森野 誠之[執筆] 2023/4/4 8:00

危機だけが伝えられる物流業界。その一方で問題を解決している物流事業者も出てきています。問題だと騒いでいても何も解決しないので、解決している事例を積極的に参考にしたいですね。

配送品質は通販事業の売り上げに影響を与えます

今回はこのツイートからスタートです。課題山積、かつ矛盾だらけの物流業界の現状を端的に表しています。この問題が物流の2024年問題につながっていきます。わかっている未来に悲観していても仕方ないので、前向きに取り組んでいる事例を紹介します。

「配送ビジネスを立ち上げませんか?」--アマゾンが日本で起業支援、年2470万円の利益も | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35201951/

Amazonは3月30日、配送ビジネス起業を支援する新たな「デリバリーサービスパートナープログラム」(DSP)を開始したと発表した。同社が25年以上培った物流ノウハウや、商品を安全かつ確実に届けるためのサポートを創業者に提供する。

物流事業での起業を支援するというAmazonのプログラム。物流問題が起きるのなら自社で物流事業者を増やしていこうというのはいい動きですよね。

配送ビジネスの立ち上げや運営、雇用者の管理や支払いに関するノウハウを提供する。また、Amazonの提携業者から市場より安く給油できる。Amazonが提携する安いレートの自動車保険にも加入できるという。加えて、ビジネス運営に必要なツールも有償で利用できる。なお、あくまで独立した事業者であり、ドライバーの確保や経営管理、運営、人材確保などは、創業者が自ら行う必要がある。

支援内容はノウハウ提供に加えて、経費削減に関するものもあるようです。ある程度の事業経験があれば、始めるハードルは低そうです。問われるのは経営センスと人を大切にできるかどうかですね。

同プログラムでCruzを創業した同社代表取締役の井原雄士氏は「システムが優秀であると感じる。既存の運送では、ドライバーが自分で荷物の仕分けをし、車に運び入れる。倉庫に車をつけてから出発までに90~120分かかっていた。それがAmazonのシステムでは15分で済む」と語った。また、起業によって「1人で朝から晩まで荷物を運ぶ場合に比べて、子供と触れ合う時間も確保できるようになった」とした。

2024年問題の1つであるドライバーの過酷な労働が挙げられていますが、ここではかなりホワイトな現場なようです。Amazonのシステムを使うことで効率的な配送業務ができて、プライベートの時間も確保できる。こうじゃないと継続できません。もちろん、運ぶ物、運ぶ距離なども考慮しないといけないので、すべてが楽になるとは限らないかもしれないです。

ストレスフリーな社内環境から生まれる「高品質」なEC向け物流代行サービスとは | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/38492/

当社は、年間休日125日、有給取得率100%、残業ゼロで定時の17時に退社をします。物流業界や倉庫業界では長時間労働や休日出勤のように激務な労働をイメージされがちですが、当社ではありえません。スタッフの稼働率を上げすぎないように徹底的にスケジュールの管理をし、無理なく業務に集中できるようにしています。

こちらもホワイトな物流企業の記事です。このレベルは大企業並みと言っていいのではないのでしょうか。世の中にはこんな企業もありますから、やってできないことはないということでしょう。

EC代行サービスをする中でFBA、RSL(楽天スーパーロジスティクス)なども利用されているお客様が多く、そういったお客様の気持ちになることをきっかけに、自社で商品開発を始めて、Amazon、Yahooでの販売をしておりました。このときに経験した事業者としての悩みを、今も物流代行サービスに活かしております。

物流事業を磨き上げる努力も怠っていません。送る側の気持ちにならないと良い配送ができないということですね。2024年問題は物流業界の問題というよりも、「それを変えようとすることができるか」ということにかかっていそうです。業界の問題だからと言って放置していたら何も変わりません。

知育おもちゃのサブスク「トイサブ!」に聞く運営の裏側。配送会社を変えたら解約率が1.5倍になったワケ、ユーザーの満足度を高めるための「焼き鳥理論」 | アプリマーケティング研究所
https://markelabo.com/n/na307caeabf5b

適正価格を維持するためにコストを下げようと、配送会社をA社からB社に変えたときに、お客様からクレームが殺到してしまったことがあります。

これは何年も前の話ですが、ものすごい量のクレームが来てしまって、その影響で一時期は解約率も1.5倍以上になってしまいました。

最後にこんな記事を。配送品質は通販の事業に影響を与えます。コストと思っていたらうまくいかないのは明白です。

通販の事業者、物流の事業者、それぞれが品質に関しての意識を高めれば2024問題も乗り越えられるはず。

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先週に引き続き木下社長のお話。後編はクリエイティブの話。

ワーキングマザーが目指す「幸せな商売」のかたち。PONZ SHOP 宮本さん×川村対談 | コマースデザイン
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「仕事も家庭もこどもとの時間も…大切なもの全てに、心血を注いでこられた宮本さんのストーリー」。共感できるポイントの多い事例です。

<メルカリ物価・数量指数からわかる2月トレンド通信>電気代高騰による節約意識向上の影響か。室内防寒に使える「レッグウェア」の物価指数が上昇傾向 | コマースピック
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電気代が値上げされた冬の傾向が出ていますね。では、夏はどうなるのか? 今のうちから準備を。

リコマースが長期的なトレンドに。世界最大の小売イベントレポート | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/61709?s=ns&utm_source=pocket_saves

「古着市場は従来の小売の11倍の速さで成長している」。この世界の流れが日本にも押し寄せるかも。

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ユーザー層を見た打ち手がうまくいっているようです。「JREポイント経済圏」の確立が次の課題。

政府 、ステマ広告規制を閣議決定 商品レビューの投稿依頼・競合への低評価レビューはステマに該当 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/8376

「新たな告示の運用基準に照らせば、ウェブ上の記事広告や記事型のランディングページのほとんどが、ステマ広告に該当することになるだろう。法律の実効性について注視したい」。今後の動きは気にしておかないといけないですね。

今週の名言

デジタルとリアルで「お客様に寄り添う」をちゃんとやる。ユナイテッドアローズ藤原義昭 #サプライジングパーソン | TRUE MARKETING byGMO
https://www.koukoku.jp/truemarketing/premium/20230330/

僕はあまり奇をてらった施策には踏み込まないようにしています。ベーシックな施策で、できていないことにしっかり取り組むことを大切にしています。「徹底的にやったか」「中途半端になっていないか」を、常に自問自答することが大切です。メンバーにも同じ話をしますし、施策後の振り返りをとても大切にしています。

奇をてらった施策が当たってしまうと、悪い意味での成功体験になってしまってそれに引っ張られてしまいます。ベーシックな施策を着実にこなして積み重ねるのが近道。

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