「配送を急がないオプション」の利用意向は87%。約7割が「送料がネックで購入を諦めた経験あり」
MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「ECサイトの配送とクイックコマースに関する調査」によると、最も意識して利用している配送方法は「通常配送」が52.2%で、「当日配送」は12.0%だった。調査対象は15歳~69歳の男女5000人。期間は2023年9月29日~10月3日。
ECサイトでの購入時、「通常配送」が約半数。「翌日配送」は21.5%
ECサイトで商品を購入した際に自宅受け取り配送を選択したことがあるか聞いたところ、84.2%が「ある」と回答した。
「選択したことがある」と回答したユーザーに、最も意識して利用している配送方法を聞いたところ、「通常配送」が52.2%、「即日配送」が21.5%、「当日配送」が12.0%だった。
「配送を急がないオプション」の利用意向は87.1%
通常は発送から1~2営業日で届く商品と仮定し、配送業者の負担削減を目的に商品が発送後3~5営業日に届く「配送を急がない人向けオプション」(利用するとポイント還元などがある)があった場合、「利用したい」が45.7%、「やや利用したい」が41.3%で、利用意向は87.1%に達した。
性別・年代別でみると、利用意向は女性10代(93.8%)が最も高く、次いで女性60代(90.7%)、女性40代(89.4%)だった。
調査対象者から抽出したECサイトでの商品購入経験者に、どのようなメリットがあれば「配送を急がない人向けオプション」を選ぼうと思うかを聞いたところ、次のようなコメントがあった。
- ポイント還元(男性・30代)
- 購入時点で商品価格の割引がされたり、次回から使える割引クーポンがもらえる。数回急がない人向けのオプションを利用することで一回お急ぎ便のようなものが利用できる。(男性・30代)
- 配送料が割引される(男性・40代)
- メリットがなくても、配達員の労働負荷や環境負荷を考えて、利用したい(女性・40代)
- 急ぎではない時に送料無料ならば問題ない(女性・50代)
- ポイントが付く(女性・60代)
7割近くが「送料がネックで購入を諦めた」経験がある
ECサイトで商品を購入しようとした際、送料がかかることが原因で購入を諦めた経験の有無を聞いたところ、66.9%が「ある」と回答した。
性別・年代別でみると、女性60代(79.1%)が最も多く、次いで女性50代(74.8%)、女性40代(72.9%)だった。
送料無料ラインになるよう購入金額を調節、約7割が「ある」
送料無料ラインが設けられている場合、その金額になるように商品の購入金額を調節した経験があるか聞いたところ、69.6%が「ある」と回答した。
性別・年代別で見ると、最多は、女性60代(79.3%)で、次いで女性40代(74.2%)、女性50代(73.6%)だった。
クイックコマースの認知は39.0%、利用経験は16.8%
調査対象者にクイックコマースの認知から利用状況について聞いたところ、「利用経験がある」が16.8%、「知っていて、内容を理解している」が8.4%、「言葉を聞いたことがあるが、内容は知らない」が13.7%で、認知度は合わせて39.0%だった。
性別・年代別でみると、認知は男性40代(48.8%)、利用経験は男性20代(33.9%)がそれぞれ最多だった。
クイックコマースの利用意向は37.9%
クイックコマースの利用意向を聞いたところ、「利用したい」が8.5%、「やや利用したい」が29.3%で、合わせて利用意向は37.9%だった。
性別・年代別でみると、利用意向は男性10代(54.3%)が最も多く、次いで女性10代(53.7%)、男性20代(50.8%)となり、男女問わず若年層の利用意向が高い結果となった。
クイックコマースの利用頻度、「月に1回以上」が約6割
クイックコマース利用経験者にクイックコマースの利用頻度を聞いたところ、「月に1回以上」は60.1%、「週に1回以上」は32.2%だった。
性別・年代別でみると、「月に1回以上」の最多は男性40代(69.3%)、「週に1回以上」は男性10代(47.8%)だった。
調査実施概要
- 調査タイトル:「ECサイトの配送とクイックコマースに関する調査」
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2023年9月29日~10月3日
- 調査対象:【予備調査】15歳~69歳の男女、【本調査】ECサイトでの商品購入経験者
- 有効回答:【予備調査】5000人、【本調査】346人 ※人口構成比に合わせて回収
- 設問数:【予備調査】7問、【本調査】3問