【2019年】法人取引のBtoB-EC市場規模は352兆円で2018年比で2.5%増
経済産業省が7月22日に発表した「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2019年のBtoB-EC市場規模は前年比2.5%増の352兆9620億円だった。
小売りなどの「その他」を除いたEC化率は、2018年比で1.5ポイント増の31.7%。
2019年の市場規模が拡大した業種は主に「小売」「建設・不動産業」「食品」。報告書では、BtoB-EC市場規模は前年に引き続き成長基調を維持しているとまとめている。
BtoB-ECに関する主なトピック
IP網化に伴うINS ネットの廃止
NTT東日本およびNTT西日本は、ISDN回線「INSネット(ディジタル通信モード)」のサービスを2024年1月に終了すると発表している。
総務省が公表しているIP網への移行工程・スケジュールによると、2019年は「事業者の事前準備」の期間と設定。2021年1月の設備移行開始まで継続する。
ビジネスシーンにおいては、EDI(電子データ交換)においても通信回線としてISDNが広く利用されている。BtoB分野ではEDIを用いた商品や部品の受発注で活用されているため、多くの企業に影響が及ぶ可能性がある。EDIをカバーする方法としてBtoB-ECへの切り替えに注目が集まっている。
インボイス制度への対応
2023年10月に導入予定の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」も、課税事業者は導入に向けた対応が求められる。
「インボイス制度」では、課税事業者は事前に適格請求書発行事業者として税務署への登録を受けた上で、現行方式の「区分記載請求書等保存方式」に加え、「適格請求書発行事業者登録番号」「税率ごとの消費税額及び適用税率」を追加した「適格請求書」を発行する必要がある。
帳簿や請求書、納品書の作成を「適格請求書等保存方式」に対応する策として、今後、新たにシステム導入へと踏み切る事業者も少なくないと推測される、と報告書はまとめている。
インプレスでは、BtoB-ECの専門書『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020[今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]』を販売しています。
BtoB-ECの基本的な解説から市場全体の動向、ユーザー企業がBtoB-ECに取り組もうとするときに参照できる導入手順までを解説しています。また、製造業や卸売り業の企業にアンケートを実施し、ユーザー企業の取組状況も掲載しています。
ユーザー企業動向調査のハイライト
BtoB-ECへの取組状況に関わらず、調査対象の全企業に「企業内でBtoB-ECが重要なテーマになっているか」を聞いたところ、「非常に重要であり、最優先テーマの1つである」が11.0%、「重要なテーマの1つである」が26.7%、「 優先度は高くないがテーマにはなっている」が12.2%となった。合計すると、約半数の企業が「取り組むテーマになっている」と回答した。
すでにBtoB-ECを実施している企業を対象に取り組んでいることを聞いたところ、「業務フローの変更」が52.9%と突出して高かった。導入時にハードルになったことは「既存の業務フローの変更」で33.0%と最多。
BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]
- 監修:鵜飼 智史
- 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/公文 紫都/インプレス総合研究所
- 発行所:株式会社インプレス
- 発売日 :2020年3月24日(木)
- 価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 90,000円(税別) 、
CD(PDF)+冊子版 100,000円(税別) - 判型 :A4判 カラー
- ページ数 :200ページ