登場キャラクター
「優先的に読まれるメルマガ」を目指す
コツ39で解説した通り、「興味を引く件名」を付ければメルマガの開封率は上がり、売り上げも伸びます。それだけで満足せず、次はメールの内容を工夫して「愛読者」を増やしましょう。
テレビ番組に例えると、開封率が高いだけのメルマガは「番組表を見ていて、内容が気になって少し見た」だけの状態です。一方、愛読者の多いメルマガは「特集内容が何だろうと、好きな番組だから毎回最後まで見る」という状態です。前者は、内容次第で視聴率が変わりますが、後者は安定します。メルマガも同じです。愛読者の多いメルマガは、商品を紹介したときの反応がまったく違います。
本来の「メールマガジン」は、読み物です。単に「件名で注意を引いて商品を売りさばく」ものではありません。実際、一部の人気店のメルマガは、人気番組のような雰囲気があり、店長などの登場人物が、読者にとっては一種の有名人になっています。テレビなどで「有名人が紹介した商品」はよく売れるわけですが、自分が有名人になってしまえば、どの商品も売れますよね。「気が付けばつい開封して読んでいる」ような、ちょっと面白いメルマガを目指しましょう。
つい読みたくなるのは「業界裏話」
文章が上手でなくても、「読者の知らない世界」を案内すれば、興味を持たれるものです。具体的には「店や業界の裏話」がいいでしょう。「業界内では当たり前」の話こそ、素人にとって新鮮で面白いのです。
例えば、「おいしいサンマの見分け方」や「メガネの手入れで注意してほしいこと」など、素人が知らないようなちょっとした役立つ話や、「仕入れ先の社長から聞いた面白い話」「この季節に売れる商品」など、普段の仕事で見聞きした話が、山ほどあるはず。気負わずにやってみましょう。普段のメルマガに2〜3行混ぜるだけでも、かなり雰囲気が良くなるはずです。
対面販売で、目の前のお客さんに「これは昨日入ったばっかりの新鮮なヤツでね、めったに入らないんだけど……」などと話しかけるようなイメージです。ある程度パターンが見えてくれば「定番コーナー」化すると、効率的にコンテンツが作れるようになるでしょう。
どうしても自分で思いつかない場合は、面白い「語りべ」を探して、聞いてみるのも面白いでしょう。例えば、生産者、職人、バイヤー、メーカー担当者などに、「読者と同じ素人目線で、現場のカリスマにインタビューする」というスタンスで作れば、十分魅力的なコンテンツになり得ます。
ネタを普段からためておくと、書くのも楽になります。ネタ帳を持ち歩くことをおすすめします。この方法は、ブログやSNSなどにも転用したいですね。
「書き手のキャラクター」がコンテンツのスパイス
用意したコンテンツを、さらに魅力的に見せる方法があります。それは、「自己開示」、つまり、店長などの語り手自身の紹介を交えつつ発信することです。
同じコンテンツを語っても、まったく誰だかわからない人から聞くのと、ある程度キャラクターがわかった親しみやすい人から聞くのとでは、聞きやすさが違いますよね。コツ23の「店舗紹介ページ」の内容を踏襲して、店長やスタッフの人となりがわかるような話をちょっと混ぜていきましょう。継続的に読むことで親近感がわき、常連客が店長やメルマガ担当者のファンになってくれる場合も多いのです。
ただし、店とお客さんは、商品や店舗コンセプトでつながっている関係であり、友達ではありません。「裸の自分」をそのまま見せるのではなく、読者との「共通の話題・興味」を考え、ある程度キャラクター設定を意識しながら自分を出していくことが大切です。調子に乗ってあけすけにプライベートな話をしすぎると、お客さんは潮が引くようにサーッと引いていってしまいます。距離感には気を付けましょう。
商品数が少ない場合は「多角的に」紹介する
メルマガ内容の転用は、やりすぎに注意しましょう。筆者のお客さんとしての経験でも、数回同じ内容のメルマガを受け取ると、「この店のメルマガを読む必要はないみたい」と、その後開封しなくなります。それも一度や二度ではありません。惰性で出されたメルマガは、読者にもわかるものです。
せっかくメルマガを出しても、これではなかなか売り上げにつながりません。人によっては、ネタ切れを起こすと「ウチの店はメルマガに向かない」と思い込んで、ほとんど配信しなくなってしまう場合も少なくありません。数少ない「無料で効果的な道具」を1つ自分から捨ててしまうことになりますから、これは本当にもったいないことです。
そうはいっても、取り扱う商品数が少ない店では、メルマガを書こうとしても話題のバリエーションが少ないため、つい似た内容になりがちです。そんな店でメルマガを出す場合は、「商品を多角的に紹介」してみましょう。同じ商品でも、用途や特徴をグルーピングして、さまざまな切り口から魅力を伝えるのです。
あらかじめ複数の角度からネタや情報を作っておき、それらを1つずつ取り上げてメルマガに掲載するのです。ローテーションすることによって、商品数が少ない店でも継続的に違う内容のメルマガを配信できます。
こんにちは、著者の川村トモエです。
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