シニア通販の“雄”ハルメクの「事業領域はブルーオーシャン」。「プレシニア市場」「アクティブシニア市場」を攻める今後の取り組み
シニア通販の“雄”と言われるハルメクホールディングス(HD)は、事業領域としてデジタル中心の「プレシニア(50~64歳)」を拡張していく。既存領域であるアナログ中心の「アクティブシニア(65歳以上)」と共に両事業領域は「ブルーオーシャン」(同社)と位置付けている。2025年3月期決算発表のなかで明らかにした。
月刊誌「ハルメク」や通販事業などを中心とするアクティブシニア×アナログ事業は、基盤事業の収益源として中期的な安定成長をめざす。
プレシニア×デジタル事業は先行投資と位置付け、今後成長させていく計画。2025年1月に「ハルメク365」からリニューアルしたハルメクの月額制Webプラットフォーム「HALMEK up」を軸に、小さな固定費から大きな利益を生む構造を構築していく考え。
「HALMEK up」ではコンテンツや関連講座・イベント、コミュニティ(押し花事業)などを中心に投資。そのほかプレシニア向け物販の検討を進めているという。
中期経営計画における位置付けとしては、アクティブシニア×アナログ事業は今期(2026年3月期)から「収益化フェーズ」に突入したと説明。雑誌「ハルメク」などの情報コンテンツを中核に、通販や実店舗運営などの物販事業、イベントや講座などといったコミュニティ事業を連動。顧客ロイヤリティを高め、商品・サービスの利用率を高めていく。そのほか、M&Aによる成長性の向上を図るとしている。
プレシニア×デジタル事業については、2028年3月期まで先行投資を継続。軸となる「HALMEK up」のコンテンツ拡充や、M&Aによる事業立ち上げを加速する。
ハルメクHDの2025年3月期における売上収益は前期比8.0%増の339億300万円、営業利益は同24.5%増の10億6800万円、税引前利益は同49.7%増の10億2000万円、当期純利益は同31.0%増の6億2300万円だった。
物販では、健康志向に対応した健康サポートインナーやリカバリーウェア、猛暑に対応した涼感インナー、裏起毛の暖かインナーなど多くの商品が好評。そのほか、8月に南海トラフ地震に関する特別な注意の呼びかけが行われたことなどから、防災用品の販売が大きく増えた。年末にはおせち料理の販売が過去最高を更新するなど売り上げが伸長。そのほか広告効率の改善も順調に推移したという。
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