EC商品の返品・交換はロイヤル顧客を生むチャンス? 「返品率の変化」「返品率が高いカテゴリー」など調査結果まとめ
購入体験プラットフォーム「Recustomer(リカスタマー)」を提供するRecustomerが公開した「2023年度 ECサイトの返品・交換データ調査レポート」によると、返品客の多くが最終的には商品購入につながっていることがわかった。Recustomerは「返品・交換を顧客とのタッチポイントと捉え、売上向上へつなげていくことが重要となる」と指摘している。
調査はアパレル、靴・スニーカー、家具家電・生活雑貨・インテリア、スポーツウェア・アウトドア用品などを対象に実施。各業界の出荷数に対する返品リクエスト(買い物客が購入した商品を、返金もしくは交換への希望を行う問い合わせ)件数の割合を調査した。返品リクエストのうち、交換対応と返金対応の割合を算出し、各業界の返品の傾向を分析した。
業界全体の返品率
全体の返品率は6.61%で、2022年度調査から2.2ポイント上昇した。
アンダーウェア・下着の返品率
調査対象のうち、アンダーウェア・下着の返品率は15.1%で、最も返品率が高かった。
特に女性用ブラジャーはサイズ感が重要視されるため、ECサイトでの購入において不安が大きい傾向にある。Recustomerは、返品率が高い理由として「購入時の不安を払拭するため、サイズ交換無料や返品無料などの施策を実施している事業者が多い事が考えられる」と指摘している。
返品リクエスト受け付け後、交換対応した割合は41.1%、返金対応した割合は58.9%だった。アンダーウェア・下着では、最終的に購入につながっているケースが4割超にのぼるようだ。
アパレルの「返品リクエスト件数の多い月」と「返品理由」
調査では「返品リクエスト件数の多い月」も調べた。アパレル業界では、最も返品リクエスト件数が多い月は10月、次に多いのは3月だった。最も少ない月は1月。
また、業界別に、全返品リクエストに対して顧客都合の返品(サイズ違いやイメージ違いなどの、顧客都合による返金・交換)の割合、自社都合の返品(不良品や誤った商品の配送などの、自社都合による返金・交換)の割合を算出した。アパレルでは、顧客都合の返品は88.4%、自社都合の返品は11.6%。
返品ポリシーで顧客都合の返品リクエストを受け付けている事業者の割合
返品ポリシーで、顧客都合による返品リクエストを受け付けている事業者の割合を調査したところ、全体では68.3%で2022年調査から12.1ポイント上昇した。
アパレル業界では63.5%で2022年調査から4.2ポイント上昇。顧客都合の返品を受ける事業者の割合の上昇と比例して、返品率も上昇していると見られる。
調査概要
- 調査方法:「Recustomer」内データにおける自主調査
- 調査期間:2022年11月1日~2023年10月31日
- 対象ブランド:「Recustomer」導入企業