前回は、ECサイトの「商品詳細到達率」のKPIを改善するため「レコメンド」枠の活用方法について解説しました。今回は商品詳細ページからカート投入率を高めるための施策について、自然派化粧品・石鹸のECサイト「LUSH」の事例をもとに解説します。

表現力豊かな商品詳細ページ ─ラッシュジャパンの事例

商品詳細ページは商品をじっくりと見てもらい、その魅力を十分に伝え、ユーザーを購入へと進ませる非常に重要なページであることは言うまでもありません。まずは、魅力的な商品詳細ページを作っている「LUSH(ラッシュ)」(運営はラッシュジャパン)のサイトを紹介しましょう。

「LUSH」は自然派化粧品・石鹸のお店。実店舗へ行ったことがある人であれば思い浮かべることができると思いますが、あの石鹸の香りや店員さんのフレンドリーな接客がラッシュジャパンの魅力のひとつです。

それをWeb上で表現するのはかなり難しいと思いますが、ラッシュジャパンは様々な工夫でそれを見事に実現していると言えます。フェイス&ボディマスク「パワーマスク」の商品詳細ページを例に解説します。

魅了的な要素① 動画

商品詳細ページでまず目を引くのが動画です。画面いっぱいに石鹸を泡立てたり、クレンジングを顔に伸ばしたりしている動画が自動で始まります。クリームの画像だけ見るより、動画があったほうが使用感のイメージが湧き、断然良いです。

フェイス&ボディマスク「パワーマスク」の商品ページ(画面は編集部でキャプチャ)

魅了的な要素② 原材料の画像

ページをスクロールすると商品の説明の次に、使われている原材料が並んでいます。メインの原材料の画像は大きく、それ以外は小さく表示されており、どの材料の要素が強いのかひと目でわかります。

単純にテキストで「セイヨウハッカ油」「ハチミツ」と書くよりも画像があった方が香りや効果のイメージが湧き、ワクワク感がさらに増します。

「パワーマスク」の原材料

魅了的な要素③ 商品レビュー

9月16日現在、パワーマスクには1,800以上のレビューが付いています。評価の平均点は5点満点で4.6点。使ったことのない商品だとどうしても不安がありますが、レビューの多さと評価の高さに、ますます試してみたい気分になります。

「パワーマスク」のレビュー(2016年9月16日現在)

魅了的な要素④ チャット

ページの右下には常にオンラインチャットのウィンドウがあり、いつでも気軽に質問できる環境があります。サイトの使い方はもちろん、商品の知識があるスタッフが対応してくれるので、店舗での接客のようにしっかりと納得した上で購入することができます。

このように、商品の魅了が伝わり、疑問や不安が解消されると、始めはそれほど買う気がなかった商品でも買いたくなってきます。欲しい商品であればなおさらでしょう。

実際に、チャット経由の購入に関しては、通常のWeb購入に比べ5倍以上のCVRで売り上げにも貢献しているそうです。

LUSHのチャットウィンドウ(左)。受付時間(平日10時~17時)以外はフォームで受け付ける(右)

ユーザーレビューは過半数が「参考にする」

昨年、楽天はレビューの投稿による値引きを禁止するなど、レビューのルールを変更しました。こうした動向を踏まえると、単純にレビューの数ではなく、質を保つことが重要になっています。では、どれほどのユーザーがレビューを参考にしているのでしょうか?

総務省の情報通信白書によると、「レビューをどの程度参考にするか」という問いに対し、20代〜60代すべての年代で過半数が「ECを利用する際にレビューを参考にする」と回答しています。

図表「レビューをどの程度参考にするか」 出典:平成28年度情報通信白書(P72)

また、「レビューを読む際、主に重視する点」については、「情報量が多いこと」「最近の情報が含まれていること」「情報の信頼度」がほとんどを占めています。

やはり傾向としては、単純にレビューの件数が多いだけではなく、質が重視されていることがわかります。

図表「レビュー読む際、主に重視する点」 出典:平成28年度情報通信白書(P73)

ユーザーレビュー、活用のポイントは?

あるアパレルECサイトではレビューの活用で成功しています。取扱商品のほとんどのアイテムに1件〜10件のレビューが付いており、多い商品では1商品に対し、2,000件以上ものレビューが付いていました。

でも、なかなかそこまでレビューが集まらない、活用できていないというサイトも多いのではないでしょうか。ユーザーレビューの活用には4つのポイントがあります。

  1. 集め方……ファーストステップとして、まずはいかに多くのレビューを集めるか?
  2. 表示方法……属性別の見せ方や絞り込みなど、UI/UXの改善による活用
  3. コンテンツ……「人(投稿者)」、「物(投稿対象)」、「時間(期間)」によるアレンジ
  4. データ活用……ユーザーとのコミュニケーションや商品開発への活用

ユーザーレビューの活用については、「集め方」「表示方法」「コンテンツ」「データ活用」の4つの点をまとめた資料がありますので、見直しやさらなる活用のヒントにしてください。

ユーザーレビューで成功しているサイトでは、こんな事例がありました。

レビューがない商品のCVRが平均1.6%に対し、レビューがある商品は平均5.1%とCVRが約3倍

コメントが1〜3件の商品はCVR 0.81%に対し、コメントが100件以上の商品はCVRが2.18%

1商品の売上が平均10万円のところ、レビューが多い商品の中には、1千万円規模になることも

ユーザーレビューがないECサイトはもはや少ないと思いますが、活用度が低いサイトはまだまだあるように見えますので、改めてユーザーレビューを見直すことで、カート投入率が改善することでしょう。

◇◇◇

次回は、カート投入から購入を高める施策についてお話しします。

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高橋 敏郎

ナビプラス株式会社

高橋 敏郎(たかはし・としろう)

ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部 部長

大学卒業後、インターネット広告代理店にてIT関連メディアやリスティング広告、サイト構築の営業に従事。その後、人材紹介会社におけるインターネット関連企業の採用支援業務などを経て、2010年の会社設立とともにナビプラス株式会社に参画。

現在は、大手EC事業者への営業のほかマーケティングやアライアンス関連業務などを担当している。

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