魅力ある広告主になるために、アフィリエイターとしてASPに登録してみよう
ASPの選択が済んだら、いよいよ運用開始の準備に入ります。その前に「アフィリエイターとして」ASPに登録してみてはいかがでしょうか。広告主としてではなくアフィリエイターとしてASPに登録することで、学べることがたくさんあるのです。すでに運用をスタートされている方も、まだアフィリエイターとして登録していないという方は、ぜひ登録してみてください。
アフィリエイターから「どう見えるか」を知る
アフィリエイトで成功するためには、できる限り多くのアフィリエイターと提携関係になることが必要です。より多くのアフィリエイターに選ばれるためには、同業他社より魅力的なプログラムを提供すること。
アフィリエイターとして登録することで、自社の提供しているプログラムが、アフィリエイターからどのように見えるのか確認できます。
ECサイトを運営されているなら、研究のために他社で買い物をしたり、会員になってメルマガを購読したりしている方は多いと思いますが、アフィリエイトでも、アフィリエイターとして活動することで、他の広告主と提携関係になって、その企業が配信しているメルマガを読んだり、成果条件、アフィリエイターに提供している広告素材や、実施中のキャンペーンなどを見たりできます。
まずは、ASPにアフィリエイターとして登録してみましょう。
アフィリエイターとして登録するには、まずは自分で管理しているWebサイトが必要です。Webサイトの他に、住所・氏名・メールアドレスや、アフィリエイト報酬を振り込むための銀行口座などの入力を求められます。
自社のネットショップでも登録は可能ですが、できればアフィリエイターとして活動するつもりで個人ブログを1つ立ち上げてみることをお勧めします。無料ブログで構いませんので、自分で記事を書いてバナー素材を貼れるWebサイトを用意し、興味ある企業に提携申請をしてみるのです。
登録後、すぐに利用可能になるASPもありますが、ほとんどはサイト審査を行います。各社により審査基準があり、基準に満たないとアフィリエイターとして活動することはできません。活動実績を重視するところは、更新が少ない、またはできたばかりのサイトは審査に通らないことがあります。ASPにより異なりますが、目安として10記事ほど更新してから登録するとよいでしょう。
ASPによってはギャンブルやアダルトなど年齢指定のカテゴリーをNGとしていたり、ねずみ講や情報商材などを扱うアフィリエイターをネットワーク内に入れないよう、基準を設けているところもあります。ASP担当者が目視で確認しているので、審査に数日かかる場合もあります。
サイト審査はクリーンなネットワークを保つために行っていることなので、明確な審査基準のあるASPは、広告主にとって安心・安全と言えるでしょう。
アフィリエイトプロモーションを見てみよう
登録が完了すると、アフィリエイター側の管理画面にログインすることができるようになります。
まずは自社と近しいカテゴリーをチェックしましょう。ASPによって表記は変わりますが、「プログラム検索」などのタブをクリックすると、大まかにジャンル分けされた広告主の情報を見ることができます。
カテゴリーを選択し、広告主の一覧を表示して、自社に近しい商材を扱っている企業がどのようなアフィリエイトプロモーションを行っているかを確認しましょう。
プログラム検索は、一部のASPでは有料メニューで上位表示できるところもありますが、基本は上から新着順に表示されています。つまり、最初は上位に表示されていても、新しいプログラムが開始すると、どんどん下に潜っていきます。
広告主としては、プログラムが上位に表示されているうちに、できる限り多くのアフィリエイターの目に留めてもらい、提携を進めていかねばなりません。どんなプログラムが提携されやすいのか、アフィリエイターの視点になってプログラムを見るクセをつけましょう。
管理画面内で見るべき6つのポイント
広告主のプロモーションを一覧で見ることができます。確認すべきポイントは下記の項目です。
- どんな広告主が参加しているか
- プログラム名(プロモーション、広告主名など)はどのように表記しているか
- 【重要】成果条件(報酬率、アフィリエイト報酬、成果報酬など)はどのように設定しているか
- 提携審査(自動承認か、手動承認か)
