山崎 徳之 2014/11/28 7:00

ECに限らず、商売の本質というのはお客さんと商品のマッチングです。買っても良いと思う商品としかるべきタイミングでお客さんと商品が出会えれば、そこで商売が成立します。このマッチングが増えれば売り上げも伸び、お客さんも増加していきます。お客さんと商品のマッチングをいかに効率的に行い、マッチング機会を増やしていくのか。こんな通販・EC企業が抱える悩みを解決します。

「ECの大衆化」が進み「接客力」がECサイトでは重要になってくる

実店舗で例えると接客を通じた動的な商品マッチングについて解説します。その前に、まずはECの現状について少し説明を。どのような商品マッチングが適切かを考えるには、その背景(境界条件と言ってもよいですが)を理解しないことには始まりません。

日本のEC化率はまだ3%程度と言われています。つまりECはまだまだ「ごく一部」の消費にしか利用されていません。とは言え、毎年成長し続けている成長産業。まだまだこれからも成長していく市場です。

その大きな要因として、スマートフォンの普及が上げられます。スマートフォンの普及でECを使うユーザーの裾野が拡大。以前はパソコンを持っていなかったのでECで買い物はしていなかったが、スマートフォンを使い始めてECで買い物をするようになるユーザーが増えると予測されます。

これはつまり、ECの大衆化です。ガジェットやネットが大好きな一部の新しいもの好きユーザーの利用ツールから、みんなが使うインフラになってきているということでしょう。

そうなるとECの置かれる状況、これから進化すべき方向というのも変わってきます。

例えば、古くからECを使っていたユーザーというのは、店舗で買い物するときにも自分で商品を探して品定めし、店員の助け(専門知識など)が必要なときに店員に接触するようなお客さん。

そして新しくECを使い始めるユーザーは、とりあえず店員に相談するようなイメージです。全てではないですが、ユーザーのトレンド(傾向)としてはそのような方向性があるでしょう。

ECにおける取り扱い商品も、食品や生活用品の比率が相対的には増えていくのではないでしょうか。それがすなわち、「ECの大衆化」ということになります。

店舗の店員のような接客がレコメンドに求められる時代になる

ECが大衆化すると、ECサイトにおける商品検索とレコメンドの役割は、より重要になってきます。なぜなら、お客さんがより「接客」に依存するようになるためです

レコメンドは元々、接客的な要素を持っています。一報の検索はこれまで「ツール」のような存在でした。書店における検索端末のようなものです。ところがこれからの検索には、店舗における店員としての役割が求められていきます。レコメンドはそこに吸収・統合されていくことでしょう。

リアルな店舗における商品マッチングとは、主に陳列と接客です。陳列は静的な商品マッチング、接客は動的な商品マッチングであるといえます。

陳列というのはお客さんの情報が反映されていない、売り手側(店舗側)の意思だけで決められる商品マッチングなのに対し、接客というのはお客さんの情報、例えば会話や過去の購入履歴、身なりや年齢、性別などによって変化する商品マッチングなのです。

ECにおける商品マッチングも店舗と同様に、静的か動的かに分けることができます。例えば初めて来訪したユーザー(お客さん)に表示する内容は、店舗における商品陳列のようなものです。

ただECの場合には、この静的か動的かの比率がショップによって異なります

Amazonのように、ユーザーの同定ができてないケースであれば静的な商品表示をしても、それ以外ではほぼユーザー毎に変化する商品群が表示されるような、ほぼ動的に商品マッチングが行われるようなショップもあります。

いつ誰がアクセスしてもそのときオススメの商品を表示するようなショップもあります。例えばお取り寄せ系のショップなどはそういった傾向が高いのではないでしょうか。誰に対しても、そこの特産品や名品をオススメしてくる、すなわち静的な商品マッチングです。

今回の連載では、静的な商品マッチングについては取り上げず、主に動的な商品マッチングを対象として解説していきます。店舗において接客が果たす役割をどうEC上で実現していくのかが主なトピックです。

EC上での動的な商品マッチングでは長いので、EC上での接客という表現をすることもありますが、ご了承ください。

次回はECにおける店員としての機能について、具体的に考えてみたいと思います。

◇◇◇

今回から全10回でECサイトにおける商品マッチングについて検索・レコメンドが果たす役割について、連載いたします。よろしくお願いします。 

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