ECタイムズ[転載元] 2023/9/13 8:00

化粧品市場は急激な成長を遂げており、多くのブランドや企業がその恩恵を受けています。そのため近年、OEM(Original Equipment Manufacturer)という手法を利用する企業が増えています。OEMを利用することで企業は自分で製造施設を保有しなくても、自社ブランドの化粧品を市場に供給することができるようになります。これは新しいブランドの立ち上げや、既存のブランドの商品ライン拡張に非常に有効な手段となっています。

しかしこの急激な成長の裏には、多くのブランドや企業が化粧品OEMの利用に関して直面する課題も存在しています。それは市場に供給される製品が多様化し、競争が激化していることです。多様化することで、自社の製品を他社の製品と差別化し、消費者の心をつかむかが重要となっています。

本記事では化粧品OEMがなぜ売れないのか、その主な原因と売れるためのコツや成功ポイントについて解説しています。また、化粧品市場の成長とともにOEMの利用がどのように変わってきたのか、その背景や市場の最新トレンドについても深く掘り下げています。化粧品ブランドを持ちたい方、または既存のブランドをさらに拡大させたい方にとって、おすすめです。

ECタイムズ 化粧品 OEM 

化粧品のOEM製造とは?

化粧品業界は、常に進化し続ける市場の一つです。はやりのアイテムが矢継ぎ早に登場する中、新しいブランドや商品を立ち上げるには、戦略が必要となります。そのようななか、多くのブランドが採用しているのが「化粧品OEM」です。

OEMは「Original Equipment Manufacturer」の略で、元々は製造業の用語として使われていました。ある会社が別の会社に製品の製造を依頼し、その製品に自社ブランドの名前を付けて販売する方法を指します。化粧品業界でのOEMは、企業が自社のブランド名で化粧品を販売するために、専門の製造業者に製品を作ってもらうという手法です。

商品が生まれるまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 企画:お客さま(編注:OEMの依頼企業)のコンセプトに合わせて、適切な原料を選びます(編注:専門の製造業者が)。
  2. 提案:そのコンセプトに基づいて、商品を提案します。
  3. 試作:提案された商品に対して、お客さまからの要望に基づいて試作品を作成します。
  4. 処方決定:試作品の処方がお客さまによって決定されます。
  5. 見積:製造コストを計算し、お客さまに見積もりを提出します。
  6. 受注:見積もりが承認された後、正式な注文が行われます。
  7. 製造:注文に基づいて、製品の製造が始まります。
  8. 納品:製品が完成したら、お客さまの指定した場所に納品されます。

この流れを通じて、お客さまの希望に合わせた化粧品が作られ、市場に供給されるのです。

出典:株式会社OEM「OEMとは」

OEMを活用して製造した商品が消費者にわたるまでのイメージ
OEMを活用して製造した商品が消費者にわたるまでのイメージ

たとえば、美容に関する新しいアイデアや画期的なデザインがある場合を想定します。アイデアやデザイン案はあるが、自社での生産設備や技術がない場合、化粧品OEMを利用することで形にすることが可能になります。これにより多くの企業が素早く、そして効率的に市場に新しい商品を投入できるようになっています。

この化粧品OEMを活用することで、迅速にビジネスを展開することが可能となります。しかし正しい知識と方法でOEMを利用しなければ、成功の機会を逃してしまうこともあります。そこで、この項目では化粧品を利用する人の割合と化粧品OEMの需要がどれだけあるのかをデータを参考にしながら解説します。

化粧品市場は拡大傾向。注目エリアはアジア圏

富士経済によると、2022年の国内化粧品市場は前年比2.6%増の2兆9134億円と見込まれています。2022年の基礎化粧品の市場規模は1兆9,109億円で、前年から6.6%増加しています。

アイテム別では「日焼け止め」が198億円増、次いで「美容液」が171億円増です。伸び率が最も高かったのは「リップケア」で、26%増となっています。

男女別の市場規模では、女性が1兆5164億円、男性が3945億円です。2021年度と比較すると、女性は3%増、男性は24%増と、男性の伸び率が大きいことがわかりました。

