現在地

送料値上げ今後も継続的に発生する事案であると考えている」――。公益社団法人日本通信販売協会が1月12日に開いた賀詞交換会。阿部嘉文会長は冒頭、このように会員各社に送料値上げ問題に触れた。右肩上がりの成長産業と言われる通販・EC業界だが、送料値上げや競争激化など、取り巻く環境は厳しさを増している。こうした状況を踏まえ、業界団体のトップである阿部会長が会員各社に投げかけたメッセージを要約して紹介する。

送料値上げ問題は続いていく

2017年は通販業界にとって激震とも呼べる宅配便の値上げ問題があった。トラック業界の労働力不足、働き改革などが話題となり、サービスは“タダ”という日本独特の慣習や考え方のベースが相まって、単なる値上げというだけでは語れない問題となった。通販企業として(課題に)協力することはやぶさかではないものの、ほとんどの通販企業、なかでも中小の事業者にとってはその送料負担は重く、大変厳しい状況である。

この送料値上げは社会問題が背景にあることを考えると、2017年だけの特別な現象ではなく、今後も継続的に発生する事案であると考えている

ただ、いずれの問題も、宅配ボックス、無人運転といった技術革新とともに将来的には解決していく問題であろう。しかし、当面、技術革新などによって解決されるまでは、継続されていく大きな問題であると認識している。

協会としては、個々の協会員の契約には一切踏み込めない。だが、今後の抜本的な解決をめざしていく。手を携えて発展してきた宅配業界と通販業界であるので、より根本的な解決に向けて業界の垣根を乗り越え、話し合っていく場を今後も設けたいと考えている。

公益社団法人日本通信販売協会が1月12日に開いた賀詞交換会であいさつする阿部嘉文会長
公益社団法人日本通信販売協会の阿部嘉文会長
【送料値上げ問題】編集部からのお知らせ

送料値上げも語る! EC関連(EC事業者さんや支援事業者さん)の人で集まって新年会をしませんか?【1/26(金)ネッ担のオフ会@渋谷】参加者募集中!
「EC業界の人と、もっとじっくり話してみたい」「人脈を広げたいけど機会がない」。そんな声にお応えして、ネットショップ担当者フォーラムの「オフ会」を開催します。

お客との信頼関係、つながりを持とう

こうした厳しい状況下だが、2016年度(2016年4月~2017年3月)の通販市場規模は前年比6.6%増の約6兆9000億円となり、18年連続で増収。2016年の百貨店売上高は約6兆円(日本百貨店協会の発表によると、2016年は前年比2.9%減の5兆9780億円)だった。

日本通信販売協会が発表した2016年度(2016年4月~2017年3月)の通販市場規模は前年度比6.6%増の6兆9400億円
2016年度の通販市場規模

市場環境を見ると、アパレル通販、BtoB通販、シェアリングサービスといった事業者が売上高を大きく伸ばしている。新規参入企業、新興企業が好調を維持している一方、カタログ通販など伝統的な通販を手がけているところでは苦戦する企業が出てきている

ただ、これから日本の人口が減少し、高齢化社会が進んでいくことを考えると、通販の果たすべき役割は大きくなる。その重要性は増していくと考えられる。

企業のこれからを決めるのは、お客さまとの関係性だ。お客さまとしっかりと信頼関係を築き、つながりを持った企業は厳しい状況下でも着実に発展していくだろう。信頼関係を持っていないと厳しい局面に直面すると言わざるを得ない。

自ら襟を正し健全な企業活動を

各社がこうしたことに取り組んでいる一方で、私自身、規制が厳しくなっていると感じている。規制が厳しくなれば健全な企業の活動を萎縮させてしまうことになる。優先すべきは悪質な事業者の排除だ。

規制の在り方については関係官庁と話し合いながら進めていく。関係官庁は規制強化という方向ではなく、健全な活動を行う企業を信頼していただきたい。

JADMAは自主規制団体であるため、加盟企業は自ら襟を正していかないといけない。協会は勉強会の主催、JADMAマークがある企業は信頼できるといった認知の促進に取り組んでいかなければならない思っている。

グローバルの意識を

2017年に日中韓のアジア通販サミットが中国で開かれた(日中韓3か国の業界団体である、日本通信販売協会、中国電子商会、韓国オンライン・ショッピング協会が共催)。重慶へ見学に行ったが中国企業の決済は進んでいて、ECサイトの決済は中国に遅れを取っていると言わざるを得ない。グローバルを意識しなければならない環境下で、日本の決済は課題になっていくだろう。

もともと中国、韓国の企業は世界を相手にビジネスを始めている。一方、日本は国内を相手にしてきた。国際化の問題は通販業界としては避けても通れない問題だ。

公益社団法人日本通信販売協会が1月12日に開いた賀詞交換会
この記事が役に立ったらシェア!
記事カテゴリー: 
記事種別: 

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
楽天株式会社 eBay(イーベイ) ecbeing.
[スポンサー]
株式会社アイル Wowma! クリームチームマーケティング合同会社