Digital Commerce 360 2016/10/13 8:00

オンラインマーケティング会社BloomReach社による調査によると、ネット通販利用者の多くがアマゾンで商品検索をしているため、検索エンジンや他のEC業者はシェアの落ち込みが続いているようです。

アメリカのネット通販利用者の半数以上が、商品はアマゾンのWebサイトかアプリで最初に検索していることがわかりました。

これから始まるホリデーシーズンを前に、アマゾンはウォルマートなどの大型小売業者や他の検索エンジンを引き離し、オンラインショッピング利用時における最初のタッチポイントの多くを獲得しています。

BloomReach社が9月に行った調査(対象は2000人)によると、調査対象の55%がアマゾンで商品検索をすると回答2015年の44%から11ポイントも上昇しています。

今回の調査では、グーグルやヤフーといった検索エンジンや他の小売業者が、アマゾン(インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社」第1位)にシェアを奪われている状況も明らかになりました。

オンラインショッピングのスタート地点として検索エンジンを使用するのは28%。2015年の34%から6ポイントも落ち込んでいます。特定の小売業者に関しても、2015年の21%から16%に下がっています。

検索もアマゾンの時代? 5割超のユーザーは商品探しでグーグルよりもアマゾンを使う
出典:インターネットリテイラー社 *2016年の「Searc engines」の数値(34%)は、正しくは28%です

BloomReach社のマーケティング担当、ジェイソン・シーバ氏はこう分析します。

アマゾンはネット通販利用者のスタート地点になっています。消費者はまずアマゾンを訪問して、商品と価格をチェックしているのです。

今回の調査結果は、アマゾンを追随するウォルマート(「全米EC事業 トップ500社」第4位)など他の小売業者にとって、芳しくない結果となりました。

eMakrketer社によると、2016年のeコマース市場は前年比13%増の3850億ドルに達する見込みです。8月には、ウォルマートがアマゾンに対抗する為、ECのスタートアップであるJet.comを33億ドルで買収しました。

年間99ドルを支払って会員になるアマゾンプライムは、「配送割引」「ビデオや音楽のストリーミング」「プライムフォト」などのサービスを提供し、消費者心理をわしづかみにしています。

投資会社Cowen and Company社のアナリストであるジョン・ブラックリッジ氏によると、アマゾンプライムの会員は8月時点で4900万人。その人数は増え続けているそうです。

アマゾンは最近、「当日配達」「2時間以内の配達」をプライム会員特典として追加。多くの都市で食品の配達も始めました。会員になるメリットはどんどん上がっています。

ブラックリッジ氏はこう話します。

アマゾンはサービスをどんどん追加し、他のどこよりも早いペースでサービス導入をしています。プライム会員は、自身のスマートフォンの画面1ページ目にアマゾンのアプリを入れています。ウォルマートにとっては、全く好ましくない状況なのです。

投資事業を手がけるMorningstar Investment Service社のアナリスト、アリ・モハラビ氏によると、グーブルの親会社Alphabet社は、YouTubeのビデオ広告など広告収入源を多様化しているため、アマゾンの攻勢に負けることはないと話します。

「現在の傾向はすでに4~5年続いていますが、いまだにグーグル検索は痛手を負っていない」と、モハラビ氏は語っています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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