コロナ禍でEC不正注文が増加。被害割合TOP3は「健康食品」「ホビー」「アパレル」
不正注文検知サービスを提供するかっこは、クレジットカードの不正利用、転売、なりすましといった目的の不正注文に関する傾向を商材別に調査し、2019年同時期のデータと比較・分析した。
不正被害全体でみると被害件数は3%増、被害金額が21%増。「1件あたりの被害金額も増加していることがわかる」(かっこ)と言う。調査対象期間は2020年2月~5月。
健康食品の被害が最多、増加率はアパレル
不正被害の全体に占める割合が一番多い商材は「健康食品」(26.6%)で、2019年と同順位。「健康食品」はキャンペーンやトライアル施策を行うことにより新規顧客が増加するが、人気のある商品は悪質転売のリスクが高まり、不正被害のターゲットになる傾向があるという。増加率では「アパレル」がもっとも高かったという。
不正者は初回と装って何度も初回限定商品を注文、初回購入時の価格で支払いをします。その後マーケットプレイスで購入金額より高く販売し、利益を得ています。(かっこ)
「アパレル」は2019年の8位から2020年は3位。かっこは次のように分析した。
緊急事態宣言を受けて店舗を閉鎖する企業が多く、補填のためにECの施策を増やしたことや注文件数が増加したことに比例して不正被害も増加したと考えられる。(かっこ)
不正被害について2019年同時期と比較すると、件数では3%、金額では21%増加していたという。かっこは「経済産業省の調査にもあるように、2018年BtoCのEC化率の伸び率は8.12%となっており、年々増加していること」「新型コロナウイルスの影響で外出自粛により、ネット通販の需要が高まったこと」をあげている。
不正アクセスも増加傾向
警察庁が3月5日に公表した「不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」によると、2019年における不正アクセス行為の認知件数は2,960件で、前年と比較すると1,474件(約99.2%)増加。不正アクセスを受ける対象の内訳では、「一般企業」が最も多く2,855件だった。
2019年の不正アクセス後に行われた行為別の内訳を見ると、2位に「インターネットショッピングでの不正購入」(376件/12.7%)で、2018年と比較すると件数は約2.5倍、227件増加している。