森野 誠之 7/5 8:00

データを分析して改善案が浮かんだとしても、改修に費用や時間がかかり過ぎてはうまくいきません。「安くて・早くて・結果が出る施策」を見つけることがデータ分析には求められます。

アクセス数が多い場所を重点的にみると改善効果が高いです。

商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは (1/3) | ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/11448

高単価のアパレル商品を取り扱っており、「商品詳細」画面は当社が分析・改善に携わる2018年以前からしっかりと作り込まれていました。画像のカルーセル実装やカラー/サイズ選択時の直感的なUI(User Interface:ユーザーインターフェイス)、また当時としては未導入のECサイトも多かった複数軸の商品レコメンドの実装など、しっかり考えて作り込まれたECサイトで、初見ではそこまで改善点がないように思われる案件でした。

紹介する記事の前提を説明します。「商品ページを作り込む時は丁寧に説明する」「使いやすくする」「見やすくする」といったことが中心になりますよね。ここはここでやることはたくさんあるものの、すでに完成されたものになっていたのです。そうなると「やり尽くした」となるか、説明や画像が増えたり動画が入ったりとコンテンツ面に目が向くわけです。

さまざまな角度から分析していく中で、画面内の各要素のクリック率と、要素をクリックした後のCVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)を調査したところ、複数あるレコメンドのブロックのうち、最下部のCVRがもっとも高いことが判明しました。

ここまで分析しているネットショップって少ないのでは? レコメンドのクリック率は見るけど、そこからのCVRは見ないことが多いのではないでしょうか。レコメンドのクリック率ってそんなに高くないですし、さらにそこからのCVRとなるともっと小さくなりますから。でも、全商品ページで改善したら……? 母数が増えるのでじわっと底上げされる可能性がありますよね。

「ユーザーは自分が気になって閲覧したものをこの場所からチェックし、何度か見直した上で商品の購入に進むのではないか?」というものです。前出のように同サイトは高単価のアパレル商品を扱っているため、即決できない値段の商品が多く、何度も閲覧し検討した上で購入する流れは自然と言えます。

さらにこんな仮説を立てます。実店舗でいろんな商品を手に取って見比べるイメージですね。店員さんにこれをキープしておいて下さいというやつ。納得感があります。

出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)
出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)

やったことはたったこれだけ。「最近チェックした商品」をレコメンドの一番上に持っていっただけです。改善のコストなんて微々たるものでしょう。かかっているのは分析のコストだけなのでショップのスタッフには負担はかかりません。私は常々「安くて・早くて・結果が出る施策を行おう」と言っていますが、まさにこれです。素晴らしい。

出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)

結果はこちら。売り上げなどがジワッと底上げされて、訪問者がページ内を行ったり来たりしなくてよくなったのでPVが減っています。やったことに対して効果のほうが上回ってますよね。

データを見るということは漠然と数字を見ることではありません。その数字はなぜそうなっているのか? それを考え抜いてユーザーの意図を見抜くことにあります。そのクリックはなぜ発生したのか?ここだけを考える時間があってもいいですよね。

今週の要チェック記事

行動変化が影響「2022年、上半期売れたものランキング」 | 市場調査ならインテージ
https://www.intage.co.jp/news_events/news/2022/20220628.html

健康に関するもの、旅行は伸びて、お菓子作りなどの趣味系は鈍化といった傾向です。

【ヨナーイ佐々木のEC奮闘記】スーパーSALEでサーチ登録を減らしたら売上も粗利も増えた話 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19779

「自分たちの売るものは自分たちの責任できちんと仕入れましょう」。本当にこれ。メーカー在庫は他人の在庫です。

欲しい!に出会い続けて8年。データで見るROOM | ROOM
https://room.rakuten.co.jp/feature/special_anniversary_8th/

30代女性が主なユーザーというデータが出ています。

物流業界の「2024年問題」で「自社も取引先も影響を受ける」は5割、卸売・小売業の課題は「サービス・商品の値上げ」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9933

いろいろと値上げされる時代。送料も値上がりが始まるかも。

Twitter、Shopifyとの新たなパートナーシップ ソーシャルコマースを手軽に実現するShopifyアプリを米国で提供 | TECH+
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220624-2377481/

まずはアメリカ国内です。日本に展開されるのが待ち遠しいですね。

メルカリShopsアワード2022 上半期を発表! | メルカリShopsマガジンhttps://shops.mercari.com/magazine/posts/60053

「ベストエピソード部門」のエピソードがいいですね。読んでみてください。

まずはここから!コストをかけずに誰でもできる、楽天市場無料集客術【前編】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19912
まずはここから!コストをかけずに誰でもできる、楽天市場無料集客術【後編】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19938

楽天集客の基本中の基本といった内容。漏れている項目があれば対応を。

アマゾンジャパンと財務省関税局、模倣品等の水際取締りに係る協力に関する覚書に調印 知的財産侵害物品等の国内流入防止を目的に協力関係を強化 | アマゾンジャパン合同会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001501.000004612.html

「税関が差し止めた模倣品や関連する模倣品業者等に関する情報交換を進めていきます」。とのこと。

虚偽・誇大な宣伝が横行、アフィリエイトに規制…「広告」と明記求める | 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220625-OYT1T50177/

アフィリエイターは信頼できる人を。売上だけ見ると足元をすくわれます。

今週の名言

「クビが頭をよぎりました」 中日・山本拓実が辿り着いた“負のスパイラル”から抜け出す答え | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/55171

「矢印は自分ではなく、いかなる時も敵」

ネットショップであれば「矢印は自分ではなく、いかなる時もお客さん」となりますね。そのためにはお客さんと話すこと、データからお客さんの意図を考えること。自分たちに矢印が向いた瞬間に売れなくなりますよ。

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