上記からもわかるように近年、化粧品市場は拡大傾向にあり、多様な要因が起因しています。特にアジア圏において、この市場の成長は急速だと言えます。それでは、なぜこんなにも化粧品の利用が増えているのでしょうか。

化粧品を利用する人の割合が増える要因として、以下が関係していると考えられます。

  • 社会的な要因
  • 経済的要因
  • 技術的要因
  • 文化的要因
  • 健康との関連

社会的な要因

SNSやYouTubeなどのデジタルプラットフォームにおける美容関連のコンテンツが爆発的に増えてきたことで、男女問わず多くの人々が美容やメイクに興味を持つようになりました。これにより、日常のなかで化粧品を使用する人々が増加しています。

経済的要因

アジア圏における経済成長は、中産階級の増加を意味します。これにより、余裕のある消費が可能となり、化粧品に関する投資も増加しています。

技術的要因

近年の化粧品の技術進化は驚異的であり、アンチエイジングやUVカットなど、より効果的な製品が次々と市場に登場しています。これにより、一般の消費者も高品質な製品を求めるようになりました。

文化的要因

アジア諸国では美白や若々しい肌を求める文化があり、それが化粧品利用の促進につながっています。また、化粧品に関するアンケート調査によると、スキンケアを行っている人は全体の6割弱で、女性は9割強です。男性では、10~30代が各5割弱、40代が4割弱、50~70代が各3割前後と年代差がみられます。

健康との関連

スキンケア製品は、単に美しい肌を追求するためだけのものではありません。皮膚は私たちの体のバリアであり、日常のストレス、環境汚染、紫外線などさまざまな外部要因から体を守る役割を果たしています。そのため皮膚の健康を維持することは、全体的な健康を維持するためにも非常に重要です。

これらの要因を考慮すると、化粧品市場の拡大はこれからも続くと予想されます。

中国市場は顕著な伸び

経済産業省が出しているデータを見ると、2020年は新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの産業が打撃を受けていることがわかります。特に化粧品産業は大きな影響を受け、売り上げが大幅に減少しました。2020年の化粧品の出荷額は、前年と比較して大きく落ち込み2014年の水準にまで戻ってしまいました。訪日外国人の消費が大きく減少したことが、売上減少の主な要因としてあげられます。

このような状況でも、化粧品の輸出額は増加傾向にあります。特に、中国市場での売り上げの伸びがあげられます。

3大化粧品メーカー、資生堂、花王、そしてコーセーの売り上げを見ると、全てのメーカーで中国市場における売上が前年比で増加しています。これは中国市場がコロナ禍からの経済回復を早期に達成していること、そして中国の中産階級の増加とその購買力の増強が背景にあると考えられます。

品目別の動向を詳しく見ると、口紅やアイメークアップなどのメイク用化粧品の出荷は大幅に減少しています。特にマスクの使用が一般的となったことで、口紅の需要が大きく減少したと考えられます。一方で、洗顔料やスキンケア製品、クリーム製品の輸出数量は増加しています。これは自宅でのスキンケアへの関心の高まりや、健康的な肌を保つことへの意識の高まりが背景にあるでしょう。

中国における化粧品の需要は、今後も増加すると予測されます。日本の化粧品メーカーはこの機会を捉え、中国市場への展開をさらに進めるかもしれません。アジアの消費者は品質や信頼性を重視しており、日本の化粧品が持つ高い品質や技術力は、アジア市場での大きな競争力となるでしょう。

OEMの需要が高まる4つの要因

‍化粧品の市場が拡大するなかで、新しいブランドや企業が独自の製品を市場に供給するための方法として、OEMは非常に有効な選択肢として位置付けられています。以下は、化粧品OEMの需要が高まる要因です。

