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顧客のリピート率を高める施策として有効な「ロイヤルティプログラム」ですが、より効果を出すための方法はあるのでしょうか。スーパーマーケットチェーン「Walmart(ウォルマート)」の導入で注目を集める「プレミアムロイヤルティプログラム」について解説します。

ウォルマートが始めた「Walmart+」とは?

ウォルマートは2020年9月、プレミアムロイヤルティプログラム「Walmart+(ウォルマート+)」を開始しました。

Walmart+のサービス紹介ページ
Walmart+のサービス紹介ページ(画像:サイトからキャプチャ)

年会費を支払った「Walmart+」会員は、送料無料、食料品の無料配達、ガスの割引、スマートフォンでスキャンするだけで料金を支払える機能など、さまざまな特典を受けることができます。

米国内最大手の小売事業者がこのプログラムを開始したことで、ロイヤルティプログラムが今後も重要なマーケティング戦略であることが証明されました。同時に、ロイヤルティプログラムの差別化が今まで以上に大切になります。

「Walmart+」のイメージ動画(編集部が追加)

「プレミアムロイヤルティプログラム」は「ロイヤルティプログラム」と何が違う?

ロックダウンやソーシャルディスタンスの影響で、オンラインショッピングは増加傾向にあります。消費者には無数の選択肢が提供され、顧客のロイヤルティを獲得することはこれまで以上に難しくなっています。プレミアムプログラムも従来のロイヤルティプログラムも、会員に真の価値を提供すれば、顧客を引きつけ、リピート購入を促すための効果的なツールになります。

プレミアムロイヤルティプログラムとは、会員が料金を支払うことで、会員限定の体験やすぐに利用できる特典と引き換えられるロイヤルティプログラムのことを指します。

従来のロイヤルティプログラムは、顧客が買い物をして時間をかけてポイントを獲得し、後から特典を受け取ることができるシステムです。重要なのは、顧客が時間とコストを節約し、競合他社にはないユニークな体験を提供できるよう、顧客に適したサービスの組み合わせを見つけることです。

ロイヤルティプログラムのレポートから得た4つのインサイト

プレミアムロイヤルティプログラムの提供・導入支援を行う「Clarus Commerce」は2021年1月、「消費者のロイヤルティに関する調査2021」を実施。全米のマーケティングおよびロイヤルティプログラムの専門家300人を対象に、小売事業者の現在および将来のロイヤルティプログラム戦略などを明らかにしました。この結果を見ると、小売事業者がこれからのロイヤルティプログラムに何を期待できるかがわかります。

このレポートでは、ほぼすべての小売事業者が顧客のロイヤルティに関心があることが判明しています。適切なタイミングで提供するリワードの重要性、マーケティング担当者の機会損失、プレミアムロイヤルティプログラムの価値、適切なベンダーとの連携の重要性が明らかになりました。

1.“1週間以内の特典提供”でより良い結果に

消費者はすぐに満足感を得たいと考えているため、ロイヤルティプログラム会員にすぐに特典を提供すればリピートにつながります。最初の1週間以内に特典を提供している小売事業者の86%が、「ロイヤルティプログラムの会員は少なくとも週に1回は買い物をする」と答えています。この数字は、最初の1か月以内に特典を提供している小売業者では63%にまで低下します。

さらに、早期に割引を提供している小売事業者ほど、ROI(投資対効果)の目標を早く達成しています。最初の週に特典を提供した小売事業者では、62%が最初の6か月以内に費用対効果を確認しています。

一方、最初の1か月以内に特典を提供した小売事業者のうち、「半年内に費用対効果が得られる」と回答したのは21%にとどまります。ロイヤルティ会員にすぐに特典を提供せず、満足感を感じてもらうタイミングが遅れると、会員の購買意欲が低下したり、買い物頻度が下がる可能性があります。

2. ホリデーシーズン中に看過されるロイヤルティプログラム

ロイヤルティプログラムを通じてホリデー割引を提供している小売事業者はわずか7%。これはチャンスを逃していることになります。2020年のロイヤルティに関する調査では、ミレニアル世代の73%がホリデーシーズンの割引のためにロイヤルティプログラムに加入していることがわかりました。

さらに消費者の38%は、ホリデー割引があればプレミアムロイヤルティプログラムに加入する動機になると答えています。調査結果と現実の乖離(かいり)は、マーケティング担当者が顧客獲得とリテンションの機会を逃していることを示唆しています。ホリデー割引がなければ、顧客は競合他社でホリデーショッピングをするリスクがあるのです。

3. プレミアムロイヤルティプログラムで顧客ロイヤルティをさらに引き上げる

従来のロイヤルティプログラムはマーケティングミックスの重要な要素ですが、プレミアムロイヤルティプログラムや階級別のプログラムは、ロイヤルティをさらに引き上げます。

プレミアムロイヤルティプログラムを提供している小売事業者の半数以上(51%)が、このプログラム会員には、通常の顧客の少なくとも4倍の価値があると考えています。これらのプログラムは、顧客をそのブランドでコンスタントに買い物するブランドの支持者に変えていきます。

優良顧客の要望やニーズに合わせたプログラムを提供することは、自社と顧客の双方にメリットがあるのです。実際、プレミアムロイヤルティプログラムを導入している小売業者の82%が、プログラムの収益性を10点満点中8点と評価しています。

4. 成功しやすいのはベンダーと提携している小売事業者

ロイヤルティプログラムを開始する際の小売事業者の最大の壁は優先順位の付け方で、回答者の3分の1以上(37%)が優先順位を問題としてあげていました。また、社内リソースの不足(24%)とITサポートの不足(19%)も一般的な課題でした。

このような社内のハードルが、一部の小売事業者がロイヤルティプログラムの構築と管理にベンダーを利用する主な理由となっています。ベンダーは、常に進化し続ける小売業界において、最新のプログラムを駆使して、ニーズに即したサービスの提供を行っています。ベンダーを利用している小売業者の27%が、過去1か月以内にプログラムを更新したことがあるのに対し、自社プログラムを利用している小売事業者は8%しか更新していません

さらにベンダーを利用している小売事業者には、リピート顧客が多いです。ベンダーを利用している事業者の44%が、「ロイヤルティ会員は少なくとも数日に1度は買い物をする」と回答しています。一方、自社でプログラムを管理している事業者のうち、「ロイヤルティ会員が少なくとも数日おきに買い物をする」と答えたのは30%にとどまりました。ベンダーを利用している小売事業者は、プログラムのROI目標をより早く達成しています。

◇   ◇   ◇

顧客は、ニーズに沿ったメリットと価値をショッピング体験に求めています。小売事業者が顧客のロイヤルティ獲得合戦を繰り広げる中、差別化がこれまで以上に重要になっています。2021年には顧客の囲い込みが重要な焦点となるため、ロイヤルティプログラムで競合他社との差別化を図り、顧客のリピート率を高める方法を検討しましょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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