- プログラム詳細文には、どんな内容を記載しているか
- 広告素材はどのようなものを登録しているか
可能ならすべての項目を確認したいところですが、実際のプログラムの見せ方や成果報酬の設定については別のところで説明します。ここではアフィリエイター視点のポイントに絞ってお伝えします。
①どんな広告主が参加しているか
まずは一覧に表示される企業名を見ておきましょう。他の広告主が、どのようにアフィリエイトプロモーションを展開しているか分かります。思わぬ企業が参加している場合もあるので、自社のカテゴリーはざっとチェックをしておきます。
②プログラム名(プロモーション、広告主名など)はどのように表記しているか
アフィリエイターが検索して最初に見るのがプログラム名です。ASPによって、[ショップ名]や[会社名]に固定されている場合がありますが、キャッチコピーと合わせて表記できることもあります。
固定でない場合は、規定文字数内で、できる限りわかりやすくショップの特徴を伝えると良いでしょう。
③【重要】成果条件(報酬率、アフィリエイト報酬、成果報酬など)はどのように設定しているか
アフィリエイターは稼ぎたくて活動しています。成果報酬が一番のモチベーションであることに変わりはありません。魅力的な報酬であれば、提携を進める上では有利です。他の広告主の成果条件を確認しておきましょう。
もちろん売りやすさ、ブランドの知名度などにも左右されますが、「提携しようか、やめようか」と迷っているアフィリエイターにとって、「このショップを紹介して成果につながったら報酬がいくらもらえるのか」ということは、大きな要素であることに違いはありません。
例えば以下の場合、どれがアフィリエイターにとって魅力あるプログラムだと思いますか?
ショップ名 | プログラムの内容 | 成果条件 |
---|---|---|
A社 | 新メーカーによる無農薬で作ったこだわりのペットフード、1商品のみ取り扱いの単品通販。 | 新規購入30% |
B社 | 品揃え豊富なペット商品全般を取り扱う総合通販サイト。 | 商品購入につき10% |
C社 | ペットフード販売。マスメディアへの露出も多く、芸能人が愛用者として紹介されている。 | 商品購入につき3% |
A社は、1商品のみを扱っているこだわりの単品通販商品を扱う広告主。報酬率は新規購入(初回購入)のみですが、30%と高額なのが魅力です。ですが1商品しかないため、サイト訪問者がそもそも商品を知らない・興味がない場合は、購入に結びつきにくいと言えます。
メーカーとして知名度があり、他媒体に取り上げられるような話題性のある商品であれば、提携数が伸びることが予想されますが、新規店舗や知る人ぞ知るメーカーの場合、送客に工夫が必要と言えます。
B社の報酬率は10%と標準的ですが、総合通販として網羅的に商品を取り扱っており、他商品のついで買いにもつながりやすく、サイトデザインや買いまわりの良さなどによって、ショップ名に認知があれば売りやすいと言えます。
C社の報酬率は一番低めに設定されていますが、「テレビで話題の」「○○さんご愛用」のように、話題性と組み合わせで紹介が可能です。すでに人気がある商品は売りやすいので、報酬が低くても紹介するメリットがあります。
アフィリエイターは話題性、売りやすさなど、さまざまな要素を加味して、多くのプログラムの中から自分のサイトに近しい商材を扱っている広告主を見つけて比較検討し、提携申請をしています。
一概に、報酬だけで選ばれるわけではないことはご理解いただけたと思いますが、同業と並列で紹介されているので、より魅力あるプログラムにして、アフィリエイターに条件を提示する必要があります。実際の報酬設定ついては、今後の連載でフォローしていきます。
すでにアフィリエイトを開始されていて、まだアフィリエイター側の管理画面を見たことがない方は、ぜひアフィリエイターとして登録してみましょう。アフィリエイターとして活動することで、バナーを1つブログに貼り付けるのも、記事を1つ書き上げて公開するのも、労力がかかっていることを実感できます。
筆者も多くのASPにアフィリエイターとして登録し、興味のある広告主と提携して、実際に紹介記事を書いています。それらの活動を通して他社の動きが見えるのも、アフィリエイトプログラムの魅力の1つです。提携数の伸び悩みなど、課題がある場合は解決のヒントが見えてくるかもしれません。