  • 資本投資の軽減
  • 品質管理の確保
  • 市場の動向に迅速に対応
  • リスクの軽減

資本投資の軽減

製造設備を新たに設けることなく、高品質な製品を市場に供給することができるため、新規参入のハードルが下がります。

品質管理の確保

経験豊富なOEMメーカーは、高品質な製品の製造を保証する品質管理体制を持っています。これにより、エンドユーザーへの信頼を確保することができます。

市場の動向に迅速に対応

既存の製造設備とノウハウを活用して製品を製造するため、製品の市場投入までの時間を大幅に短縮することができます。そのため、市場の変化や消費者の要望に迅速に対応した製品開発が可能となります。

リスクの軽減

製品の品質や製造過程に関するリスクは、OEMメーカーに委ねられるため、ブランド側のリスクが軽減されます。

これらの利点を活かして、多くの新しいブランドや企業がOEMを利用し、市場に独自の製品を投入しています。

OEMの活用によって得られる4つのメリット
OEMの活用によって得られる4つのメリット

OEM製造した商品が売れないときの5つの理由

化粧品業界のOEMビジネスは大きなチャンスを秘めている一方で、多くのブランドや事業者が売上の伸び悩みを経験しています。そこには化粧品OEM特有の課題が存在します。特に、化粧品OEMの過程で、サンプルフィードバックは重要な工程であり「感覚のすれ違い」が売り上げの障壁となることがあります。

1回の試作品製作には、一般的に約2~3週間必要です。これを何度も繰り返すと大きな時間のロスとなり「商品の発売が遅延し商機を逃す」といった、最悪の事態にもつながりかねません。以下では、化粧品OEMを利用して失敗した具体的な事例を紹介します。

事例①

化粧水のサンプルに対する「保湿力をあげてください」というフィードバックに対し、粘度を上げる改良を行ったが、お客さまの求めていたのは「オイル感を高めたかった」ということが後から判明した。

事例②

クリームのサンプルに対する「保湿力をあげてください」というフィードバックに対して、オイルリッチに処方改良を行ったが、お客さまが求めていたのは「より硬いテクスチャー」であった。

【対処法】

感覚を項目に分けて、さらに数値化することによって感覚のブレを少なくした。この方法をサンプルフィードバック時から実施することによって、とりまとめも楽になり方向性も定まりやすくなった。そしてOEM側にフィードバックする際も正しく明確に伝わり、無駄なやりとりを省くことができる。

出典:通販ビジネスステーション【化粧品OEM】サンプルフィードバックで失敗しない方法

‍これらの事例から、化粧品OEMにはいくつかの共通の問題点が浮かび上がるでしょう。ここでは化粧品OEMでの成功を阻む主な5つの原因を詳しく解説し、それぞれの問題への対処法を提案します。これらのポイントを把握し適切な戦略を立てることで、OEMビジネスの成功への道を切り開くことができます。

理由1:ターゲットの選定があいまい

成功する製品やサービスには、明確なターゲット層が不可欠です。ターゲットとは、製品を購入・利用する主要な顧客層のこと。

たとえば若者向けの化粧品と中高年をターゲットとしたアンチエイジング製品は、そのアピールのポイントや成分、ブランドメッセージが異なります。

ターゲットが曖昧なまま製品開発やマーケティングを行うと、その製品の位置づけが不明確となり、結果的に多くの顧客層に伝わりづらくなります。消費者は何のための製品なのか、自分に合っているのかがわからなくなってしまいます。明確なターゲット設定があることで、効果的なキーワード選定やコンテンツ戦略が立てやすくなります

理由2:競合調査がされていない

化粧品市場は、多くのブランドや製品で溢れています。自社の製品がどのような位置づけで、どんな特徴やメリットを持っているのかを知るためには、競合との比較が欠かせません。競合製品との差別化ポイントを明確にすることで、消費者に選ばれる理由を強化できます。また、競合が狙っているキーワードやコンテンツを知ることで、差別化したアプローチや新しいキーワードの発見が可能となります。

