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競争が激化し、どのブランドも新規顧客の獲得に苦戦していますが、顧客の定着化はさらに困難になっています。顧客を惹きつけリピート客になってもらえるような、新たな戦略を立案できる革新的な企業だけが今後も生き残れるでしょう。ブランドが顧客獲得とリピート化においてよりクリエイティブにならざるを得なくなってきている環境下、さまざまなアイディアを実践している事例を見ていきます。

新規顧客獲得に向け、テクノロジーを取り入れる

顧客を獲得し、リピート顧客になってもらうことは、小売業の収益性を高める上で非常に重要です。すべての小売事業者にとって新しい顧客は必要ですが、飽和した市場で新しい顧客を獲得するには創造力が欠かせません

ブランドは毎日、さまざまなマーケティングチャネルを使って顧客にアピールするための新しい方法を試しています。しかし、インバウンドマーケティング&セールスのソフトウェアを提供する「Hubspot」によると消費者の71%はソーシャルネットワーク上のスポンサー広告をもう信用していないそうです。

  • 81%が企業からのアドバイスよりも友人や家族のアドバイスを信頼している
  • 55%が以前と同じように購入先の企業を信用しなくなった
  • 65%が企業のプレスリリースを信用していない
  • 69%が広告を信用しておらず、71%がソーシャルネットワーク上のスポンサー広告を信用していない

つまり、興味喚起できていなければ、お金を無駄にしていることになります。

消費者の目を引く1つの方法は、テクノロジーを取り入れることです。顧客獲得にテクノロジーを取り入れることが、重要なマーケティングトレンドになっており、多くのブランドが最新技術を使い始めています。2021年に役立つ、クリエイティブな顧客獲得と囲い込み戦略を紹介します。

動画マーケティング:ブレンダーD2C「Blendtec」の事例

動画マーケティングは、ここ数年で増加傾向にあります。コンピュータネットワーク機器開発の「Cisco」によると、2022年までに、オンライン動画は消費者のインターネットトラフィックの82%以上を占めるそうです。

動画を適切に利用して新規顧客や売り上げを獲得している企業の1つが、ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」です。このブランドの動画マーケティング戦略は、基本的でありながらも大変クリエイティブです。「Will it Blend?」の動画シリーズを通して、彼らのミキサーがどれほど効果的かを消費者に知らせています。

ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」のサイトトップページ
ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

クルマの鍵や携帯電話など丈夫なモノも混ざるかどうか? つまり、ブレンダーがそれらを破壊できるかどうかも実験しています。Blendtecは2006年からこの動画施策を行っていますが、このマーケティング戦略は今でも効果的です。彼らのアプローチはシンプルで、商品に関するストーリーを伝えることでエンゲージメントを高める、というものです。動画は、より良いストーリーを伝えるのに役立ちます。

「Will it Blend?」の動画シリーズ。クルマのカギを使った実演動画

消費者のトレンドを鑑みると、動画マーケティングの重要性は、今後数年間でより重要になるでしょう。動画コンテンツは魅力的で消費しやすく、より多くの顧客を引き付けることができます。

紹介プログラム:グループ注文の「Ritual」のサービス例

紹介プログラムはコストを低く抑えられ、質の高い顧客につなげるための、ベストな顧客獲得戦略の1つです。消費者は、多くの企業が使用しているスポンサー広告に辟易しています。研究によると、消費者の92%は知人・友人からの紹介を信頼しています。興味深いことに、企業の新しい取引の65%は紹介によるものです。

特に2021年は、より多くのブランドが有料広告にお金をつぎ込むようになるため、どの企業も顧客獲得により真剣に取り組む必要があります。

「Ritual」は、ユーザーが友人や同僚のためにグループ注文をすることができる紹介プログラムです。ユーザーは、アプリを使って注文をするたびにポイントを獲得できます。これらのポイントは、地元のレストランで1ドルランチなどに交換可能です。そして紹介するたびに、ユーザーは1000ポイントを獲得できます。

「RItual」のサービス内容
「RItual」のサービス内容(画像:サイトからキャプチャ)

「Ritual」のプログラムを魅力的にしているのは、顧客の利便性に配慮していることです。オフィスやコワーキングスペースにいる人にとっては特に、グループ注文機能が大変便利です。

顧客の定着化:シニア向けD2Cブランド「Because Market」の事例

既存顧客を維持することが、ビジネスの要です。顧客の定着化は、ビジネスにより多くのお金と安定をもたらします。現代の消費者はとても洗練されているので、企業はクリエイティブでなければなりません。

「Because Market」は、尿漏れやその他特殊なニーズを持つ高齢者の支援に焦点を当てたD2Cブランドです。「Because Market」の特筆すべきポイントは、顧客が購入プロセスで直面するストレスを軽減したことです。

「Because Market」のサイトトップページ
「Because Market」のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

彼らは、最も繊細な顧客のニーズもキャッチするため、機械学習アルゴリズムに人的サポートを加えた、“ソーシャルでインテリジェントな”カスタマーサービスを構築しました。通常、小売事業者は繊細で重要な情報を、日常的なカスタマーサービス業務の中で忘れてしまいます。「Because Market」はデータから読み取れる、それらの貴重な顧客ニーズを基にして商品を設計しているのです。

顧客は、自宅にいながらにして商品を選ぶことができます。そして、「Because Market」が膨大な数の商品を、目立たないように届けてくれます。少額の手数料は発生しますが、顧客は複数の商品やサイズを試してみて、最適なモノを選ぶことができます。

このシンプルな戦略により、「Because Market」は2017年の創業以来、20万人の顧客に8,000万点以上の商品を販売しています。

データに基づいたロイヤルティプログラム:スターバックスの事例

ロイヤリティプログラムは、顧客維持のための最も確実な方法の1つです。研究によると、強力なロイヤルティプログラムを導入している企業は競合他社の2.5倍のスピードで収益を伸ばし、株主に100%から400%の高いリターンをもたらしていることがわかっています。

ロイヤルティプログラムをさらに効果的にするためには、データを活用する必要があります。消費者データを利用することで、顧客にパーソナライズされた体験を提供することができるのです。

「STARBUCKS」のリワードプログラムは、売り上げの40%を占めていると言われていますが、その仕組みは以下の通りです。顧客は、1ドルごとに2つの星を獲得。25ポイントに到達すると、お好みの特典を受け取ることができます。

「STARBUCKS」のリワードプログラム案内ページ
「STARBUCKS」のリワードプログラム案内ページ(画像:サイトよりキャプチャ)

「STARBUCKS」は、顧客の誕生日にはパーソナライズされたメッセージを送り、購入したばかりの商品と似たような商品もおススメします。また、モバイルアプリを使って簡単に特典を交換できるようにしています。

◇   ◇   ◇

2021年以降は既成概念にとらわれず、顧客を第一に考えて戦略を展開するブランドには、良い結果が待っていることでしょう。ご存じの通り、顧客を引き付けることと、顧客に定着してもらうための施策は別物です。

1つの戦略だけでは十分ではありません。現代の消費者は、自分たちのペインポイントを解決するための完成された商品、優れたショッピング体験、そして使い続けるためのインセンティブを求めています。簡単ではありませんが、それらに取り組めばEC業界で勝つことは可能です。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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