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楽天は9月1日から、「レビューを通じたユーザへの傾聴施策(以降は傾聴施策)」「品質向上制度」を設けた。目的は「楽天市場」を“プレミアムな店舗の集合体”とするため。

この制度は、出店店舗に対して6月に事前アナウンスを行ったところ、違反点数が累積した場合に大きな罰金が発生することから、多くの出店者から批判の声があがっていた。

「スタートまでの間に多くの店舗から声を拾い上げ、その声を反映させていきたい」としていたアナウンスの時点(参考記事)からどう変わったのか。ECカンパニーCOO&ディレクターの野原彰人執行役員に話を聞いてみた。

冊子に記載した禁止行為のみ違反点数が発生する

――アナウンス時点と比べて、制度を変更した点などはありますか。

多くのショップから寄せられたのは、店長レベルは何をすれば違反に該当するのか把握できるものの、個々のスタッフは何に注意すればいいかがわからないといった声でした。

今回、何に注意しなければならないかといったことをまとめた冊子「みんなが作る楽天市場 店舗運営ガイドブック 14のステップ」を作り、すべての出店店舗に配布しました。

6月に発表した品質向上制度は、さまざまなケースが想定される。これまではグレーの部分を作っていましたが、店舗にとってはこうした基準が不明瞭な要素となっていました。新たに案内した基準では、(禁止行為として)記載していることをすれば違反点数が発生し、記載していないことはグレーでも違反点数が発生しない、といった明確な基準を採用しました。

プロセスを明確にすることも定めています。楽天側が改善をお願いした後、すぐに違反点数を発生させるわけではありません。店舗さんから理由や意見などを受け付け、その意見と実態を見て違反点数を発生させるか否かを決定するようにします。

「傾聴施策」でも同様です。ショップレビュー評点3.0未満のレビューが書き込まれ、店舗さんへの報告・調査の結果、低評価となった原因が店舗側にある場合は調査活動費用の一部を負担いただきます。月5件を超える低評価レビューには、1件当たり700円を店舗さんが負担するといったように基準を明確化しました。

対象行為は「情報漏えい」「配送関連」「キャンセル処理」「ページ表記」の4点のみ。商品に対する意見などで低レビューが付いた場合は対象にしません。低レビューが付いた場合、消費者の意見をヒアリングした後、店舗さんに対しても意見を聞いて判断するようにします。

――多くの店舗が「何とかしてほしい」と言っていたのは明細書の入れ間違いに対する違反点数の付与だったが、この点は?

明細書の入れ間違いは店舗さんから意見をいただいていました。明細書の入れ間違い行為を高い違反点数とした理由は、個人情報保護に対する消費者意識の高まりに対応したものです。

ヒューマンエラーありきを前提にしてしまうと、これから先も絶対にその行為はなくならない。とはいえ、店舗さんへの聞き取り調査を行ってから判断するので、事情も考慮していければならないでしょう。

楽天が始めた店舗への「ペナルティ制度」 責任者が明かす運用の「基準」「方法」とは

配布した冊子に記載した禁止行為以外は、グレーでも違反点数は発生しない

消費者から選ばれる売り場を作るのが目的

――8月31日時点で違反点数が付与される店舗の割合はどのくらいですか。

違反点数が付与される店舗さんには連絡していますが、割合まで把握していません。ただ、かなり少ないことは確かです。6月のアナウン以降、多くの店舗さんが改善を行っています。

目的は「楽天市場」のサービス品質の向上です。適切な店舗運営をしていれば、違反点数が発生することはないと考えています。

――店舗への説明会などを通し、ショップからの声が変わってきたという実感はありますか。

違反点数もあるので、不安を感じている店舗さんはいます。私たちは「楽天市場」の売り上げを一緒に伸ばしていくために実施する、といったことを説明しています。実は一部の店舗の行為のために迷惑を受けていると感じている店舗さんは存在し、今回の制度に対して賛成するショップさんは少なくありませんでした。

――新制度の内容は今後、変更していく予定はありますか。

運用していくなかで改善すべき点、課題が出てくると思う。状況によって変化させ、店舗さんに納得してもらえるような制度にしていきます。そして、消費者にとって良い売り場になるようしていきたいですね。

楽天が始めた店舗への「ペナルティ制度」 責任者が明かす運用の「基準」「方法」とは

店舗スタッフが誰でもすぐに確認できるように気を付ける点をまとめたポスターも用意した

――なぜこのタイミングで「傾聴施策」「品質向上制度」の施策を行ったのでしょうか。

「楽天市場」が始まった当初、買いやすいECサイトとして評価されていた1つが、品ぞろえが豊富であったことでした。しかし、多くのECサイトが生まれているなかで、商品の豊富さだけが消費者の関心事ではなくなってきました。

また、ネットで購入できる行為そのものが便利な時代でしたが、今ではそれが当たり前。より便利に使いやすいサイトで買い物をしたいという消費者ニーズが高まっていると感じています。

今後も「楽天市場」を多くの消費者に使ってもらうためには、こうした消費者のニーズに応えていく必要があります。消費者の声をしっかり聴いてそれを反映していく「傾聴施策」、「楽天市場」全体のサービス品質を向上していくための「品質向上制度」を始めることにしました。

目的は消費者から選ばれる売り場を店舗の皆さんとともに全員で作っていくためですから。

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中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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