リピートユーザーを獲得できているサイトはどこ? ECサイト訪問頻度ランキング
「データドリブン・マーケティング」などがバズワードとなり、データを収集・分析して活用しようという動きが活発化しています。ネッ担読者のみなさんも、アクセス解析ツールなどを用いて、日々、サイトの訪問者数やCVRなどをモニタリングされているのではないでしょうか。本コラムでは、顕在化した自社サイトユーザーの動向だけでなく、もう一段視野を広げて、業界トレンドや潜在ユーザーのニーズに着目し、特にEC業界人の方に向けて、使える分析データを厳選してご紹介します。
今回は人気ECサイトの訪問者数や訪問回数について集計してみました。インプレス総合研究所の「インターネット通販TOP100 調査報告書2014※」の、「EC売上TOP50」サイトを対象として、2015年9月~11月の3カ月間、各サイトの訪問者数や訪問回数を調査し、訪問頻度ランキングを集計しました。
各サイトへのアクセス数は、株式会社ヴァリューズが保有する、全国の20万人規模のモニター会員の協力により、ユーザー属性情報と実際のネット行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使って調査しました。訪問頻度の高い上位サイトについては、同時期の流入元構成や検索キーワードなども分析しました。
サイト訪問者数、訪問回数はPCからのアクセスを集計し、「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義したものです。
※ 同調査報告書では「BtoC事業を行っている企業を対象とし、BtoBの販売だけを行っている事業者や、デジタルコンテンツ、チケット、宿泊予約、金融商品などを取扱い、物販ではない事業者は除外」されています。そのため楽天市場やYahoo!ショッピングなどは対象サイトに含まれていません。
集客力ではAmazonが他を圧倒
まず、サイト訪問者数のランキングから見てみましょう。1位は、書籍をはじめ家電からファッション、食品まで取り扱う総合モールの「Amazon.co.jp」。訪問者数は2位以下を引き離し、圧倒的な集客力を誇ります。2位は「楽天ブックス」、3位に「ヨドバシカメラ」と続きます。
リピートに強い宅配系、TV通販系のEC
次に、同時期における1人当たりのサイト訪問回数を集計し、ランキングにしてみました。
1位は、訪問者数ランキングと同様に「Amazon.co.jp」で、訪問頻度でも他をよせつけない強さを見せています。商品ジャンルの幅広さと豊富な商品数、スピーディな配達はもちろん、昨年(2015年)は有料会員サービス「アマゾンプライム」(年会費3,900円)にて映画や音楽のコンテンツ配信も展開するなど、会員サービスの拡充がリピートユーザーの獲得にも貢献していると考えられます。
2位、4位、10位には「生協」の宅配系サイトが相次いでランクインしました。1ユーザー当たり週に1回程度は訪問している頻度になり、注文チャネルとしてネット利用が定着している様子がうかがえます。
また、「ジュピターショップチャンネル」や「QVCジャパン」などTV通販との連携があるECサイトも、訪問頻度の上位に入っています。いずれのサイトも『本日だけの特別価格』など、TVでのオンエアに合わせてお買い得な商品が日替わりで登場し、ユーザーがついチェックしたくなるような工夫が凝らされています。
ブックマーク流入や自然検索のキーワードに注目
総合モールや食品ではなく、ファッションやコスメのようなECジャンルでの訪問頻度はどのようになっているでしょうか。カテゴリを「ファッション」と「化粧品」に絞ってランキングにしました。
「ニッセン」「セシール」「ベルメゾンネット」といった老舗のカタログ通販サイトをおさえて、ファッションECでの訪問頻度1位になったのは「ZOZOTOWN」。ZOZOTOWNは流入元を調べてみると、興味深いことがわかりました。次回ご紹介したいと思います。
今回は、様々なサービス展開でリピートユーザーを巧みに獲得しているECサイトをご紹介しました。1人当たりの訪問頻度はECサイトにおいて注目すべきKPIの1つです。気になるサイトの訪問頻度をベンチマークに、ぜひ自社サイトと比較してみてください。
ヴァリューズでは調べたいサイトを自由に設定して、特定期間の訪問者数や訪問回数を簡単にチェックできる無料ツール「【eMark+】FREE版」も提供しています。こちらもぜひご利用ください。