「通販・EC分野のサイレントカスタマーの割合」「顧客のクレーム行動とロイヤルティの関係性」など顧客動向調査まとめ
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、「顧客のクレーム行動とNPSの関係性分析レポート」を発表した。
不満を感じたことがある業界、3位にネットスーパー
レポートの対象となった業界は、①通販化粧品②アパレルEC③ネットスーパー④動画配信サービス⑤プレステージ化粧品⑥銀行⑦生命保険⑧代理店型自動車保険⑨ダイレクト型自動車保険⑩対面証券⑪ネット証券⑫クレジットカード⑬QRコード決済⑭電力⑮都市ガス⑯MVNO・サブブランド⑰セキュリティソフト――の17業界。
現在契約や利用をしている会社・サービスに対して、何らかの不満を感じたことがあるかを聞いたところ、17業界の平均で21.0%が「不満を感じたことがある」と回答。業界別に見ると、不満を感じたことがある割合が最も高いのは「対面証券」(37.2%)で、次いで「動画配信サービス」(32.6%)、「ネットスーパー」(31.2%)だった。
「苦情が合っても黙っている」人、通販・ECでは少ない傾向
不満を感じたことがある人に、その会社やサービスに対して苦情を伝えたことがあるかを聞いたところ、不満あっても苦情を伝えなかった人(サイレントカスタマー)が全体の79.9%を占めた。
業界別に見ると、サイレントカスタマーは「QRコード決済」(87.3%)が最も割合が高い。通販・EC分野では、「通販化粧品」(78.5%)、「アパレルEC」(68.3%)、「ネットスーパー」(70.0%)となっており、サイレントカスタマーは17業界の平均値をいずれも下回っている。
苦情を伝えて問題が解決した人は約半数
企業やサービスに苦情を伝えたことがある人に対して、問題が解決したかどうかを調査したところ、「問題が解決した」と回答した割合は平均で50.6%だった。
業界別で、問題解決率が最も高いのは「プレステージ化粧品」(74.6%)。次いで「ネットスーパー」(60.9%)、「セキュリティソフト」(57.3%)となっている。
通販・EC業界ではネットスーパーが最も高く、次に「アパレルEC」(54.7%)、「通販化粧品」(51.9%)。
「サイレントカスタマー」「苦情を述べたが問題が解決しなかった人」はロイヤルティが低い
企業やサービスに対する不満とクレーム行動別に顧客ロイヤルティ(NPS)を分析したところ、「不満に思うことがあったが、苦情は言っていない」「不満に思うことがあり、苦情を述べたが、問題は解決しなかった」といったユーザーは、「特に不満に思うことはなかった」人と比較してロイヤルティが低い傾向だった。
一方、「不満に思うことがあり、苦情を述べたところ、問題が解決した」という人は、「特に不満に思うことはなかった」という人と同程度にロイヤルティが高かった。
一部の業界では「不満に思うことがあり、苦情を述べたが、問題は解決しなかった」人は「特に不満に思うことはなかった」という人よりもロイヤルティが高くなっている。
調査結果を踏まえて、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは次のように提唱している。
- 不満があっても苦情を言わない顧客が大多数のため、サイレントカスタマーの解約・離反を防ぐための対策が必要
- 顧客が問い合わせをしやすい環境を整えたり、SNSで顧客が発信したメッセージに対し返信するといったサポートや、顧客アンケートから顧客の声を拾い上げ、不満をいち早く察知することが重要
- 苦情を述べても問題が解決できないとロイヤルティの低下につながる。現場レベルでの問い合わせなどへのスピーディな対応や問題解決力を高めるだけでなく、全社的な取り組みとして顧客の不満に対し、スピーディにアクションを打つ仕組みづくりが期待される