理由3:OEMの知識が不足している

化粧品OEMは、特定のブランドのために別のメーカーが製造するビジネスモデル。このモデルには、通常の製造業とは異なる流れやノウハウが求められます。OEMの特性や、成功するための戦略を理解しないままビジネスを進めると、意図しないトラブルや非効率が生じるリスクが高まります。また、製品の品質管理やコストの最適化、納期管理など、OEM特有の課題に対する知識や解決するための手段も必要となります。

理由4:マーケティング施策が不十分

高品質な製品を持っていても、それを効果的に市場に伝える能力が不足していると、製品は十分に売れません。今日の消費者は情報をインターネットで探す傾向があり、SEOやSNSマーケティングの重要性は高まっています

総務省の「通信利用動向調査」によると、2020年における個人の年齢階層別インターネット利用率は、13歳~59歳までの各階層で9割を超えています。また、所属世帯年収別インターネット利用率は、400万円以上の各階層で8割を超えていることがわかります。この世代はSNSのアクティブユーザーであり、この世代にアプローチするためのSNSマーケティングは不可欠です。

製品の特徴やメリットを効果的に伝えるためのコンテンツ作成、正確なターゲット層へのリーチ戦略、ブランドの認知を高めるプロモーションなど、多岐にわたるマーケティング施策が必要です。

理由5:サポートが不十分なOEMメーカーに依頼してしまった

OEMメーカーの選択は、製品の品質や供給の安定性に大きく影響します。サポートが不十分で品質管理が不安定な質の低いメーカーとの提携は、製品の不具合や供給遅延などのリスクを高める可能性があります。メーカー選びは慎重に行い、信頼性や実績を重視して選択することが長期的なビジネスの成功につながります。

知っておきたい! 化粧品OEMのデメリット

OEMでの化粧品生産は多くのブランドにとって魅力的な選択肢となっていますが、その一方で顕在化するデメリットも無視できません。デメリットを理解して、適切に対処することで事業の持続的な成長とブランド価値の向上をめざしましょう。

ブランドイメージが固まりにくい

OEMの大きな特徴として、製品の独自性が低い点があげられます。多くのブランドが同じメーカーから製品を仕入れるため、似たような製品が市場にあふれることとなります。これが原因で、消費者の目から見ても、特定のブランドの製品が他の製品と大きく異なるわけではないという認識を持たれがちです。そのため、強固なブランドイメージを築くのが難しいというデメリットがあります。

ブランドの個性や独自性を明確に打ち出す戦略が必要となります。たとえば特定の成分や製造過程、ブランドの背景ストーリーなどを強調することで消費者に印象深いイメージを植え付けることができます。

市場を充分に理解していないと成長しづらい

OEMを利用する場合、製品の製造や開発に関与する部分が少なくなりますが、その分、市場の動向や消費者のニーズを深く理解することが求められます。市場の変化に素早く対応できなければ、競合に差をつけられるリスクが高まります。

OEMで成功するためには、市場のトレンドを常にキャッチし、消費者の声に耳を傾ける姿勢が不可欠です。市場調査を定期的に実施し、消費者の声を直接取り入れる取り組みを強化しましょう。リアルタイムでのフィードバックを活用して、市場のニーズに迅速に対応することが成長の鍵です。

魅力的な商品企画を立てるのが難しい

OEM製品は基本的には他の企業やブランドと同じ仕様の製品となります。そのため、消費者に対して独自の価値提案を行うことが難しいと言われることが多いです。しかし、成功するためには、他のブランドと差別化を図るための独自のプロモーションやマーケティング戦略を立案することが必要です。

たとえば、限定パッケージの提案や特定のキャンペーン期間中の特典付き販売など、小さなアイデアから始めて消費者の反応を確認しながら展開してOEM製品に独自の付加価値を持たせるようにすることが効果的です。

