松原 沙甫[執筆] 7/30 7:00

政府はEC実施事業者に対し、「送料無料」表示の見直しを求めていく方針を確認した。7月25日に実施した「第5回我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」で、岸田文雄総理は「『送料無料』表示の実効性のある見直しを行い、これを改正物流効率化法に基づく基本方針に盛り込んでください」と指示した。

「送料無料」表示の見直しは、物流サービスに対するコスト意識の浸透、ドライバーに対する社会的な理解の醸成が目的。令和6年度の消費生活意識調査において、「送料無料」表示に関する消費者等の意識改革・行動変容の状況把握を実施。改正物流効率化法に基づく基本方針に、「送料無料」表示の見直しなどを定めていく。

「送料無料」表示の見直しについて、消費者庁は「物流2024年問題」に関連し、政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づく「送料無料」表示の見直しについての議論を2023年に実施。「送料無料」表示をする場合、「無料」と表示する理由や仕組みをわかりやすく説明することが表示者の責任と結論付けた。

ECサイトや通信販売での「送料無料」表示について、法的な規制の導入は見送ったが、「送料当社負担」「〇〇円(送料込み)」といった表示などへの自主的な見直しを促す方針を示していた。

Amazon、楽天グループ、LINEヤフー、ファンケル、JADMAの「送料無料」表示見直しの取組事例まとめ

消費者庁では事業者に向けて呼びかけている「送料無料」表示の見直しについて、実際の事業者の取り組みとしてアマゾンジャパン、LINEヤフー、楽天グループ、ファンケル、JADMAの5事例を公表。取り組み事例の募集も行っている。
鳥栖 剛[執筆]6/11 9:00550

第5回消費生活意識調査(令和5年度)で実施した「送料無料」表示に関する調査結果によると、「送料無料」の見直し議論を見聞きしたことがある割合は約70%で、内訳は「内容もよく知っている」が約20%、「詳しい内容は知らない」が約50%だった。

「詳しい内容を知らない」と回答したユーザーの多数が、「『送料無料』表示をすることに問題はない」と考えており、「よく知っている」という回答者でも「問題はない」と考える割合が半分を占めた。一方、「送料無料」表示はやめるべきと考える回答者の割合は、「内容を知らない」を上回っている。

第5回消費生活意識調査(令和5年度)で実施した「送料無料」表示に関する調査結果
消費者に対する意識調査(画像は消費者庁公表資料から編集部がキャプチャ)

 

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