石居 岳 2021/3/8 10:00

政府が3月5日に閣議決定した特定商取引法の改正案などを盛り込んだ「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」。通販・ECの「詐欺的な定期購入商法」対策などが盛り込まれた。

特商法改正法案は、通信販売の「詐欺的な定期購入商法」対策を強化。定期購入でなければ購入できないといった誤認表示などに対して直罰規定を設ける。

現在、通信販売関連で直罰規定(規定違反に対する直接の罰則規定)があるのは、「誇大広告の禁止」(第12条、100万円以下の罰金)のみ。新たに罰則(罰金、懲役など)を設ける。改正案では行政処分を経ずに、個人は3年以下の懲役か300万円以下、法人は1億円以下の罰金を科すことが可能になる。

「詐欺的な定期購入商法」によって申し込みをした場合、取り消しを認める制度の創設する。また、「いつでも解約」などの表示によって通信販売契約の解除妨害に当たる行為を禁止。誤認表示や解除妨害などを適格消費者団体の差止請求の対象に追加する。

特定商取引法の改正案などを盛り込んだ「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」。通販・ECの「詐欺的な定期購入商法」対策
「詐欺的な定期購入商法」対策について(消費者庁の公表資料からキャプチャ)

消費者利益の擁護増進のための規定も整備

  • 消費者からのクーリング・オフの通知について、電磁的方法(電子メールの送付など)で行うことを可能にする(預託法も同様)
  • 事業者が交付しなければならない契約書面などについて、消費者の承諾を得て、電磁的方法(電子メールの送付等)で行うことを可能にする(預託法も同様)
  • 外国執行当局に対する情報提供制度の創設(預託法も同様)
  • 行政処分の強化など
特定商取引法の改正案などを盛り込んだ「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」。通販・ECの「詐欺的な定期購入商法」対策
「消費者利益」の擁護増進のための規定整備について(消費者庁の公表資料からキャプチャ)

送りつけ商法対策も強化

  • 売買契約に基づかないで送付された商品について、送付した事業者が返還請求できない規定の整備など(現行では消費者が14日間保管後、処分などが可能→改正後は直ちに処分などを可能にする)
特定商取引法の改正案などを盛り込んだ「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」。通販・ECの「詐欺的な定期購入商法」対策
送り付け商法対策について(消費者庁の公表資料からキャプチャ)

 

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