化粧品をOEMで製造する場合のデメリット
化粧品をOEMで製造する場合のデメリット

化粧品OEMを行うメリット4点

化粧品産業は絶えず進化しており、新しいブランドや製品が日々市場に登場しています。その中で、新規参入者や既存のブランドが市場への迅速な投入やコスト削減を実現する方法としてOEMを選択する方が増えています。OEMには専門知識や設備の不要性、ライセンス取得の手間の省略、在庫リスクの軽減など数多くのメリットがあります。以下ではこれらのメリットを詳しく解説し、化粧品ビジネスにおけるOEMの有用性を明らかにします。

メリット1:専門知識が不要

化粧品の製造は、専門的な知識や技術を要求される分野です。素材の選択から製造過程、保存方法まで、詳細なスキルが求められます。OEMを選択すると、これらの専門知識を持つメーカーが製造を担当するため、ブランドオーナーとしてはマーケティングやブランド戦略に集中することができます

メリット2:設備が不要

化粧品の製造には、高度な設備や研究施設が必要です。自社でこれらの設備を用意することは、莫大な初期投資を必要としリスクも伴います。OEMを利用すれば、設備投資なしで化粧品の製造を委託することができます。これにより、ブランドオーナーは資金をマーケティングや研究開発などの他の重要な部分に投じることが可能となります。

メリット3:製造販売のライセンスが不要

化粧品を製造・販売するためには、各国の法律や規制に従ったライセンスが必要です。これらのライセンス取得は時間とコストがかかるため、新規参入の障壁となることが多いです。しかし、OEMメーカーはすでにこれらのライセンスを持っていることが多いため、ブランドオーナーはライセンス取得の手間や費用を気にせずにビジネスを進めることができます

メリット4:在庫を抱えるリスクがない

製品の在庫を大量に抱えることは、キャッシュフローや経営のリスクとなります。特にトレンドや需要が変動する化粧品業界では、過剰な在庫は大きな損失を生む可能性があります。OEMを利用すると生産量を市場の需要に応じて柔軟に調整することができ、無駄な在庫を持つリスクを大幅に低減できます。この柔軟性は迅速な市場対応とコスト削減の大きなメリットとなります。

OEMで売れる製品を作るためのポイント

現代の化粧品市場は、技術進化と消費者の多様なニーズによって絶えず変化しています。新しいブランドが次々と登場し、大手ブランドも新しい製品や戦略を打ち出して消費者の心をつかむ戦いを繰り広げています。

激戦区である化粧品業界で、成功する製品を市場に投入するかは多くの企業にとっての大きな課題です。ここでは化粧品OEMを利用して、売れる製品を市場に投入するためのポイントを詳しく紹介します。多くの企業が陥りがちな失敗を避け、成功への道を歩むための実践的なアドバイスを提供します。

OEMメーカーと協力体制を築く

化粧品のOEMメーカーを選ぶ際は、多くのポイントを考慮する必要があります。まず、OEMメーカーは自社で工場を持っている場合と、持っていない「ファブレス」タイプのメーカーが存在します。ファブレスメーカーは、商品の企画や処方設計に特化しており、製造は外部の工場に委託することが多いです。自社で工場を持つメーカーは製造に関する問題が発生した際の対応が迅速であるというメリットがあります。

次にメーカーが得意とする製品の種類や、その技術力や提案力も重要な選定基準となります。自社に商品開発の経験がない場合、メーカーの提案力やサポート力が求められます。製造したい商品のロット数と、メーカーの製造キャパシティが合致しているかも確認が必要です。

OEMメーカーの種別
OEMメーカーの種別

化粧品OEMの成功の鍵は、OEMメーカーとの協力体制のもとでのスムーズな製品開発にあります。OEMメーカーは製造のプロフェッショナルであり、その技術やノウハウは製品の品質や安全性を保証する上で不可欠です。そのため、良好な関係を築くことで迅速なサポートやフィードバックを受け取ることが可能になります。

