ネットショップがECサイト上で消費者に最適な商品を提案する“接客”を行うには、商品知識の提供のほか、「ユーザー情報」を知ることが重要です。「会員登録していれば別だが、どうやって知るのか?」「会員登録外の顧客情報なんかわかりっこない」と思うネットショップも多いことでしょう。でも「ユーザー情報」は知ることができるんです。今回は「ユーザー情報」の重要性と、それを効果的に取得するための方法に触れてみます。

“接客”を実現するための重要な要素は「検索条件」

本当の“接客”を実現するために、ECサイトはユーザーが不満を抱えることがないよう、なるべく多くの「ユーザー情報」を得る必要があります。そのために使える情報はいろいろありますよね。

  • 購買履歴・閲覧履歴などの行動履歴
  • サイトに流入した際の広告などのリファラ情報
  • 会員登録情報
  • 購買情報

などなど、たくさんありますが、そのなかで特に有効なのがECサイト上での検索条件なのです。それはなぜでしょう?

商品検索をしているときは、ユーザー自ら「こういった条件に沿う商品を見せてほしい」といった意思表示をしているんです。

ユーザーが自ら進んで個人の意思を提供してくれているのですから。最も濃い「ユーザー情報」を知れる、数少ない、もしかしたら最大のチャンスなんです。

検索キーワード、価格の範囲、新着順、人気順といった表示結果の並び替え条件、商品カテゴリなど、ユーザーが求めているさまざまな「その時の旬な情報」を教えてもらうことができるのですから

ユーザーは、自分自身についての情報を提供することにあまり積極的ではありません。実際の店舗でも、接客を望んでいないときは、それを歓迎しない人は多いのですよね。たとえば、ECサイトで「まず買物をする前にあなたについて詳しく教えて下さい」といったアンケートがあったら、離脱率は高くなってしまいます。

ECサイトでユーザーと商品を精度高くマッチングを実現することが、ネットショップの“接客”の1つです。そのためにも、商品に関する充分な知識と「ユーザー情報」が求められるのです

前回コラムで記載した商品情報のと同様に重要な、「ユーザー情報」を得るためのちょっとした工夫などに言及していきましょう。

「ユーザー情報」を取得するにはコストのかからないサイト内検索が有利

実店舗の場合、「いまどのような商品を買おうとしているか」といった情報、つまり「ユーザーに関する知識」は接客時の会話で入手します。これをネットショップに置き換えてみます。

ECサイトにおける検索条件の入力と検索結果の表示は、会話ではありませんが、バーチャルの世界を通じたユーザーとサイトの「対話」であると言えます。

商品検索というのは、あるキーワードの入力がユーザー知識の獲得であり、出力(検索結果の表示)がユーザーと商品のマッチング提案なのです。

ここで質問です。

あなたのネットショップでは、商品検索窓はどの位置に設置していますか?

まだまだ多くのECサイトでは、商品検索がサイトの隅っこの方に、申し訳程度でキーワードを入力するボックス置いてあるだけ、というケースが見られるのが現状です。これって、接客=ユーザーとの対話、を放棄しているようなものです。

連第1回で触れた「ナビゲーション」は店舗における陳列のようなものです。店舗では陳列と接客が両方とも重要なのですが、それはネットショップにおいても同様で、ナビゲーションと検索が重要になるのです。しかも、「ユーザーに関する知識」を得るという点では、検索の方が圧倒的に有利です。

ECの場合、ナビゲーションに対して検索を利用するユーザーが増えてもコストが大幅にかさむということはありません。ユーザーに関する知識を得るのに、コストが(あまり)かからないのですから、これは積極的に利用すべきですよね。

なぜ、多くのサイトで「サイト内検索」が軽視されているのかを説明していきましょう。

やはり「どうやって検索で接客を実現すればいいのかわからない」という理由が1番にあげられます。良いナビゲーションの作成はセンスは必要ですが、技術的な知識はあまり必要ではありません。

ところが商品検索はエンジニアリングなしでは実現できません。それを自社で開発するか、もしくは、いまでは多くのサイト内検索ツールがありますので、自社にあったツールの導入をお勧めします。

いずれにしてもユーザーと商品の良いマッチングをするには、ユーザーに関する知識は欠かせません。そのためには、“検索”という対話のインターフェースは大変重要なのです。

重要なのは「マッチングロジック」と「タイミング」

今回のまとめです。「商品知識」をサイトにきちんと反映し、仮にユーザーに関する知識も得られた場合、あとなにが必要となるのでしょうか?

まず大事なのが、その2つの知識に基づいたマッチングのロジックです。商品知識もユーザーに関する知識も、所詮マッチングをするための情報に過ぎません。この情報を活用するための仕組み、すなわち優れた“マッチングロジック”なしには、宝の持ち腐れになってしまいます。

もう1つ大事なのがマッチングのタイミングです。いくら良いマッチングが実現できても、そのマッチング結果の表示がタイミングを外すと、なかなか購買にはつながりません

◇◇◇

次回コラムでは、「マッチングロジック」「タイミング」について考察してきます。

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山崎 徳之

ZETA株式会社

山崎 徳之(やまざき・のりゆき)
株式会社ゼロスタート 代表取締役社長

青山学院大学卒業後、アスキー、So-netなどでネットワーク・サーバエンジニアを経験。オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)のデータホテルを構築・運営の後、海外においてVoIPベンチャーを創業。2006年6月に株式会社ゼロスタートコミュニケーションズ(現株式会社ゼロスタート)を設立、代表取締役就任(現任)。ECソリューションの「ZERO ZONE」シリーズとして検索エンジンやレコメンドエンジンを開発・販売している。

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