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1袋900円(3回分)と高単価帯の入浴剤「BARTH(バース)」。一般的な入浴剤価格の3倍ほどだが、2017年の立ち上げから3年で売り上げは10倍、年平均300%の売上成長を続けている。ヒットのきっかけはユーザーのTwitter投稿。市場が落ち込むとされている夏(2020年7-8月)も、EC売上は前年同期比2.2倍に。オーガニックなバズを生む「BARTH」のTwitter活用例を紹介する。

EC×リテールの「ハイブリッド戦略」

「BARTH」は、世界的にも珍しいという中性重炭酸泉の研究から誕生した中性重炭酸入浴剤。お湯を中性にすることで、炭酸ガスから発生した重炭酸イオンが揮発しにくくなり、湯中に溶け込みやすくなるという。

2017年2月に立ち上がった「BARTH」は、販売開始当時からECに加え、ブランディングを目的としたリテール展開も行う「ハイブリッド戦略」を狙っていた。しかし、価格が高単価なこと、洗練されたパッケージが従来製品のイメージとは異なるなどの理由から、卸売りを通じたリテール戦略ではなかなか成果を出せずにいた。

製品に絶対の自信があった販売元のTWOは、セレクトショップを中心に営業活動を続け、徐々に卸先を拡大。現在は大手ドラッグストアを始め全国的に販路を広げ、ロフト全店における「入浴剤売上数ランキング」(2020年7月19日~8月18日)でトップを獲得した。

ヒットのきっかけは、「腰が抜けるくらい気持ちいい」ツイート

ヒットのきっかけは2019年1月。多くのフォロワーを抱えるあるTwitterユーザーが、「ちょっと腰が抜けるくらい気持ちいい」とツイートしたこと。企業から依頼したわけではなく、あくまで自然発生的に生まれたツイートだった。

そのツイートは瞬く間に広がり、「家族全員熟睡して、翌朝全員寝坊しました」といった引用ツイートが多数行われるなど、さらに拡散していった。

これをきっかけに、取扱店舗数が急増。一時的に品薄状態にもなるなど、一躍人気ブランドになった。

「BARTH」(画像:TWO提供)

30代男性の購入比率が高まった理由

2020年10月時点での売上構成比はオフラインが6割、オンラインが4割。ECは「楽天市場」が好調で、想定していたリテールの平均購入者層より10~20歳ほど高い、40~50歳代の女性の購入者が多いという。

リテールでは20~30歳代の女性が自身用に購入し、「楽天市場」では家族用にまとめて購入している女性が多いのではないかと推測する。

コロナ禍で在宅時間が増えた2020年には、ある“変化“があった。夏は一般的に入浴剤の市場が落ち込むとされるが、7~8月のEC売上は前年同期比2.2倍に伸長。特に、30代男性の購入比率が高まったのだ。

この理由についてTWOのマーケティング&PRマネージャー 武田瞳氏は、次のように分析する。

在宅時間が増えたことで、入浴ニーズが高まった。また、サウナ好きな男性が密を避けるために来店を断念しているケースも多い。Twitter上での反応を見ていても、サウナ代わりに汗をかける商品として購入いただいているのではないか。(武田氏)

男性に限らず、女性の間でも「代替」ニーズが高まり、「BARTH」が注目されている一因ではないかと武田氏は説明。そして、こう続ける。

「BARTH」は入浴剤ではあるが、入浴から得られる効果と考えると実は、「美容」「スキンケア」「ヘルスケア」「睡眠」など周辺市場とも関連性がある。入浴剤として考えると安くはないが、肌を綺麗にするためのサプリや美容クリームと比較すると決して高くはないと言える。(武田氏)

「睡眠」軸で展開した交通広告キャンペーンのようす(画像:TWO提供)

ユーザーのツイートから着想を得たSNSキャンペーン

Twitterで自然発生的に生まれるユーザーのツイートを見るにつれ、「BARTH」は効果・効能を感じてもらいやすい特徴的な商品であるがゆえの、「とがった表現」が多いことに気付いたという。

「これは“魔剤”」「“浸かるタイプの睡眠薬”」などとツイートしてくださる方も少なくなく、商品とTwitterの相性の良さを感じた。(武田氏)

相性の良さを実感したTWOは、商品を試してもらえるプレゼントキャンペーンを企画し、Twitterを活用。応募ツイートに対してはインスタントウィン(当選判定がその場で可能な懸賞)などシステムで機械的に当落を通知するのではなく、担当スタッフが手動で1人ひとりに当選リプライをしていったという。

これがTwitterユーザーから、「“中の人”、手動で返信しているんだ」と好意的に受け取られ、さらにTwitterユーザー間での認知を高めていった

しかし、応募者が増えるとさすがに“中の人”1人での対応は限界となり、2回目のキャンペーンでは2~3ポジションを複数名で稼働するシフトを編成。モニタリングツールなども活用したが、それでも運用を外注せずに手をかけてでも社内で行うことにこだわった

Twitterの活用には、副次的な効果があった。ヒットのきっかけにもなった「寝坊した」ツイートにもあるように、ユーザーの反応を見ていると、睡眠やヘルスケアといった周辺領域において確かなニーズがあることが分かったのだ。

これをきっかけに、「睡眠軸」でのSNSキャンペーンや、2020年8月に実施した交通広告キャンペーンを展開していくことになった。

交通広告キャンペーンの様子(画像:TWO提供)

2020年中にECサイトをリニューアル予定

今後は、自社ECサイトの強化を図っていく予定。現在、ブランドサイトと自社ECサイトが分かれているため、2020年中にリニューアルし統合する。新サイトでは、コンテンツの充実化を図っていくという。

「BARTH」は体を癒す“最強アイテム”。世の中で活躍しているいろいろな分野の方にオフの時にどのように体を回復させているのかなどの取材をしコンテンツ化して、それらを公開していくことを企画している。(武田氏)

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公文 紫都

ネットショップ担当者フォーラム編集部

公文 紫都(Shizu Kumon)

通販・EC業界専門紙記者、ITベンチャー勤務を経て2012年に独立。8年間フリーでライターをした後、2020年4月からネットショップ担当者フォーラム編集部に在籍。4年間NYで暮らしていた経験を生かし、海外の展示会取材なども積極的に行っている。猫派。@shidu

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