アイリスオーヤマが対米投資を拡大、トランプ政権の相互関税措置で米国内生産体制を強化

アイリスオーヤマは4月21日、米国政府による相互関税措置の影響により輸入製品のコスト上昇および供給リスクが顕在化したことを受け、アイリスグループの米国現地法人IRIS USA, Inc.が米国内工場の生産体制強化を目的とした設備投資を決定したと発表した。
IRIS USA, Inc.は1992年の設立で、テキサス工場、アリゾナ工場など4拠点に生産・物流拠点を展開している。主に収納用品やペット用品といったプラスチック製生活用品を米国内で生産・供給。家電製品やハウスウェア製品は、アイリスグループの基幹工場である中国の大連工場を中心に中国国内の複数の自社工場で生産しており、今回の関税措置による影響を大きく受ける分野という。

国際的な環境変化を受けて、IRIS USA, Inc.は米国内における生産・供給体制のさらなる強化、サプライチェーンの強靭化を目的に総額約1300万ドルの追加投資を決定。米国内工場の設備投資を拡大し、米国市場における競争力の維持・向上をめざす。
主な投資内容として、ペンシルベニア工場でのペットシーツの生産ラインを新設。投資金額は約650万ドル、稼働予定は2025年12月としている。米国内での生産体制を構築することで、関税の影響を受けない安定供給体制を実現する。
医療用マスクの生産設備もウィスコンシン工場に新設する。投資金額は約50万ドル、稼働予定は2025年6月。新たにクリーンルームを設置し、既存の生産ラインを改修することで早期立ち上げを実現するという。
医療・衛生分野向け製品の生産・供給体制も強化する。そのほか約600万ドルを投じ全4工場で戦略投資としてプラスチック成型事業を拡大する。金型開発と自動化設備への戦略投資を実施し、輸入依存を抑制し、国内回帰や政策リスクへの柔軟な対応を可能とする生産体制を構築するという。