OEMメーカーとの信頼関係を深めることで、市場投入までの時間を短縮したり、製品の改良提案を受け入れやすくなります。また、継続的な取引を通じて製造コストの削減や量産時のスムーズな対応を期待できます。このように、信頼できるOEMメーカーとの関係は化粧品業界での成功を大きく左右する要因となります。市場で成功を収めるためには、OEMメーカーとのコミュニケーションを大切にし、お互いのニーズや要望を共有し合うことが重要です。

企画・コンセプトをしっかり考える

化粧品の市場は競争が激しく、多くの製品が消費者の目の前に並んでいます。この中で注目され、選ばれる製品には独自の価値や特徴が必要です。そのため、企画やコンセプトの段階で市場のニーズを捉え、差別化を図ることが必要です。

消費者のライフスタイルや価値観が変化するなか、トレンドを把握し、その上で独自のアプローチを取り入れることで、競合他社との差をつけることができます。たとえば、天然成分を使用したオーガニック化粧品や、エコフレンドリーなパッケージを取り入れた製品など、独自のコンセプトやストーリーを持つ製品は、消費者の関心を引き付けるポイントとなります。

市場での成功をめざす企業やブランドは、化粧品の企画やコンセプトを練り上げる際に、消費者の声を取り入れたり、トレンドリサーチを徹底的に行うことで、市場ニーズに合致した製品を開発することが求められます

注意しておきたい「販売チャネル」「集客策」

化粧品の市場は日々変化しており、正しい方法で製品を販売することが求められます。成功するためには、どこで販売するかという「販売チャネル」の選択と、製品を多くの人に知ってもらうための「集客策」が非常に重要です。製品の特徴やお客様の好みに合わせて、最適な場所や方法を選ぶ必要があります。

適切な販売チャネルの選択

化粧品の販売にはさまざまなチャネルが存在します。デパートのカウンター、専門店、オンラインショップなど、選択肢は豊富です。重要なのは、製品の特性や目標とするターゲット層に合わせたチャネルを選択することです。

たとえば、若い世代をターゲットとする場合、SNSやオンラインショップが効果的です。一方、高級感を求める消費者をターゲットとするなら、デパートのカウンターなどが適しています。

チャネル選択の際には、製品の位置付けやブランドイメージを明確にし、それに合った販売先を選ぶことが大切です。間違ったチャネルを選ぶと、製品の魅力が十分に伝わらないリスクがありますので注意が必要です。

集客に力を入れる

製品を知ってもらうためには、効果的な集客策が不可欠です。現代はデジタルマーケティングが主流となっており、オンライン広告やSNSマーケティングを駆使して、多くの消費者に製品を知ってもらうことが求められます。

オンライン広告では、ターゲットとなる消費者の属性や興味に合わせて広告を配信することで、興味を引き付けることができます。また、SNSマーケティングを活用することでリアルタイムな情報提供や製品の魅力を伝えるコンテンツをシェアすることが可能です。

重要なのは、単に広告を出すだけでなく消費者とのコミュニケーションを大切にすること。コメントやフィードバックに対して迅速に応答することで、消費者との信頼関係を築き上げることができます。

集客策を考える際には、ターゲットとする消費者のライフスタイルや情報収集の傾向を考慮し、適切な手段を選択することが大切です。

製造した商品を販売するときに気を付けたいポイント
製造した商品を販売するときに気を付けたいポイント
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化粧品の世界は日々進化しており、市場は急拡大しています。その中で化粧品OEMはその効果的な手段として注目を集めています。OEMを利用すれば専門的な知識や高額な設備投資なしで、自分のブランドの化粧品を手軽に市場に出すことができます。

確かにOEMにはブランドイメージの固定が難しいといったデメリットが指摘されることもありますが、これらの課題をうまくクリアする戦略や方法が存在します。そして、その戦略を取り入れることでOEMは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

OEMの最大の利点は、迅速に市場に参入できることです。自社での製造には多くのハードルがありますが、OEMを利用すれば、信頼性のあるメーカーの力を借りて、高品質な製品を提供できます。また、独自のプロモーションやマーケティング戦略を取り入れることで、市場での差別化も実現可能です。

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