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ECシステムの刷新には、「社内にわかる人を置く」「経験ある開発者チームを雇う」「欲張らない」「とにかくソフトオープン」「企業の論理に負けない」、できれば「痛い目にあったことのある人をプロジェクトに入れる」ということを実施し、「どんなシステム、プロジェクトでもでもトラブルは起こりうる」ということを念頭に置いて取り組くむことが重要になります(参照記事:「失敗しないECシステム刷新のポイントとは?」)

今回、昨今のシステムリリースの課題で押さえるべき上記ポイントに加え、システムリリースを「いつ」するべきかを説明していきます。

タイミング選定は「売り上げ等の事業活動への影響最小化」「リスク回避」

企業の論理(都合)を優先したシステムリリースのよくある例として、「記念日に無理に合わせる」「トップが発言してしまった期日を死守しようとする」「キャンペーン等集客のピークをぶつけてくる」など、いきなりハードオープンになるのを避けるのは言うまでもありません

その上で、システムリリースのタイミング選定には、「売り上げ等の事業活動への影響最小化」と「リスク回避」という2つの考慮点があります。それに基づくと一般に次のようになります。

  • 売り上げ、トラフィックが少ないとき(≒繁忙期でないとき)
  • 繁忙期までに十分の期間を空けた時期(できれば、同月の月初月末を含む1か月以上前。何かあったときに繁忙期までに対処ができる時間を持つということ)
  • 世の中が止まっていないとき(年末年始、GW、お盆、3月中旬~4月中旬など)

これらは、売り上げや事業活動へのインパクトを一番減らす目的もあります。加えて、何かあったときに、リソース、人員などを活用できる時期(≒世の中が止まっていないとき)だからです

年末年始、GW、お盆は、多くの人が休んでいたり、会社自体が休業していますので、トラブルが生じた際、担当者に連絡が取れなかったり、作業にあたれないなど解決までに時間がかかることがあります

3月中旬~4月中旬は、日本企業の多くが年度末・年度始まりで、人員の獲得の問題もあります。また、人事異動などで組織内に落ち着きがなかったり、責任があいまいだったりということがありますので、この時期も避けた方がよいでしょう。

このような時期でも、「開発会社は人材を確保しているので大丈夫です」と言われます。しかし、その他の時期よりも課題があることは明白です。そのまま信じてリスクを取るかどうかは依頼側の責任となります

結果的に小売りなどでは、実店舗の改装のように、システムリリースも2月や9月が多くなります。ECなどWebシステムの場合、2月や9月を予定していたが、遅れて3月や10月になることも多いのが実情です。

ECシステムのリリースタイミングのポイント
ECシステムのリリースタイミングのポイント

BtoCシステムはソフトオープンを心がける

さらに細かい懸念を言うと、

  • 月末(末日)や月初(1日)にかぶらないようにする
  • 土日祝日にリリースしない

などがあります。

月末月初を避けるのは、会計の〆の際にシステム障害が起きて影響が広がることを防ぐためです。土日祝日は世間が動いておらず、また、月曜日のリリースになると土日に準備がいるため人材の配置が必要になります。金曜日リリースは何かの際に土日対応が必要になりますので、できれば「火水木」にリリースをすることをお勧めしています

開発会社がシステム要員をキープしている場合もありますが、リリースで何が起きるかわかりません。筆者の経験で、サーバを起動させた際、ハードウェア障害を起こしてしまい、結局メーカーの対応が必要になったこともあります。

開発会社が自社や協力会社のソフトウェアのエンジニアを待機させていることはありますが、金融機関でもいない限り、ハードウェアのベンダーまで待機させていることは少ないので、結局ハード障害に対応するために平日昼間まで待つことになります

もちろん、体制を整えれば整えるほど費用はかかります。それも、問題がなければいらない「無駄な」費用です。ですので、売り上げやその他のリスクと費用を鑑みた上で、どこまでの体制を採用するかという決断をする必要があります

上記を考慮したうえで、週半ばの平日の昼間、もしくは早朝にリリースすることが、結局一番リスクが低く、体制をとる費用は低くなります

◇◇◇

筆者がいつも指摘していることですが、BtoCシステムは、とにかくソフトオープンが重要です。

また、新規リリースの場合は事前予告しない限り、あまり対外的な問題はありません。リプレースの際は、ビジネスが止まったり、既存顧客に迷惑をかけるなどインパクトが大きいということです。

どこまで考慮するか、リスクをとるかは、会社や事業の状況、内容によります。そのため、一概には言えません。しっかり検討した上で、タイミングやどうするかを決定し、それに合わせた準備を行わなくてはならないのは当然ことと言えるでしょう

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中島 郁

ネクトラス株式会社 代表取締役

中島 郁(なかしま かおる)

ネクトラス株式会社 代表取締役

新規事業立ち上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。

ベンチャー、外資、老舗にて、事業立上げ、急成長ビジネスの責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。

トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネル執行役員(EC、テレビ編成及びマーケティング)本部長を経て、世界最大のECサービス企業GSI Commerce(eBay Enterprise)アジア太平洋担当副社長兼日本法人社長。三越伊勢丹では役員兼WEB事業部長として、EC・情報メディア等の構築、オムニチャンネル導入を担当。米国Babson College MBA。

おそらく大規模EC・オムニチャンネル3社で事業責任者に携わった国内唯一の経験者。
ベンチャーから大企業までのコンサルティング、アドバイス、顧問、業務支援に携わっている。

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