Digital Commerce 360 2019/5/16 8:00

サイト上における消費者の検索行動から豊富なデータを収集し、需要への対応に役立てることができます。今回は、インテント(検索意図)のデータを活用してビジネス上の意思決定に役立て、販売を促進する6つの方法について説明します。

一見すると、検索データは消費者がどのように商品を探しているのかがわかる興味深いレポートに見えるかもしれません。平均的な消費者の考え方がよく反映されていて、考えもしなかったような検索ワードなど、驚きの発見をもたらすこともあるでしょう。

もう少し深く掘り下げてみると、検索データは消費者の深いインサイトを解明する鍵になります。こうしたインサイトは、データに基づく戦略の基礎となり、消費者の需要を基に特定の商品の売れ行きを予測し、在庫の盲点を取り除き、コンバージョンに直接影響するリアルタイムのマーケティングと商品化の決定を可能にします

オンラインでの販売を改善したいのであれば、特定の商品に対する関心の急激な変化を察知し、それに対応していく必要があります。検索データを継続的に監視、分析、最適化することで、小売事業者はより積極的かつ機敏に動くことができ、顧客のニーズを満たすことができます。

消費者の要求は常に変化します。ここでは、検索インテントデータをビジネス上の意思決定に役立て、より多くの販売を促進する6つの方法について説明します。

1. 品揃えと製品の発見におけるズレを特定する

検索データは消費者が探している商品の種類の全体像を教えてくれます。どの商品に需要が高く、どの商品が遅れを取っているかを示すだけでなく、在庫があれば売れるかもしれない商品データも示してくれます。これらの検索データを使用して在庫を調整し、需要の増加に備えるのです。

また、商品を見つける過程における「ズレ」を明らかにするのにも効果的です。たとえば、1つのワードで大量の検索が行われているにもかかわらず、コンバージョン率が非常に低い場合は、組み合わせ、価格、または検索結果に問題がある可能性があることを示しています。

検索データを使用してこれらの「ズレ」を特定することで成長の機会を見つけ、ユーザーの検索エクスペリエンスを向上させることができます。

2. 関連性の高い顧客のカスタマージャーニーを作る

1日に何百万もの検索を生み出す高トラフィックのeコマースサイトでは、検索データを扱うのに注意が必要です。最もボリュームの多い検索ワードや「頭部」を探し回るのではなく、「尻尾」を深く掘り下げて、エンドユーザーのエクスペリエンスを向上させる手がかりを見つける必要があります

検索量が比較的少ないクエリで表されるロングテールは、集約してみると検索の大部分を占めます。ここに本当の金鉱があるのです。ロングテールのクエリは特定的な傾向があるため、購入意図がより高く、最も価値のある消費者が何を購入しようとしているかを正確に示してくれます

これらのより具体的な行動パターンを分析することで、購入の過程でターゲットを絞った、関連性の高いカスタマーエクスペリエンスを作り出すことができ、また、「尻尾」に隠された大量のトラフィックから売上を生み出す可能性を高めることができます。

3. データ主導型マーケティング戦略を構築する

消費者はGoogleのような検索エンジンと同じように、サイト内検索を行うでしょう。つまり、自社のWebサイトから収集したデータから、有料検索、ソーシャルメディア、ディスプレイ広告などのチャンネルを通じてプロモーションが必要な商品を知ることができるのです。

たとえば、アディダスの商品を探している人が急増した場合、例えば「アディダスのスニーカー」「アディダス・イージー」というように、ブランド関連用語のクリック単価の予算を増やす必要があります。

「Twiggle」のようなプラットフォームを使えば、集約した検索データから用語リストを生成し、関連する検索グループ(商品の基本的なバリエーション)を見つけて入札できます。さらに、検索データに基づいてリターゲティング広告を作成し、これらの検索を売上に転換することも可能です。

4. 需要を予測して準備する

検索データを使えば、どこで売上が発生する可能性が高いかを予測することができます。特定の時間帯(例:検索ボリュームの週ごとの比較)における消費者の行動傾向や検索クエリの人気度を調査することで、トラフィックの動きを特定し、需要の急増に備えることが可能です。

この方法を活かせば、消費者がニーズ発見の段階にある間に、その消費者を獲得するためのランディングページや広告キャンペーンを用意することができます。また、この予測情報を使用して、ホームページで注目を集める商品や、検索結果ページで上位にランキングされるアイテムを決定します。

これは、消費者が行きたい場所に、より早くたどり着けるようにするための方法なのです。

5. トレンドを活かす

消費者の購買決定は、ソーシャルメディア、有名人、バイラルビデオ、イベント、1日に最大5,000件目にする広告など、複数の要因に影響されています。多くの外部要因が特定の商品やブランドへの関心を上げたり下げたりするため、すべてを把握するのは困難です。

検索データは、世界で起きていることと、それが消費者の行動に与える影響を反映しています。オンラインでの販売を改善したいのであれば、特定の商品に対する関心の急速な変化を察知し、それに対応しなければいけません。ホームページを変更して、重要な商品を緊急告知したり、新たな流行に特化したニュースレターを作成したりするのです。

常に変化する消費者の行動を把握するために、検索データを注意深く監視し、マーケティング、販売、および運用に関する重要な意思決定を最適なタイミングで行うことが大切です。

6. 検索の関連性を改善する

集計された検索データを使用して、消費者が何を検索しているか、その消費者が閲覧した商品、およびその商品のパフォーマンスを追跡できます。同様のインサイトが、ブランド、スタイル、または検索用語のリダイレクトページをいつ、どこで作るのが良いのかのヒントになります。

類義語を中心にページをキュレーションする場合も同じです。消費者が検索する時に使用する単語を集めて、類義語集を作りましょう。そうすれば、検索の関連性が高まり、リコール問題にも対処できます。

◇◇◇

理解できましたか? 検索データの活用は、継続的な最適化が必要な要素の1つで、成功者と敗北者の分かれ目になり得ます。リーダーたちはWebサイトやプロモーション活動の指針として、データや予測分析に頼っています。すべての意思決定が事実と数字に基づいて行われるため、リスクを最小限に抑えられます。パフォーマンスを向上させる優れた方法です。

消費者が商品を必要としているとき、確実に商品が店頭に並ぶようにするには、彼らの行動を理解し、次の行動を予測する必要があります。あらゆるものが一瞬で変化するeコマースの世界で、検索データに非常に価値があるのは、そのためなのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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