上海で働く駐在員の中国EC市場リポート

日本のEC企業は注目! 2016年に爆発しそうな中国向け越境ECモール5選

中国に駐在し、実際にECも手がけるエフカフェの高岡正人取締役が中国ECの状況をレポート(vol.16)

高岡 正人

2016年5月18日 7:00

中国向けECでは「Tmallグローバル」と「JD World wide」のマーケットパワーが圧倒的ですが、続けと言わんばかりに中国企業が日本からの越境ECに本腰を入れ始めています。この半年で大きくマーケットも変化しているのはご存知ですか? 税制が大きく変わったことも加味して、日本企業が注目したい中国向け越境ECサイトをセレクトしてみました。

网易考拉

(注目度★★★★★
网易考拉

中国三大ポータルサイト網易(ネットイース)の越境ECモール「网易考拉」です。代表は中国のビル・ゲイツと言われている丁会長。

ネットイースはポータルサイトがメイン事業で、2003年にナスダックに上場。現在はオンラインゲームで世界4位のタイトルを展開するなど、7億人以上が利用するメールサービスなどを提供しています。

baidu研究院によると、2015年10~12月は越境ECのパソコンによる検索市場シェアは6.7%となり、「Tmallグローバル」と「JD World wide」を超え、1位となっています。かなり中国国内ではパワーを持っていると言えるでしょう。

「网易考拉」のポイント

  • かなりの実績がある
  • 中国国内でのネットイースブランド
  • 日本に商品を送れば、その後ワンストップで消費者に商品を供給するので手間がかからない(バイヤーによる商品選定あり)
  • 保税区モデルあり
  • 日本支社がある

秀品

(注目度★★★★☆

秀品

同じくネットイースの越境ECモール「秀品」。アパレルがメインで中国版ゾゾタウン(ほぼ日本のゾゾタウンと同じモデル)として、現在展開しています。

「秀品」のポイント

  • 中国国内でのネットイースブランドが強い
  • 日本に商品を送れば、その後ワンストップで消費者に商品を供給するので手間がかからない(バイヤーによる商品選定あり)
  • アパレルに特化している
  • 保税区モデルあり
  • 日本支社がある

唯品国際

(注目度★★★★☆

唯品国際

唯品会はGROUPONに代表される「フラッシュセール」で急速に成長したモール。4年弱で2012年3月にニューヨーク市場へ上場。2015年の売り上げは402億元(約6.5兆円)。そんな企業が運営する越境ECモールです。

急成長の背景には中国メーカーの商品在庫を活用したビジネスモデル。在庫を安く売ることで消費者を集め、マーケットパワーを伸した点にあります。今回の越境ECのスキームとはは異なりますが、フラッシュセール的な見せ方でユーザーを引きつけています。

ポイント

  • 中国国内での唯品会ブランドが強い
  • フラッシュセール的なお得感がある
  • 保税区モデルあり
  • 日本支社がある

洋码头

(注目度★★★★☆

洋码头

BtoC、CtoCの両ビジネスを展開していますが、基本的には海外に住んでいる個人バイヤーが代理購入するビジネスモデル。海外からの直送モデルがメインですが、最近は保税区モデルも展開しています。

4月12日に張CFOが10億円を日本市場に投資すると発表しました。日本でバイヤーチームを作り、商品の選定やマーケティング、物流(東京の倉庫を3倍に広げ、大阪にも新倉庫を構築予定)などのサービスを提供する予定です。

ポイント

  • 中国では早い段階から越境ECのブランドとして君臨
  • 直送モデルのため新税制の影響が少ない
  • 保税区モデルがあり

小红书

(注目度★★★★★

小红书

中国初のソーシャルコミュニティーECサイト。商品などのコンテンツを自ら紹介し、興味を持った人に購入してもらうモデルです(買えないものもあり)。越境ECは2015年3月からスタート。9月までの半年で7億元(約112億円)の売り上げを記録しました。

最近はアメリカ、日本、香港、韓国、ドイツなど9か国のカテゴリーまで拡大。日本専用アプリも登場しました。李 克強首相が「越境ECと地域コンテンツを結びつけたすばらしいビジネスモデル」と絶賛したほどです。すでに1500万人以上の会員を保有。

ポイント

  • 新たな越境EC(CtoC)のモデルになるかも?
  • (有名ブランドではなくても)地域などで埋もれていたよい商品で勝負できる可能性があり
  • 直送モデルのため新税制の影響が少ない

以上、今回は中国向けECで、2016年に爆発しそうな越境ECモール5つを紹介しました。

条件などの詳細がモールによって異なるため、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。中国マーケットはすぐに状況が変わるので、リスクが少ないものに関しては積極的にまずはやってみることをオススメします。

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