ヤマトが“空飛ぶトラック”を開発へ――無人空輸機で空の物流革命
ヤマトホールディングスは10月12日、荷物を電動式の垂直離着陸機(eVTOL機)で運ぶ「空の輸送」の実現をめざすと発表した。米ヘリコプターメーカーのベルヘリコプターと提携し、2020年代半ばまでに実用化する計画だ。
ヤマトHDは物流業務のノウハウを生かしてポッド(外装式輸送容器)を開発する。ベルヘリコプターはポッドを搭載する自律運航型ポッド輸送機の設計、開発、製造を主導するという。
2社は2019年8月までに飛行デモンストレーションを実施する。
ベルヘリコプターが開発する電動垂直離着陸機は、時速160km以上の速度で飛行する。最大積載量は小型機が7kg、大型機は453kg。
ベルヘリコプターのイノベーション部門でヴァイス・プレジデントを務めるスコット・ドレナン氏は次のようにコメントしている。
ここ数年間、ベルのチームは画期的な新時代のソリューションに焦点を絞りなおすことで、世界中の顧客サービス強化を目指してまいりました。ベルの専門技術を活用することで、既存の民間物流のあり方を変革できることに大きな期待を抱いています。両社の協力を通じて新たな空の輸送モードの構築を実現し、将来の大規模物流の先例を世界に示したいと切望しております
ヤマトホールディングス・牧浦真司常務執行役員のコメントは次の通り。
我々が物流サービスを提供してほぼ1世紀が経とうとしています。より高品質な配送サービスをお客様に提供できるよう、ベルと共同で実現する次世代のテクノロジーソリューションを駆使して新たな顧客価値の創造に貢献できることを喜んでおります
ヤマトは「空飛ぶクルマ」の官民プロジェクトにも参加
ヤマトホールディングスは、「空飛ぶクルマ」の実現を目指す官民プロジェクト「空の移動革命に向けた官民協議会」の民間委員にも加わっている。
同協議会では制度の整備や「空飛ぶクルマ」に対する社会の受容性の向上といった課題について議論しており、将来の実用化に向けたロードマップを年内に策定する。 8月29日に第1回会合を開催した。