、Web化、EC化に向けた意志決定が遅いのが課題ですね。多種多様な部門が関わるため業務フローを変えるための労力が大変といった社内事情もあるようです。一方、中小企業では決定権を持つ経営陣のWeb化、EC化への意識が乏しいといった問題があります

結論を言うと、Web化、EC化は経営陣がトップダウンで決めるべき事項システムで出来ることはシステムで処理し、スタッフはより売るための企画・販促といった業務に振り分けるように意識も組織もシフトしていくべきなのです。

テモナの細田 和宏執行役員(サブスクストアB2B事業部 事業部長)
細田 和宏執行役員(サブスクストアB2B事業部 事業部長)

――改めて、BtoBビジネスのWeb化、EC化のメリットを教えてください。

細田Web化、EC化のメリットには「効率化」「販路拡大」がありますが、最近の企業ニーズの傾向としては業務の効率化です。Web化、EC化を進めている企業に共通する目的が、“業務を効率化して生産性向上に集中する”ということ。たとえば昨今の働き方改革。経営側にとっては、残業が減っても業績が伸びなければ意味がありません。先進的な取り組みをしている企業の経営陣は、業績を伸ばすには生産性の向上が必要だという理解が浸透しています。その1つの施策がBtoB-ECサイトなのです。FAX受注、出荷指示、(カタログを取引先に送っている企業は)印刷費や送料、請求書など、アナログに代表される“紙”からデジタルへ移行するだけで、コストも工数も大幅に削減でき、生産性向上に向けて新しいことにコスト、リソースを投入できるようになるのです。

アナログ作業では業務負荷が大きい

次に販路拡大。ECサイトを持つということは、ルート営業などのような限られた地域への営業にとどまらず、全国へと商圏を広げることができます。メーカーであれば直接、小売り店や飲食店への販売。卸売も従来の取引先以外の顧客をネット広告などで開拓できるようになります。こうした人材はどうやって確保するのか? 業務の効率化によってリソースを販路拡大に振り向けばいいのです。ちなみに、BtoB-ECのネット広告のコストはまだそんなに高くない。低コストで販路開拓できるのが、いまのマーケット状況です。また、Web化やEC化のメリットはデータを蓄積できること。CRMで取引先に応じた最適な提案をきちんと行えば、リピート促進にも役立つでしょう。

BtoBも「顧客視点」に立てばデジタル化は当たり前

細田氏は、BtoC-ECでは当たり前のように行われている「顧客視点」「顧客体験」が、BtoBビジネスでは欠落していると指摘。続けて「消費者の立場でさまざまなECサイトを使うのに、会社へ行くとFAX、電話で受注、注文するのが当たり前のようになってしまいます。顧客視点、顧客体験という視点が抜けているんです」と説明する。

――BtoBビジネスでも「顧客視点」「顧客体験」の視点が重要だと考えています。

細田:たとえば飲食店のケース。深夜に営業が終わってそれから明日の分の仕入れを行う際、10個注文するところを間違えて100個注文してしまったとしましょう。店主は起床してから訂正の電話をしようと考えたが、午前中に起きることができずに、卸売は午前中に注文を処理して飲食店に100個もの商品を発送してしまう……。FAXだとこんなことが発生してしまうんですよね。これがECサイトならばどうでしょう。すべてスマホやPCのWebサイトを通じて注文できますし、キャンセル、注文変更もできます。仕入れ先の小売り店や飲食店にとっても、FAXや電話で注文するよりも便利なのです。卸売が「顧客視点」「顧客体験」に立てば、EC化は必須でしょう。デジタル化していないことは、一番大切な顧客に、負荷をかけ続けていると思った方がいいかもしれない。

Web化、EC化は顧客満足度の向上につながる

小売や飲食店はデジタル化が大きく進んでいます。その一方でデジタルによる効率化が進んでいないのがBtoBの世界。そろそろ変わる時期でしょう。昔のように数千万円、数億円をかけてシステム投資する時代ではありません。BtoC-ECサイトを月数万円から運営できるように、BtoB-ECサイトも同様に月額数万円で運用できる時代です。効率化が進めば、リソースを新規顧客の獲得、商品開発など、より売るための施策、顧客満足度を上げるための仕事に振り向け、生産性向上につなげるべきです。

Web化・EC化が進んでいない状態の社内業務のイメージ
Web化・EC化が進んでいない状態の社内業務のイメージ

BtoBビジネスのデジタル化案件が急増している「サブスクストアB2B」

テモナがBtoC-EC向けのECシステム「サブスクストア」の知見や技術を生かし、BtoB向けに開発したのが「サブスクストアB2B」。リリースしたのは2019年4月。メーカーや卸売からの問い合わせの急増、案件化の増加があった背景にある。

――「サブスクストアB2B」の特長は?

細田:集客・販売・決済・請求書管理・入金管理・掛け率設定など企業向け販売に必要な機能をワンストップで備えたクラウド型システムです。メーカー、卸売といった企業向けの物販事業を手がける企業の課題を解決し、売り上げや客数、業務効率、顧客満足の3つの向上に寄与することができます。

「サブスクストア」の強みはサブスクリプション機能。それをBtoBにも応用(BtoB向け定期注文)しているので、売り上げの安定化と注文者の工数削減を実現できるようになります。小売店や飲食店の仕入れは曜日、モノ、ロットがある程度決まっています。小売店や飲食店は都度仕入れ注文するよりも、定期的に購入できる方が効率的。「サブスクストアB2B」には、サブスクリプション機能を搭載しているので、定期購入などの販売、注文に対応できます。また、効率的な売上拡大をサポートするCRM機能がありますので、たとえば自動的に販促メールを顧客に送ったりするなど、販売促進を行うことができます。

業務を大幅に軽減する請求書作成・Web発行機能も特長です。企業間での請求書受け渡しをWeb上で行うことができるので、時間や紙と発送コストの削減が可能です。また、Web上で入金管理と請求書をひも付けるので消し込み作業も簡単のため、経理業務を大きく改善できるようになります。

「サブスクストアBtoB」の特長
「サブスクストアBtoB」の特長

――「サブスクストアB2B」を利用する企業の傾向は?

細田:基本的にはモノを扱っている企業が多いです。飲食店や小売、サロンなどに商品を卸販売する卸売、メーカーですね。ただ、最近はSaaS企業や商品の定額貸し出しサービスなどの、サブスクリプション事業を展開する企業からの問い合わせも増えています。このような企業も、申込の円滑化、顧客管理や注文管理、決済や請求の簡易化など大きな業務効率のメリットを提供できます。サブスクストアB2Bの強みを生かせるので、このようなサブスク企業の力にもなりたいと思っています。

Web化・EC化が進んでいる状態の社内業務のイメージ
Web化・EC化が進んでいる状態の社内業務のイメージ
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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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