消費者が選ぶ強いブランドランキング1位は「YouTube」、2位は「Google」、3位は「ローソン」、4位は「無印良品」、5位は「ユニクロ」
日経BPコンサルティングが発表したブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン2025」の調査結果によると、一般生活者編の総合ランキングトップは「YouTube」で、4度目の首位となった。
2位は「Google」、3位は「LAWSON(ローソン)」、4位は「MUJI)無印良品)」、5位は「ユニクロ」と続いた。前回調査で3位の「Amazon」は7位まで順位を落とした。そのほか「LINE」は6位から10位にランクダウンとなった。
YouTubeは利便性・革新性・親近性で高評価
「ブランド・ジャパン 2024」の「総合力」ランキング上位100ブランド(一般生活者編)1位の「YouTube」はブランド力の構成要件のうち、コンビニエント(利便性)とイノベーティブ(革新性)の評価が高い。コンビニエントランキングでは4位(前回10位)、イノベーティブランキングでは5位(前回3位)だった。さらに「フレンドリー(親近性)ランキング」で23位(前回28位)と評価が高まったことが首位獲得につながったとしている。
2位は前回首位の「Google」。2024年はAIによるインタラクティブな検索広告を導入し、個々のユーザーの興味に合ったお薦め情報を表示し、広告におけるユーザー体験を向上させた。日本ではインターネットを利用する目的として、最新のトレンドや自分の興味や関心のあるトピックを深掘りして知りたいというニーズが高い。そのたため、Google検索でもハッシュタグをつけた検索を可能にした。その結果、コンビニエントの向上につながったという。
ローソンが急上昇。「盛りすぎチャレンジ」など奏功
3位には前回40位の「ローソン」が入った。ここ数年で進めている施策が、物価高が進むなかで評価を高めているとした。日経BPコンサルティングは、コンビニに感じられる印象を逆手に取った施策がさらに効果を高めていると指摘。たとえば、価格が割高であるという印象を「盛りすぎチャレンジ」と呼ばれる増量キャンペーンで和らげたという。キャンペーンをSNSで拡散する戦略も実施し、盛りすぎチャレンジをテーマにした投稿が話題になった。なお、ローソンのXフォロワーはCVS業界で最多。こうした動きを通じて今回ローソンは、フレンドリー、コンビニエント、アウトスタンディング、イノベーティブの4指標すべてでスコアが上昇した。
無印も上昇。サステナブルの取り組みなど評価
前回17位だった「無印良品」も4位に上昇した。サステナブルへの意識の高まりを受けて、エシカル消費の印象が強い無印良品の評価が高まっているようだ。たとえば、無印の強みともいえるサステナブル消費と利便性の両立においても、「再生ポリプロピレン入り 折りたたみコンテナ」といった主力の生活雑貨で商品を開発している。
前回10位の「ユニクロ」も5位と上昇。エアリズム、ヒートテックといった主力の商品力を継続的に向上させ、売り上げの柱を担っている。2024年は誕生40周年であり、コラボやプレゼントなど多数のキャンペーンを展開した。
トップ15内にディスカウント・百均が目立つ
「総合力」ランキング上位100位のうち、小売りのランクイン状況を見ると、6位に「ダイソー」、9位に「業務スーパー」、15位に「セリア」とディスカウント系や100円均一ショップの小売りが上位に入った。EC関連では「楽天市場」は52位で前回の32位から順位を大きく落とした。
「総合力」上昇ランキングでは「ローソン」が13.4ポイント上昇でトップ。次いで、「Netflix」が12.6ポイント上昇した。ほかには、生茶、バンダイ、Galaxy、松坂屋、アサヒグループ食品、トップバリュ、京王百貨店、伊勢丹、西武鉄道などが大きく上昇した。なお、ブランドの総合力とは別途聴取している「環境に配慮している」指標のトップ5は、ユニクロが首位、次いで、生協、無印良品、トヨタ自動車、アサヒ飲料の順となった。
「ブランド・ジャパン」は国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクトで、今回の調査が25回目。一般生活者編では企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1000ブランドを対象に調査した。
ブランド価値の「総合力」を算出する際、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」の4指標を採用。ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に調査し、ブランド価値の「総合力」を算出する際、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」を採用した。