コロナ禍の「デジタル接客」を最短1か月で実現。「ecbeing」「STAFF START」の標準連携が始まった背景【社長インタビュー】
ecbeingはECサイト構築パッケージシステム「ecbeing」と、店舗スタッフのデジタル接客と貢献度の可視化をサポートする「STAFF START」の標準連携を始めた。「ecbeing」の利用企業はテンプレートを活用することで最短1か月で導入できる。「STAFF START」の初期導入費用は通常の1/5、ECサイトへの実装は通常の1/10程度のコストになる。
ecbeingの林雅也代表取締役社長と、「STAFF START」を提供するバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃代表取締役にコラボの背景を聞いた。
約15社への導入を経て、標準連携化
コロナ禍でEC売上向上をめざす事業者にスピード提供へ
――コラボの概要を教えてください。
林雅也氏(以下、林氏):ecbeingで「STAFF START」の標準連携化の実装を行いました。ECサイトのカスタマイズ含め、すでに「ecbeing」を利用している既存のお客さまでも、これから「ecbeing」を導入したいと考えている新規のお客さまでも、「STAFF START」をスピーディーかつ低コストで導入できます。
小野里寧晃氏(以下、小野里氏):新型コロナウイルス感染拡大を受けて緊急事態宣言が発令されるなど、実店舗を所有している小売事業者にとっては苦しい状況です。「STAFF START」は、店頭販売員のデジタル接客を通じてEC販売につなげるサービスなので、実店舗の営業時間短縮、お客さまが来店を控えているなどの課題がある中でも、店頭販売員の雇用を守りながらEC売上を伸ばしていくことができます。
緊急性に駆られている現在のような状況下、多くの小売事業者がすぐに「STAFF START」を導入したいと考えています。しかし、実際にはECサイトの商品詳細ページに組み込むなどさまざまな準備が必要なので、稼働まで少なくとも3か月はかかります。「ecbeing」を利用してECサイトを構築しているクライアントが多く、標準連携を希望する声も多かったので、当社からお声がけしてコラボが実現しました。
林氏:新型コロナ感染拡大後、実店舗を所有している当社のお客さまの間で、店頭の従業員をいかにECに参画させるかが一気に経営課題として浮上しました。こうした状況に合わせて「STAFF START」を利用したいという声が増え続け、これまでに約15社が導入しています。その度に双方の技術陣が連携して実装を進めていたのですが、個社ごとに対応していると費用も時間もかかり、お客さまがすぐにデジタル接客を開始できないという課題がありました。標準化できれば、より多くの事業者がスムーズに「STAFF START」を導入できるだろうと考え、今回のコラボに至りました。
テンプレート利用で最短1か月、1/10のコストで導入可能
――導入コストや時間など、事業者側のメリットを教えてください。
林氏:バニッシュ・スタンダードさんと、これまでの知見を生かした「UI テンプレート」を共同開発しました。このテンプレートを利用すれば最短1か月、コストにすると従来の1/10程度でECサイトに実装可能です。また、「STAFF START」自体の初期導入費用も1/5、ランニングコストは1/3程度に抑えられるようになりました。デザインや表示内容の変更希望がある場合には、オプションでカスタマイズできます。
――今回のコラボを通じて期待することや展望は何でしょうか?
小野里氏:最短1か月で導入できるようになったので、デジタル接客を開始しようという意思決定から稼働までスピーディーに進められるようになったことが大きいと感じています。日本のアパレル企業は9割が現場スタッフ。このスタッフが報われないと業界全体が元気になりません。今回の連携を通じ、コロナ禍で苦しんでいる小売事業者に貢献できたらと思っています。また、2021年春頃にはスタッフのレビュー機能を搭載するなど、機能拡張も進めていく予定なので、ご期待ください。
林氏:ecbeingは「EC単体」ではなく、「Eビジネス」として実店舗も含めたお客さまの売上向上を支援したいと考えています。この混沌とした時代に生き延びるためには、Eビジネス全体の成長が必要です。今回の連携はそこにつながっていくものと考えています。
これまでは個社ごとの要望に沿った形で「STAFF START」の導入を進めていたので、なかなかノウハウを集約しにくいところがありました。標準連携を進めれば、同一の機能やサービスに対してフィードバックをいただけるので、ノウハウが蓄積しやすくなります。ecbeingはお客さまの声を元に機能開発・機能改善を進める会社なので、より使い勝手の良い形に進化させたいと考えています。