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この記事は『シニア通販は「こだわりの大人女性」を狙いなさい!』(ダイヤモンド社刊)の内容を、特別に公開しているものです。

これまでになかった生活環境からのニーズ

2つめの「本人のライフステージの変化」も重要な視点だ。

現代人の平均寿命が延び続けていることで、仕事で定年を迎えたり子どもが手を離れてからの人生が20年以上あることが当たり前の時代となった。

このようなライフサイクルを経験する世代は、日本の歴史上これまでに例がない。つまり、そこから生まれる消費者のニーズも未知のものであり、その分、「こうであるべき」という決まりもないため、無限の可能性が秘められている。

このような点を意識しながらライフステージに注目すると、こだわりの大人女性の特徴がよりクリアに見えてくる。

ライフステージとは、就職、結婚、子どもの誕生、定年など人生における重要な出来事によって変化する生活段階のことだ。それまで何十年と続いてきたその人の役割が変化するため、意識や行動にも大きな影響を及ぼす。

男性の定年という典型例でいえば、職場での役割が終わり、代わって家庭内やご近所づきあいでの役割などが出てくる。特に「仕事人間」として人生の大半を職場で過ごしてきた人の場合、意識や行動を大きく変えることを余儀なくされるだろう。新しい役割に基づいた人間関係ができたり、行動範囲も変わる。そこには様々な不都合や問題が生じる。

女性の場合、定年に関して言うならば、本人が仕事を持っているか専業主婦かにかかわらず、「自由」がキーワードとなる。仕事をしていた女性なら、定年をきっかけに自由な時間ができるため、消費行動も外へと向かう。先に述べた、「解放段階」だ。専業主婦であった場合でも、夫の定年をきっかけに、主婦業から自由になって自分のために時間を使いたくなる傾向が強い。そこから生まれる消費行動は、おしゃれや美容、旅行などにつながっていくはずだ。

一方、3つめの「家族のライフステージの変化」は良いことばかりではない。大きな負担となるのが、親の介護だ。特に、女性にとっては自分の両親と夫の両親の、計4人の負担がのしかかる可能性もある。

子どもの進学や就職、結婚などは、良い影響を与える変化だ。子どもの結婚後は、「孫に関する消費」という行動も生まれてくる。少子化の昨今、子ども1人に4人の祖父母がつくため、消費される金額は高くなり、大きなマーケットとして期待が持てる。

こだわりの大人女性がまだ若く、自分の子育てをしていた頃は、自由になるお金は少なく、子どもを健康に育てること、新しい家族の生活を守ることで頭がいっぱいだったはずだ。しかし、孫に対しては、子育ての経験者として余裕をもって接することができ、また気楽に、ひたすら可愛がるだけでいい。そのため、自分の子どもに対してできなかったことを、孫に対してする「おばあちゃん」は少なくない。洋服に、玩具に、教育費にと、消費行動を起こす大人女性は多い。

シニア特有の変化を見極める

4つめの「世代の嗜好性の変化」は、団塊世代に特徴的に見られる。20歳前後の時代に、大きなインパクトを受けた世代体験があるためだ。

大きな影響を及ぼしたのが欧米の文化だ。青春時代にビートルズを聞き、ミニスカートやジーンズをはいた多感な時期に海外文化の洗礼を受け、その当時の高揚感を今も忘れていない。そのため、この世代は「新しもの好き」という傾向が強い。

かつての強烈な世代体験は、ノスタルジーにつながる。懐メロのCDや当時の名画DVDなどは、いまなお世代体験をくすぐる商品と言える。

5つめの「時代性の変化」は、流行の変化ともいえ、女性に顕著だ。

中高年女性の間では、つい最近までは韓国が大ブームだった。ドラマや映画、俳優、料理に旅行先など、韓国一色だった。しかし、いつの間にか当時ほどの勢いはなくなっている。

近頃では登山がブームで、カラフルなウェアに身を包んだ「山ガール」の中にたくさんの大人女性を見かけることが増えてきた。

また、おひとり様限定ツアーも彼女たちを中心に広がりつつあるブームだ。家事や育児から解放されて、あるいは両親や義両親の介護の息抜きとして、誰に気兼ねすることなく楽しめるひとり旅のツアーが人気を呼んでいるのだ。

以上、シニア特有の5つの変化から、こだわりの大人女性の消費行動を考えることは、単純に年齢のみから考えるよりもより深く彼女たちを理解することに役立つ。例えば定年というライフステージの変化は、豪華客船での世界一周旅行など、高額商品を購入するきっかけになる。加齢による身体の変化は、サプリメントや健康食品など、これまでとは異なる消費を生み出す。

ただし、これまでの人生や現在の状況により異なる面もあることは忘れてはならない。例えば、ライフイベントのひとつに引っ越しがある。リタイア後、都会からのんびりとした田舎へ、あるいは郊外の一軒家を売って利便性の高い都心のマンションに引っ越しをするケースなどだ。実際には親の介護の有無や、子どもが就職して自立しているか、退職金の額、そして夫婦関係が円満であるかなど、様々な要因によってどんな引っ越しを行うかは異なってくる。

シニアの消費は年齢で決まるのではなく、特有の変化で決まる。さらに、それぞれの状況に応じてニーズも変わる。こだわりの大人女性を攻略するにも、消費の裏側にある変化とニーズを見極めることが欠かせない。

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高山 隆司

株式会社スクロール

高山 隆司(たかやま・りゅうじ)

株式会社スクロール360 取締役

1981年株式会社スクロール(旧社名株式会社ムトウ)に入社後、新規通販事業の立上げ、販売企画、INET戦略策定を経て、2008年に株式会社スクロール360の設立に参画。以来、多くの企業の通販事業の立上げ、EC戦略策定、物流立上げを経験。現在、スクロール360では300社のEC通販企業のサポートを行なっている。

山下 幸弘

株式会社スクロール360

株式会社スクロール360 プロモーション課長

スクロール360設立当初より、通販企業の販促支援を統括。スクロールの通販ノウハウを生かした、コンサルティングから販売促進を含む実務支援において、100社を超える企業の売上拡大支援実績を持つ。

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